男子テニスの最終戦Nitto ATPファイナルズ(イタリア/トリノ、室内ハード)は19日、シングルス決勝が行われ、第1シードのN・ジョコビッチ(セルビア)が第4シードのJ・シナー(イタリア)を6-3, 6-3のストレートで破って優勝を飾る…

男子テニスの最終戦Nitto ATPファイナルズ(イタリア/トリノ、室内ハード)は19日、シングルス決勝が行われ、第1シードのN・ジョコビッチ(セルビア)が第4シードのJ・シナー(イタリア)を6-3, 6-3のストレートで破って優勝を飾るとともに、同大会最多となる通算7度目のタイトル獲得を果たした。試合後の会見ではシナーや世界ランク2位で20歳のC・アルカラス(スペイン)、そしてアルカラスと同い年のH・ルーネ(デンマーク)ら若手選手へメッセージを送った。
>>【動画】ジョコビッチ優勝の瞬間<<
Nitto ATPファイナルズは今季の獲得ポイント上位8選手が出場するシーズン最後の大会。8選手が4名ずつに分かれ予選ラウンドロビンを戦い、各グループの上位2名が準決勝に駒を進める。
予選ラウンドロビンで同じグループで、そのときはシナーが7-5, 6-7 (5-7), 7-6 (7-2)のフルセットの末に勝利していたこのカード。5日ぶりの再戦となったが、この日はジョコビッチが試合を支配することとなった。
決勝戦、ジョコビッチは13本のサービスエースを決めるなどファーストサービスが入ったときに91パーセントの高い確率でポイントを獲得。2度のブレークチャンスをシナーに与えたものの、これを凌いだ。リターンゲームでは8度のブレークポイントのうち3度でブレークに成功、1時間43分で予選ラウンドロビンでのリベンジを果たした。
今季は、36歳にして全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)、全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)、全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)などを制覇し、8度目となる年間最終世界ランク1位、そして1位在位期間で通算400週に到達するなど、前人未到の快挙を成し遂げ続けているジョコビッチ。
その王者を止める存在として22歳のシナーや20歳のアルカラスとルーネら新世代の台頭が期待されている。
ジョコビッチは優勝後の会見で若手選手たちへのメッセージを語った。
「彼らが僕と対戦するとき、僕に勝つためには彼らの最高のテニスが必要だということを感じてもらいたい。対戦相手にそう感じてもらいたいのは間違いないよ。それが精神的に試合に臨むのに役立つからね」
「最大の舞台で勝てば勝つほど、このようなオーラは増していくと思うし、そうなるのがうれしいのは間違いない。もちろんそれだけで試合に勝つことはできないが、少しは得られるかもしれない。小さなきっかけをね」
「頑張りたいと思う限り、頑張るつもりだ。大きな舞台で彼らに勝つことができる限り僕はまだ進み続けるだろう。なぜやめる必要がある? 彼らが僕のお尻を蹴り始めたら考えるだろう。プロテニスからは少し休憩するか、もしかしたら永久に休止するかもしれないね」
しかし今は来年に迫ったパリオリンピックへモチベーションが高まっていると付け加えた。
「四大大会とオリンピックの金メダルを獲得できるだろうね(笑)。僕は常に最高の野心と目標を持っている。それは来年も変わらない。それは確かだ。僕が持っている意欲はまだそこにある。特に、このスポーツ最大のトーナメントに対するモチベーションは今でも残っているよ。それが今でも僕に前進を続けるインスピレーションを与えてくれる。結局のところ、人は大きなトーナメントでの自分のパフォーマンスを見ているけど、そこまでの過程である何週間、そして何ヵ月も見ているわけではない。毎日、毎週、献身的に努力して、自分のピークを達成したい場所で持ってこられるようフォームを構築しようとしている。僕にとって、それらは明らかにグランドスラムとNitto ATPファイナルズ、そしてオリンピックだ」