センバツ高校野球1回戦(21日、甲子園)広陵(広島)―高知 広陵は1年春から背番号「1」を背負う、大会屈指の右腕・…

ピッチング練習をする広陵の高尾響=広島市安佐南区で2024年2月10日、長谷川直亮撮影

センバツ高校野球1回戦(21日、甲子園)

広陵(広島)―高知

 広陵は1年春から背番号「1」を背負う、大会屈指の右腕・高尾響を擁する。高知も本格派の右腕二枚看板がいる。低反発の新基準バットが導入された今大会だけに、投手戦が予想される。

 高尾の直球は、ほれぼれする球質だ。最速148キロで回転数が多く、ホームベース上でホップする。スライダーやスプリットなど変化球も多彩で、甲子園の登板経験も豊富だ。さらに、中井哲之監督が「ふてぶてしい」と評するようにマウンド度胸も抜群。1年秋からマスクをかぶる只石貫太とも息ぴったりで、バッテリーの安定感では他の追随を許さない。

 高知は最速145キロの辻井翔大から最速148キロの平悠真への継投が必勝パターンだ。辻井はスライダー、カットボール、カーブ、スプリットを操り、昨秋の公式戦では37回あまりを投げ、45個の三振を奪った。バックも堅実で、守備力は優勝候補の広陵にも引けを取らない。

 打力や経験も鑑みると、総合力では広陵が一段上。だが、低反発バットではその差が縮まると考える。飛距離の出ない軟式の指導経験がある高知の浜口佳久監督は、ロースコアでの点の取り方を知り尽くす。「軟式の戦い方をやろうかな」と不敵な笑みを浮かべる浜口監督の采配次第で、高尾攻略も現実味を帯びる。【大東祐紀】