瀬古樹の感覚と意図が、川崎フロンターレのACL2023-24初戦の決勝ゴールを導いた。 9月19日に敵地で大会初戦を迎…
瀬古樹の感覚と意図が、川崎フロンターレのACL2023-24初戦の決勝ゴールを導いた。
9月19日に敵地で大会初戦を迎えた川崎は、ジョホール・ダルル・タクジムの粘り強い守備と強烈な個に翻弄されながら一進一退の攻防を続けていた。そんな前半45分の場面だった。
右サイドで家長昭博がボールを持った時、クロスを受けられる場所に入り込んでいた瀬古は、その理由を次のように振り返る。
「(相手守備陣は)基本的にバフェに食い付くシーンが多かったので、そこの裏や脇を使えたらと思ったので」
だから、「アキさんがああいう形で持った時は僕も走る時は走ろうと思っていた」のだという。また、実際に瀬古がそのスペースに走り込むと、「そこを逃さずに使ってくれた」家長からクロスがピンポイントで入ってくる。この時瀬古は背後に味方の存在を感じていたという。
「あとは感覚でマルシーニョが後ろにいるなと思ったので」
その感覚に従いクロスボールを「そららすだけ」だったのだと話す瀬古。そうやって、狙ってそらした先にいたマルシーニョがプロとしては初めてだというオーバーヘッドキックで蹴り込んで川崎が先制に成功。これが決勝点となった。
■「出し惜しみせず、やりきることが大事」
結果的に川崎の勝利にアシストで貢献した瀬古は、守備でもハードワーク。中盤として新しい守備戦術の要としての役割を果たす瀬古は、増加する運動量もいとわずにフォワ・ザ・チームの姿勢を貫いている。
「インサイドハーフはヤスくんもそうだし、アンカーのケントも含め、運動量を求められるので。そこはもう本当に出し惜しみせず、やりきることが大事」
当然疲労は蓄積するが「その中で、動きの質だったり、相手が嫌がるような判断ができたかなと思っています」と胸を張った。
そして「ゴールに関わっていく仕事っていうのを増やしたいっていうのは常々言ってたので。こういうアシストという形で数字が出たのはいいことだと思うので。それを今後も増やしていけたらなと思ってます」と今後を見据えていた。
(取材・構成/江藤高志)