2024年のJリーグが開幕した。J1では10試合が行われ、それぞれ熱い戦いが繰り広げられた。開幕節から浮かび上がった今…

 2024年のJリーグが開幕した。J1では10試合が行われ、それぞれ熱い戦いが繰り広げられた。開幕節から浮かび上がった今シーズンの行方、そして優勝候補や降格チーム、新天地を求めた選手たちを、サッカージャーナリスト重鎮の大住良之と後藤健生がズバリ徹底分析する。

■欧州へ飛び立つ「選手」と優勝候補入り「クラブ」

――ここまでチームの話をうかがってきましたが、気になる選手はいますか。

大住「サンフレッチェ広島が本当に上位を走るには、新加入の大橋祐紀の活躍が必要だよね。大橋と加藤陸次樹が点を取らないと」

後藤「開幕戦は見事に2点取ったね」

大住「大橋はもしかしたら化けるかもしれないね」

後藤「あるいは夏にヨーロッパに行っちゃうか」

大住「大橋はずっとプレーの内容は良かったんだよね」

後藤「湘南ベルマーレに所属していた去年も、開幕節でいきなりハットトリックしていたでしょ」

大住「町野修斗日本代表に選ばれたとき、え、大橋じゃないの、って思ったくらいだもんね。あと気になるのは東京ヴェルディ城福浩監督だよね。あのサッカーと態度を貫くだろうけど、それがJ1で報われなかったら、ちょっと悲しいな。優勝争いとまで言わなくとも中位くらいに入って、J1でしっかりした地歩を築いて、ヴェルディというクラブが財政的にも大きく改善されて、良い選手を取れるように、そして良い選手が出ていかないようになったら、数年後には優勝候補になれるかもしれない」

■日本代表・山根視来から受け継いだ「背番号」

後藤「ヴェルディは去年のJ1昇格プレーオフ以降の報道を見ても、今でも世間の注目を集めるチームだということが証明されたわけだよね。スポーツニュースなどでも大きく取り上げられて、実際にJ1で見ても、結構すごいサッカーをしている。ある程度の成績を残したら、大きなスポンサーが手を挙げるかもしれない」

大住「そうだよね。三浦知良やラモス瑠偉を擁する不動の王者だった頃と比べても、サッカー自体は今のほうがはるかにエキサイティングなわけだよ。昔はきらびやかなスター軍団だったけど、今のチームには、とにかく前に向かっていく情熱と若さがみなぎっているよね」

後藤「昔とは真逆だよ。お金がなくて、自前で育てた戦力をどんどん売りながらも、ああいうチームをつくった城福監督は偉いよね」

大住「偉いよ、本当に」

――後藤さんが注目する個人は誰ですか。

後藤「意外にハマっちゃった、鹿島アントラーズランコ・ポポヴィッチ監督。どうなるかなと疑問だらけだっただけに、ね。監督ならば、もちろん優勝を狙う広島のミヒャエル・スキッベ監督も素晴らしい。選手では、柏レイソルの細谷真央にこのまま順調に育ってほしいな。次のワールドカップのためにもね」

大住「川崎フロンターレの三浦颯太も良いよね。森保一監督が昨年末、まだJ2のヴァンフォーレ甲府に所属していたのに、日本代表に招集したくなったのも分かるよね」

後藤「左サイドバックは日本代表が抱える問題のひとつだから、候補に躍り出たと言えるよね」

大住「どんどんこれから伸びていきそうな感じがする」

後藤「J1の強豪クラブに入って、これから高いレベルの試合を経験するわけだからね」

大住「同じように川崎に入って日本代表へと成長した山根視来の背番号を受け継いでいるというのもいいじゃない」

■FC東京「荒木に期待」 注目の「東京ダービー」

――今週末はどの試合の取材に行かれるのですか。

後藤「金曜に川崎対磐田、土曜日にFC東京対広島、日曜日は浦和レッズとヴェルディの対戦」

大住「僕もFC東京と広島の試合に行こうと思ってる。FC東京では、荒木遼太郎が初戦では良かったみたいだね。小柏剛も移籍加入したし」

後藤「松木玖生が3人のキャプテンのうちの1人になったよね。そういえば今回、FC東京の話題が出なかったね。首都のクラブとして頑張ってもらわないと」

大住「うかうかしていると、ヴェルディに抜かれるかもしれないよ」

後藤「ダービーが楽しみだよ。とにかく、開幕節はどこもレベルが高い試合で面白かったんじゃない」

大住「そうだね。今週末も楽しみにしたいと思います」

いま一番読まれている記事を読む