インカレ直前特集、初回は4年生の狩野直樹(スポ4=埼玉・浦和学院)と3年生の白築琢磨(文構3=東京・早実)、そして1年…

 インカレ直前特集、初回は4年生の狩野直樹(スポ4=埼玉・浦和学院)と3年生の白築琢磨(文構3=東京・早実)、そして1年生の鍋島弘樹(スポ1=福井・北陸)にお話を伺った。早大の得点源であるフローター陣に関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)を振り返りつつ、全日本学生選手権(インカレ)への意気込みを語っていただいた。

※この取材は10月14日に行われたものです。


左から、白築、狩野、鍋島。

――簡単に名前とポジションの自己紹介をお願いします

鍋島 鍋島弘樹です。スポーツ科学部1年です。ポジションはバックプレーヤーです。

狩野 狩野直樹です。同じくスポーツ科学部でフローターで基本的にはレフトバックです。

白築 白築琢磨です。文化構想学部3年で、主にセンターをやっています。

――右隣の選手を紹介するかたちで他己紹介をお願いします(狩野→白築、白築→鍋島、鍋島→狩野)

狩野 彼は白築琢磨で、性格としては人一倍勝ち気が強くて負けず嫌いな一面があります。部活をやっている中ですごく真摯(しんし)に取り組んでいて人一倍努力していて、その結果が2季連続の得点王に表れているのかなと思います。

白築 彼(鍋島)、なべちゃんは1年生ながら春リーグ秋リーグ通して、物怖じせずに活躍してくれて。常に試合に出続けている身としては、フレッシュな選手がコートに入ってきてくれるだけで僕自身も士気が高まるのでそういった部分では良い刺激もらえるなって。彼から学ぶことは練習中と試合中も結構あるので、すごい頼もしい後輩というのは1番あります。これから3年半あるのでどんどん頑張ってほしいです。

鍋島 直樹さんは普段はいつも優しくて、僕たちにいろいろ声を掛けてくれる存在です。僕はディフェンスがあまり得意ではないんですけど、特に直樹さんはディフェンス面でカバーしてくれたりオフェンスでも秋リーグでは引っ張ってくれたりしてインカレに向けて頼もしい4年生だなと再確認できました。

――3人が初めて会った時の第一印象を教えてください

白築 直樹さんは中学生の時から何回か対戦したことがあって、高校も先生同士でつながりがあって知っていたので(狩野が)早稲田にいると知って、この人と一緒にできるのかと楽しみでした。実際に大学入って、1年生の時は大会があまりなくて、その中でも一緒に練習してプレーが合ってきたのが今に表れています。第一印象は中学校なのであまり覚えてないです(笑)。大学に入ってからは「すげえな」という印象です。彼(鍋島)は、僕の高校はあまり強くなくて、1個下の子たちが有名なところから来たりしていて北陸高校というものすごいところから早稲田に来ると入学前から話題になっていて。僕も結構楽しみにしていたので、実際に入ってきて春リーグ1戦目から活躍していて、「いいなあ」と思っています。

狩野 白築君から言うと、中学高校から顔は知っているという感じでした。大学で後輩として入ってきてくれて、高校の時から彼のプレーは知っていたので非常に頼もしい後輩が入ってきてくれたなと。リーグや試合を重ねていく中で、強く思うようになりました。弘樹に関しては、初対面のイメージだと、思いきりのあるプレーしてくれる子が入ってくれたなと思って。僕もスポーツ推薦で彼もスポーツ推薦で入ったので、僕の後を継ぐような活躍をしてくれたらいいなと思います。

鍋島 僕は2人とも、早稲田に行くって決めた時点から、試合をずっと見ていたので。みんな顔と名前は高3の時ぐらいからわかっていました。プレーの中では(コロナで)声出しとかがなかった中でも盛り上げてやっているのが早稲田の印象だったんですけど、オンとオフがハッキリしているなというのが2人の第一印象でした。

――ハンドボールを始めたきっかけは

狩野 僕から言うと、きっかけは2個上に兄がいて、試合を見たりして興味を持ちました。元々サッカーをやっていたんですけど、継続する気は全くなくて中学の頃に体験入部でハンドボールが面白かったのでハンドボールを始めました。

白築 僕も姉と兄がいて、姉が1番最初にやっていて、試合とかも見に行かされていて、そこで興味持ちつつ、兄も始めて、「じゃあやってみるか」という感じで、兄弟の影響が大きいです。

――お姉さんがすごい方だと聞きました

白築 いやあ、もうちょっと頑張ってほしいですね(笑)。

鍋島 僕も兄が部活で始めたタイミングで僕はその地元のクラブチームに入ったっていう感じです。

――ハンドボールを辞めたいと思ったことは

白築 多分辞めたいって思うのって先生からめっちゃ言われたりとかが結構強いと思うんですけど、僕は中高で怒られないようにしてたんで。キャプテンだったというのもあるんですけど、割と怒られない立ち回りを身に付けて何とかやってきて。結果ハンドをやっているからこそ今があるみたいな感じだったんで。めっちゃ辞めたいとかは思ったことはないですね。かといってハンドボールがめっちゃ好きって言われると、別にそうでもないし(笑)。何となく続けているという感じです。

狩野 僕も辞めたいはないですね。僕はそれなりに怒られてきた側ではあるんですけど、僕はあんま気にしないタイプというか、監督とかコーチは試合中だったら、基本無視していたんで、メンタルでやられることはなかったです。

鍋島 僕は結構辞めたいと思ったことはありました。小学校の時は、監督が怖くて。同期が多くてレギュラー争いが結構激しかったんですけど、結構怒られてハンドボールが嫌いになった時はありました。あと、中3の時もみんなと熱が合わなくて対立して、監督とかじゃなくて、同期との対立でハンドボールが嫌だなと思う時期はありました。

――嫌だなと思ってもハンドボールを続けられた要因は

鍋島 僕は大学は小さい時は考えてなかったんですけど、兄が北陸高校に入学した時点で、兄と同じ北陸高校でハンドボールをやりたいとずっと小学生の時から思っていて、それが続けられた要因だと思います。

――ハンドボール人生で1番印象に残っている試合はこれまでありますか。

鍋島 高3の時の春の選抜大会(全国高等学校選抜大会)の決勝で、それまで練習試合で負けたことなかった相手に初めて負けたのがその決勝だったんですけど、それで相手の監督が終わった後に胴上げされているのを見て、これはもう忘れちゃダメだなと思ったんですけど、インターハイ(全国高等学校総合体育大会)も決勝で負けちゃったんで、最後の国体(国民体育大会)は勝ててよかったです。その選抜が僕の中では絶対勝てると思っていた相手に負けて、目の前で胴上げされるっていうのは、めちゃめちゃ悔しかったです。

白築 僕は高校の自分の代の秋の新人戦で。自分たちの代になって初めての大きな大会で、東京の高校の新人戦はベスト4まで行ったらリーグ戦みたいな感じで総当たりになるんですけど、3戦やったうちの1試合が、すごい接戦で、途中まで負けていて。でも最後逆転して、1点差で勝った試合があったんですけど、その時はめちゃくちゃうれしかった記憶がありますね。中学の時は結構強い中学校だったんで、勝って当たり前で、関東大会も行けて、全国大会も行けてみたいな感じだったんですけど、高校はそこまで強いとこじゃなかったんで、その中でも新人戦で初めて優勝できたことがすごくうれしかった記憶あります。

狩野 高校1年生の時のインハイの県予選の決勝です。僕は浦和学院出身で、20数年連続でずっと学院が(インハイに)出ていたんですけど、2個上の兄の代がめちゃめちゃ弱くて。浦和実業学園が相手だったんですけど、試合終盤までずっと負けていて。今年こそ負けちゃうんじゃないかと言われていた中、僕も試合に出させてもらって、それなりに活躍して最後1秒2秒で逆転して、インハイの出場を決めた試合が印象に残っています。

――10月12日に母校の北陸高校が鍋島選手の代に続いて秋の国体連覇となりましたが、後輩の活躍をどう見ていますか

鍋島 今年の北陸は僕らの代に比べてちょっとクールぶっているやつらがいっぱいなんですけど、その中でも練習に顔を出したらみんな喋りかけに来てくれたりして、みんな可愛い後輩です。その後輩たちが僕たちの去年と同じように、最後良いかたちで終わって、次のステージに向かっていくのは本当に見ていてうれしかったですし、みんな活躍していて、僕も頑張らないといけないなじゃないですけど、やっぱりそういった刺激ももらいました。

――自分の出身校の試合は見たりしますか

白築 母校はあんまり見ないですね(笑)。序盤で負けちゃうことが多いので。

――目標にしている選手はいますか

狩野・白築 特定の誰かはあんまりいないですね。

鍋島 昔北陸電力ブルーサンダー(現福井永平寺ブルーサンダー)で選手をやっていた人なんですけど、今中部大でコーチしている人がいて。僕が小学生の時に、北陸電力はほんとに弱くて、4シーズン連続勝利がないみたいなチームで、どのチームにもボコボコにされていたんですけど、その中でもその選手がずっと声出している姿があって。それが本当に僕はかっこいいなと思って、だから僕も声出しを頑張ろうと思えたきっかけがその選手だったので、今は選手じゃないですけど、その人に憧れて盛り上げるキャラになったかなと思います。

――それぞれの学年で特徴とか色みたいなものはありますか

狩野 僕ら4年生は隔たりなく仲良いですね。

白築 そもそも人数がいないので、周りからどう思われているのかわからないですね。

狩野 3年生はプライベートの絡みが少ないですね。

鍋島 1年生は仲良くて、みんなやる時はやりますね。いじられキャラとか、みんなの立ち位置がはっきりしていて楽しいです。結城颯太(スポ1=千葉・昭和学院)がみんなからいじられています。

「本当に苦しい秋リーグだった」(狩野)


秋季リーグについて振り返る狩野

――秋季リーグの話に移りますが、秋季リーグを改めて振り返ってください

鍋島 秋季リーグは本当にしんどかったです。やっぱり第6戦の中大戦(○31―30)まで同点はあっても勝利がなくて、入れ替え戦が頭の中でよぎり、このままこの調子でいったらやばいなというのはありました。でも、あの中大戦は印象に残った試合でした。ああいった試合をまたできるように実力をインカレに向けて磨いていきたいなって思いました。

狩野 もう本当に苦しい秋リーグだったなって思いましたね。やっぱ前半戦の方は引き分けで勝ち点をとることができても勝ち切ることができなくて、流れが全然来ない中、個人的に体調を崩してしまって、チームに迷惑をかけたんですけど、2勝して頑張ってくれて本当に助かりました。本当に迷惑かけて申し訳ないなっていう気持ちがあって、あとの試合は僕が勝たせてあげようぐらいの気持ちだったんですけど、僕が出ている試合で勝ちないんで、勝たせてあげるぐらいの力は出したかったなと思いました。結果として、元々4位以上っていうところを目標にしている中で8位っていうのは納得いかないですけど、入れ替え戦にいかなくてほっとしたっていうところは1つあります。次のインカレに向けて、もう1レベルチームであげて2年連続初戦負けているんで、そこにしっかり標準を合わせて今年こそ絶対勝って、2戦目、3戦目とつなげるようにしていきたいなって思いました。

白築 2人も言っていたんですけど、苦しい期間だったっていうのはあって、途中まで勝ちがなくて、チームとしても結構どんよりしていて。個人的にもめちゃくちゃぶっ壊れそうになって、ハンドやっていて、1番メンタルぶれそうになった期間が秋リーグで。僕今3年生なんですけど、入れ替え戦行って、もしものことを可能性が出てきちゃった時に、本当にどうしようっていうのはあリました。僕はオフェンスの真ん中で結構指示を出したりっていうところなんですけど、結局、ハンドボールみたいなスポーツって点取り合うスポーツなんで、どっちが点を多く取れるかみたいな、ディフェンスももちろん重要なんですけど、その中でオフェンスがチームとして伸び悩んでる時に、やっぱ1番中心のポジションの僕がもっと回さないといけないっていうのはわかってたし途中までは本当にしんどくて、もう過去1レベルでしんどくて泣きそうになって。でもやるしかないからやって、途中からチームの雰囲気も結構良くなって、その結果が中大戦だったり東海大戦(○37―25)だったりで現れたのは僕としてもすごいうれしかったです。周りの選手が全員決めて喜んでてポジション的には、ディフェンスではコートの端で、オフェンスだったら真ん中から結構全体がよく見えるんで、チームのいろんな人が点取って、ベンチとかベンチ外とか、保護者の方々含めてみんなで盛り上がっているシーンがすごい鮮明に覚えてて、なんかいいなっていうのはあったので、インカレでもそれが続けられるように頑張りたいなって思いました。

――先ほど中大戦っていうのが結構話に出てきましたけど、今年の試合で秋だけじゃなくて春とかも含めて印象に残った試合はありますか

鍋島 僕は春リーグの3連勝した後の法大戦(●25―30)、中大戦(●31―37)の2連戦が結構覚えていて。その時にちょうど健志さん(田井健志主将、スポ4=香川中央)が手を骨折して、ちょうどその時から出られないみたいな試合だったと思うんですけど、その時に健志さんの代わりに、同じポジションの逆エースとディフェンスの健志さんのところに入って出たんですけど、全然自分のやりたいプレーも仲間との連携も全然合わなくて。で、そこで2連敗してしまって、勝っていたらまだ上位が全然あるっていうところの試合を僕が代わりに出て負けたので、あの時はここが健志さんだったら絶対勝てたんだろうなっていう、自分に対するちょっとした悔しさが残ったのが、今年で印象的な試合でした。

狩野 印象に残った試合だと、それこそ、僕は出てないんですけど、秋の中大戦ですね。やっぱり相手はスター選手が多く揃っていて、格上と言っても遜色ないチームなんですけど、そのチームに対して僕たちのやりたいハンドボールっていうのができた試合があれだったのかなと思いました。ディフェンスの運動量であったり、ディフェンスからの速攻というハンドボールをどのチームに対しても継続してやれば、どのチームにも勝てるっていうところが証明できたっていう、そういった試合になったんじゃないかなって思います。

白築 秋リーグの順大戦(●28―29)が途中まで7点差ぐらいつけて、最後一気にひっくり返されて負けたっていう試合が忘れられないです。正直、チーム的にも途中まで、あ、もうこれいけるんじゃないかみたいに思っていた選手は多分何人かいたと思うんですけど、正直やっている身としては、やっぱなんか安心できないみたいな時間帯が結構続いていて。で、結局1点差で逆転されましたが、そこで60分通してやるべきことを徹底してやんなきゃいけないなっていうのは再確認させられましたし、早稲田みたいな小さい選手が多い大学とかは特にチームとして組織で戦わなきゃいけないんで、やっぱ緩い時間帯が少しでも出てきたら、ああいう試合展開になっちゃうっていうのは知れたし、それはインカレに向けて再認識させられたっていうか、もう1回やるべきことを徹底しようっていうきっかけの試合にはなりました。

――順大戦の時に鍋島選手が試合後のインタビューで「応援もあっての順大というチーム」とコメントされましたが、春から変わったこととして、秋からどこの大学も応援に力を入れている印象ですが、声援というのはやはり力になりますか

狩野 そうですね(笑)。

――狩野選手の母校の浦和学院は応援がすごい印象がありますが

狩野 まあ、確かに力になるのもありますけど、あとは相手の応援が逆にこっちのプレッシャーになる面もあります。

白築 相手の応援は、めっちゃ嫌ってわけじゃないんですけどなんか引っかかるなみたいな、やっぱそういうのが積み重なってああいう試合になっちゃうっていうのもあるんで、やっぱ応援の力はやっぱあるとなしとでは全然違うっていうのはありますし、インカレではみんなに応援頑張って欲しいなと思います(笑)。

――リーグ戦を通じて成長した部分はなんですか

鍋島 僕は結構試合に出させてもらっていて、上級生が思いっきりいけばいいよっていう声かけをしてくれるんですけど、春リーグはシュートミスが多かったです。秋リーグもあったんですけど、ここ1点欲しいって場面で、僕が覚えている試合だと日体大戦(△30―30)とか、あとは順大戦の最後の方にディスタンスシュートが入った試合があって、ここ1本欲しいタイミングでの勝負強さは成長したんじゃないかなって思います。

狩野 成長したところで言うと、これまで色々と試合中に考えを張り巡らしている時は、やっぱちょっと動きが小さくなったり、思い切りがよくなくなったりしたんですけど、秋リーグ通して全体的に思いっきりよくプレーできたのかなっていうのはあります。あと下級生が責任を感じずに伸び伸びとプレーしてもらうために、尻拭いじゃないですけど、その土台の部分を作ろうっていうところは、意識してやっていたので責任の自覚といったところでは、成長できた部分なのかなと思います。

白築 僕はさっきも言ったんですけど、途中まで勝てなくて、もう個人的にもすごいメンタルやられそうになったっていう中でもやっぱ乗り越えられたっていうのはあって。個人的にはこの秋リーグを通じてチームを俯瞰(ふかん)して見れるようになったかなと思います。上級性としての立場からもそうですし、センタープレーヤーとしてもそうですし、1個上の立場から物事を見れるようになって、そこから意見を出すことができるようになったっていうのはありますね。

「チームが勝つことを優先」(白築)


2季連続となる得点王獲得について語る白築

――白築選手は春、秋と得点王に輝きましたが、この選手には負けたくないみたいなライバル視する選手はいますか

白築 いやー(笑)。

狩野 相手にならない?(笑)

白築 正直、春とかは開幕するまでは自分が(得点王に)なるとも思ってなかったし、全然縁のないものだと思っていたんで、得点王とか。でも、最初の2戦でなんかすごい点が取れちゃって。で、なんか周りからもすごい言われて、あ、これあんのかなみたいな。途中から意識しないようにはしていたんですけど、やっぱ周りから言われるとどうしても意識しちゃって。でも、その中でもセンタープレーヤーなので、パス出すとこは出して、自分で行くとこは行ってみたいなっていう葛藤はすごかったですね。秋は誰かに負けたくないって言われると、1年生に所くん(所真大、社1=岡山・総社)っていう子がいるんですけど、その兄貴(所凌央)が筑波大に同級生の3年生でいて、最初の方は彼がすごい点を取っていて。で、狙っていたかって言われたら、別に秋も狙ってはいなかったんですけど、順調に点を取っていると筑波大の彼も追い上げてきたりみたいな。やっぱ意識を自分としてはしたくないんですけど、張り紙とか出されたり、周りから言われたりすると、意識せざるを得ないみたいな感じはあって。僕の中では得点王っていうよりもチームが勝つことを優先してはいたんで、その中でプラスアルファとして取れたのは良かったし、別に特別誰かをライバル視していたとかはなかったです。あんまり意識しないようにはしていたので。

――同じバックプレイヤーとして、皆さんプレーに関してそれぞれお互いにここが羨ましいなって思うところはありますか

鍋島 直樹さんはやっぱり僕が絶対できない打点の高いシュートを持っていて、体も大きいので、ちょっと(ディフェンスに)捕まっても、体の大きさでカバーできるのが羨ましいです。あとディフェンスでは3枚目で、来年から狩野さんがいなくなってディフェンスがどうなるんだろうと僕も思っているぐらい、みんな狩野さんに対するディフェンスの信頼はめっちゃ厚いんで羨ましいなと思います。琢磨さんはやっぱり得点王になるほどの得点力をもっているのが僕も目指したい姿でもありますし、僕とはなんかプレースタイルが全然違うんですけど力を抜いたシュートでキーパーを騙したりとか、そういったところはいつも見ていて、僕もできるようになったらいいなと思います。そういったシュートもできないと僕もそういう得点王にはなれないんだなって思うぐらいすごい選手です。

狩野 弘樹から言うと1対1のキレであったりだとか、あとスピードつけた時のシュートの破壊力はすごく球が速くて、ジャンプシュートとか特に。そういうところを羨ましく思いますね。僕も(球が)速い方だと言われるんですけど、そこまで自分的には速いとは思ってないですし、もらってゼロステップからのフェイントのキレっていうのはすごく羨ましいなと思います。で、白築に関しては圧倒的な得点力ってところと、オフェンスのセンスがやっぱりすごい羨ましいなと思います。ボールを扱う技術であったりだとか、コートを俯瞰(ふかん)して見ていたりっていうところがハンドボールっていうかスポーツ全般においてすごく適した能力だと思うので、そういうところは純粋に羨ましいなと思いますね。

白築 僕は弘樹は直樹さんも言っていたんですけど、キレがあるっていうのはすごい羨ましいと思っていて。あと、結構(動きに)緩急があるんで、緩急ある中でのキレっていうのは、多分ディフェンスからしたらめちゃくちゃ嫌な攻め方だと思います。その中で球も速いってなったらバックプレーヤーとしてすごい脅威な存在なんで。僕も練習中で彼の緩急のつけ方とかシュートの速度とかは真似できないんですけど、(1対1の)入り方だったり、相手の退場を誘ったりみたいなのは勉強になるんで、キレの部分っていうのは羨ましいなって思いますし、やっぱ球のスピードは1年生でこれだけ出ていたらいいなってなりますね。直樹さんはこの身長があるので腕も長くて打点も高いですし、あと歩幅が広いんで、ディフェンスに当たられたとしても引きずってどんどんシュート打てるっていうのはすごい羨ましいです。僕みたいな結構身長が低いと大きい相手と対面した時に限度があるんで、やっぱそういうとこは羨ましいなとなります。絶対僕には真似できないんで。そもそも身長とか歩幅っていうのは技術じゃないものなんで羨ましいなって思います。

――白築選手と鍋島選手から見て、狩野選手の副将としての働きはどう見ていますか

白築 直樹さんが能動的に言ったりするっていうわけじゃないんですけど、そういう役割はキャプテンの健志さんが担っていて、(狩野は)後ろからチームを見てるみたいな感じで、土台を作ってくれているなっていうのは感じますね。副将としてディフェンスでもオフェンスでもそうですし、チームの雰囲気的にもそう感じますね。

鍋島 僕も中高副キャプテンやったんですけど、僕はどっちかといえば、みんなに強く言ってしまうような感じの副キャプテンで、思ったことを全部言っちゃうんですけども、直樹さんは僕とは違って、琢磨さんも言ったように、後ろから支えるじゃないですけど、健志さんがやりやすいような土台を作ってくれているような印象です。

――田井選手はどんなキャプテンですか

狩野 健志はハンドボールがまず純粋に好きなんだって思います。よくハンドボールのことを考えていて、あそこまで僕はハンドボールのことを常に考えられないです。彼が考えることに関しては、僕も考えさせられますし、2人が言ってくれたように僕は表立って口出す方じゃないですけど、健志がその役を担っているっていうところがあるので、だったら僕は後ろから引いて土台を作ろうかなと。健志がみんなに強めに言ってくれるからこそ、このチームが成り立っているのかなと思います。

――ここからインカレの話に移りますが、現在のチームの仕上がり具合はいかがですか

白築 秋リーグを通して出た反省とか課題とかっていうのを今潰そうとチームで頑張っている中で、今日も練習試合が午前中にあったんですけど、徐々に完成度は高まっているのかなと思います。まだ完璧に克服できたわけとかじゃないんですけど、秋リーグとか春リーグに比べて安定感がちょっとずつ出てきているのかなと思います。

狩野 そうですね、僕も同じような感じで、秋リーグ終えて、チームの課題が明確になって、1つ1つ潰そうとしている段階です。7人攻撃など新しいことも少しずつ取り入れています。今日の午前中も話したんですけど、感覚的にはすごい手応えがよくて、まだレベルアップできる部分ってのはいっぱいあると思うので、1つ1つ確実にやっていければいいのかなと思います。

鍋島 インカレに向けてチームの雰囲気とかはいいなと思うようになることが多くなってきたので、個人的には全国大会であんまり初戦で負けるという経験がないんですけど、今年もこのチームでできるのがほんとにあと少しなんだと思うと、僕もやるべきことをあと2週間ぐらいもっと全力でやらないといけないなっていう気持ちになっています。

「1点の重み」(鍋島)


現状の課題について語る鍋島

――現状の課題は何が挙げられますか

白築 ディフェンスが1番に挙げられるのかなって思います。ディフェンスとか特に調子のムラが激しくて。やられる時はもう真ん中を割られたり上から打たれたりみたいなのがあるんですけど、秋リーグ終わってからそこを強化していて、ディフェンスを中心的にやっています。(ディフェンスの)1枚目から見て、ちょっとずつですけど合ってきてるなっていうのは感じますね、ディフェンスの面に関しては。あとはやっぱミスとか、なんか球際のとこがまだ課題なので、後の期間でどう丁寧に練習に取り組めるかっていうのはありますね。

狩野 やっぱ僕もディフェンスの部分で、真ん中あたりの強さだったり、高さだったりっていうのはいい時はいいですが、悪い時は悪いっていうムラをなくそうとしています。やっぱ常にいい状態でやらないと、調子が悪い時に初戦で負けっていうのがこの2年間続いてると思うので、そういうところをしっかり突き詰めていってやっていきたいですね。あと、白築も言った球際の部分でここ1点欲しいっていう時にミスで相手の逆速攻で逆にマイナス1点、そういう自分たちが取れるはずだった点と相手の点でマイナス2点されてるんで、そういうもったいないところがまだ多いかなって思います。しっかりそこを突き詰めているチームが全国で勝っていくと思うんで、そういうとこをしっかりやっていきたいなと思います。

鍋島 1点の大事さじゃないですけど、秋リーグも同点、1点差負けが結構あったイメージがあります。インカレは負けたら終わりなので、1点の重みを練習から全員が意識していかないと、インカレでは初戦で強いところと当たる可能性もあるので、勝ちきれないんじゃないかなと思います。

――今インカレに向けて練習していますが、好きな練習メニューや嫌いな練習メニューはありますか

白築 あんまり特に何が好きで嫌いとかは。でも速攻練習とかはやっていて楽しいなと思いますね。1番ハンドボールっぽいかたちの練習なので(笑)。

白築 嫌いな練習は走るやつ(笑)。

狩野 ランだね(笑)。ただのランメニューはやっていて面白くないし、きついし。自分のためってのはわかるけど、頭ではわかっているけど。

白築 しんどいものはしんどい(笑)。

――今日、組み合わせの抽選が行われましたが、初戦の相手である中京大学に対する印象はありますか

鍋島 僕、兄が去年までいた大学なんで。そんな詳しいことはわかんないですけど、早稲田大学の受験落ちたら中京大みたいな話があリました。でもお兄ちゃんがいたとこなんで負けたくないですね(笑)。お兄ちゃんに憧れてハンドボール始めたんですけど、中京大には負けたくないです。

狩野 あんま印象残ってないんですよね。練習試合でやってあんまり記憶残ってないので。僕たちがやりたいハンドボールをやれば問題ないと思います。

白築 僕も春に(試合を)やったんですけど、あんま記憶なくて。でも絶対強いのは間違いないですし、ただ早稲田のやるべきことをやれば絶対上位までいけると思ってるんで自信はありますね。

――いずれ対戦したいチームとかはありますか

狩野・白築 ありません。

鍋島 僕は同期がいっぱいいるんで、チームってよりは同期と試合するのが楽しみです。

――2年連続初戦敗退ですけど、初戦と決勝、優勝決定戦などの大一番だったらどちらに難しさを感じますか

狩野 今のチームだったら初戦ですかね。

――鍋島選手は選抜、インターハイ準優勝で国体優勝していますが、いかがですか

鍋島 逆に僕は県大会とかも別に絶対負けないですけど、そういう試合の方が緊張します。だんだん決勝に上がるにつれて緊張がほぐれる感じです。初戦はめちゃめちゃ緊張しますね。

――目標の日本一になるためのキープレイヤーは誰になると思いますか

鍋島 僕はやっぱり白築さんです。どれだけカバーが厚くなっても、相手のディフェンスの圧が強くなっても、決めてほしいって場面で琢磨さんがいつも決めてくれるので。インカレでもたくさん決めてくれると思うので頑張ってほしいです。

狩野 白築かなー(笑)。彼に全て頼っているわけじゃないですけど、頼りにはしてますけど一緒に頑張りたいなと思います。

――これを聞いて白築選手はいかがですか

白築 もちろん2人(狩野、鍋島)もそうなんですけど、やっぱ1年生で今多くの試合に出ているのが彼(鍋島)と小柴くん(小柴創、スポ1=千葉・昭和学院)で。この2人が下級生の中で試合に出ていて、1年生の力を借りているんで、どれだけのびのびやってくれるかっていうのにかかってるかなと思います。でも、あんま気負ってほしくはないです。そういう時は僕らが支えてあげる立場なんで、1年生含め下級生には特にのびのびやってほしいですね。

――渡辺航平選手(人3=神奈川・桐光学園)はこの前の対談でインカレのキープレーヤーに狩野選手の名前を挙げていましたが、ご自身に関してどう思いますか

狩野 そうですね。(4年生にとって)最後の大会ってのもありますし、このチームでエースとしてやらせてもらっているので、多分みんなから頼られる存在というか、引っ張っていけるように頑張りたいです。

――ご自身に関して注目してほしいプレーとか強みなどはありますか

鍋島 僕は多分試合の中盤とか後半にかけてインカレでは多分出ると思うんで、ここ1本欲しいって時に決め切る力と、決めた後にしっかり盛り上げるとこまで見てもらえたらいいなと思います。

狩野 僕の持ち味はシュートだと思うんで、シュートってとこと、あとディフェンスの貢献度とかですかね。しっかり真ん中でチーム全体を支えるような働きをできたらと思います。

白築 僕はこれといったことはないんですけど、全部基本的に頑張るんで、オフェンスもディフェンスも。オフェンスは真ん中としての役割もそうですし、ディフェンスは端っこから支えて貢献できればいいなって思ってるので、まあ全部見てほしいです。

――最後にインカレに向けて意気込みをお願いします

鍋島 (インカレ後に)早慶戦はあるんですけど、4年生とできる最後の大きな大会なので、まずは初戦突破して、その後2回戦、3回戦と勝ち進んで、やっぱり2013年以来日本一を早稲田は取れてないので、またその景色が見れるように頑張りたいです。

狩野 これが4年間の集大成という位置付けになると思うので、そこに悔いなく力を出し切って、満足いく結果が得られるように頑張りたいと思います。

白築 絶対に勝ちます!

――ありがとうございました!

(取材・編集 丸山勝央、渡辺詩乃)


最後にインカレへの意気込みを書いていただきました!

◆鍋島弘樹(なべしま・ひろき)(※集合写真左)

2004(平成16)年5月22日生まれ。176センチ。福井・北陸高出身。スポーツ科学部1年。気迫溢れるプレーと雄叫びでチームを鼓舞する鍋島選手。1年生ながら春から出場機会を得ると、早くもチームに欠かせない存在に。色紙の言葉は、「インカレで鍋島という名を広めたい」だそうです。次世代のエースがインカレで大学ハンドボール界にその名を轟かせます!


◆狩野直樹(かの・なおき)(※集合写真中央)

2001(平成13)年4月9日生まれ。185センチ。埼玉・浦和学院高出身。スポーツ科学部4年。強烈なロングシュートが持ち味の狩野選手。チームの縁の下の力持ちとして副将を務めています。攻守ともにチームの中心である狩野選手の活躍がインカレ優勝には不可欠です!


◆白築琢磨(しらつき・たくま)(※集合写真右)

2002(平成14)年5月16日生まれ。173センチ。東京・早実高出身。文化構想学部3年。春、秋と2季連続で得点王に輝いた白築選手。攻撃の起点となり、周りを生かしながら自らも得点を量産する技術の高さは言うまでもありません。インカレでもチームの司令塔として、その手腕を存分に発揮してくれるでしょう!