牡馬相手に揉まれた経験が生きるか。朝日杯FSで3着だったタガノエルピーダ(牝3、栗東・斉藤崇史厩舎)が、チューリップ賞(3歳牝・GII・芝1600m)で重賞初制覇を狙う。  タガノエルピーダはタガノ軍団が誇る良血馬だ。父キズナ、母タガノ…

 牡馬相手に揉まれた経験が生きるか。朝日杯FSで3着だったタガノエルピーダ(牝3、栗東・斉藤崇史厩舎)が、チューリップ賞(3歳牝・GII・芝1600m)で重賞初制覇を狙う。

 タガノエルピーダはタガノ軍団が誇る良血馬だ。父キズナ、母タガノレヴェントン、母の父キングカメハメハの血統。母は現役時代に未勝利だったが、繁殖牝馬として大ブレイクした。これまでに産駒はJRAで9頭がデビューして8頭が勝ち馬。タガノトネールは15年のサマーチャンピオンと16年の武蔵野Sを制覇。タガノエスプレッソは芝、ダート、障害の三刀流で重賞4勝を含むオープン6勝。タガノディアマンテは20年の万葉Sを制し、重賞の2着が3回ある。

 タガノエルピーダはここまで2戦1勝。昨年10月の新馬(京都芝1600m)は、上がり3F33秒5の決め手を繰り出しての完勝だった。その後は阪神JFを目指したが抽選で除外。仕方なく牡馬相手の朝日杯FSに挑戦し、ジャンタルマンタルから0秒2差、2着のエコロヴァルツからは僅かにクビ差の3着に大健闘した。まだ1勝クラスの立場ではあるが、実力は優に重賞級。兄姉が届いていないGIタイトルも目指せる器だ。

 86年以降、牡牝混合2歳GIで3着以内だった牝馬は、昨年のタガノエルピーダとレガレイラを除くと4頭。後にGIを6勝したグランアレグリア、シンザン記念を制したミルフォードスルーなど、いずれも3歳春に活躍している。もちろん、タガノエルピーダも大きく飛躍できるはず。ここで優先出走権といわず、重賞初制覇を果たし、桜の主役候補に名乗りを上げたい。

【牡牝混合2歳GIで3着以内の牝馬、3歳春の成績】86〜22年
・88年阪神3歳S2着・アイドルマリー…4歳牝馬特別2着、ペガサスS3着
・89年朝日杯3歳S2着・サクラサエズリ…フローラS1着、クイーンC5着
・90年阪神3歳S3着・ミルフォードスルー…シンザン記念1着、アネモネS2着、4歳牝馬特別3着
・18年朝日杯FS3着・グランアレグリア…桜花賞1着、NHKマイルC5着