<大相撲十一月場所>◇十日目◇21日◇福岡・福岡国際センター 大相撲では取組が4分を過ぎた場合、取り直しもしくは「水入り」して一度取組を止めるケースがある。これを管理しているのが土俵下で審判を務める時計係の親方だ。序二段九十九枚目・奄美岳(…

<大相撲十一月場所>◇十日目◇21日◇福岡・福岡国際センター

 大相撲では取組が4分を過ぎた場合、取り直しもしくは「水入り」して一度取組を止めるケースがある。これを管理しているのが土俵下で審判を務める時計係の親方だ。序二段九十九枚目・奄美岳(山響)と序ノ口四枚目・錦織(宮城野)の一番は、両力士ともに攻めあぐねる展開が長く、4分を超えることに。ここで時計係の親方から「3分…」「4分…」と経過を伝えるサインが送られたが、これがなんとも粋だった。

【映像】時計係の玉垣親方、渋くて粋なフィンガーサイン

 奄美岳は178.5センチ・172.2キロの体格。錦織は176センチ・128.3キロと、身長はあまり変わらないが、体重では約44キロ劣り、なんとか動きで翻弄したかった。立ち合いから鋭く踏み込んだ錦織だったが、奄美岳も腰が重く、なかなか動かない。お互いに下手に動けば劣勢になると考えたのか、止まっては少し動き、また止まっては少し動きの繰り返しで、なかなか決着が見えない一番となった。

 すると土俵下のいた時計係の玉垣親方(元小結・智ノ花)が手元の時計をチラチラ。そして3分を経過するというあたりで、他の審判に向けて「3分」と親指、人差し指、中指を立てつつ、手の甲を向けるような独特のフィンガーサインで伝えた。さらに取組は続き4分を経過すると、今度はさらに分かりやすく「4分」を伝え、取り直しのタイミングが来ていることをアピールした。

 玉垣親方が、じっくりと出したフィンガーサインが粋だったのか、注目していたファンからは「数字の出し方かっこよかった」「サインかっけーな」「サイン出した」と多くのコメントが寄せられていた。現役時代の智ノ花といえば、小兵ながらも巧みな技で相手を翻弄したことでも知られる。今回は時計係として思わぬ技を繰り出した。
(ABEMA/大相撲チャンネルより)