■レーベンスティール

【中間調整】昨年11月の新馬戦ではソールオリエンスにクビ差の2着も、次戦では順当に勝ち上がった。休み明け2戦目だった今年5月の1勝クラス平場(東京芝1800m)で5馬身差圧勝。そこで0秒9差3着に破ったトーホウガレオンはシンザン記念3着の経歴、のちに1勝クラス特別を快勝しておりメンバーレベルに恵まれての大勝ちでなかったのは間違いない。続く前走・ラジオNIKKEI賞は1番人気に応えられずの3着に終わったものの、16頭立て14番ゲートと厳しい枠だったし、直線では進路が狭くなり外へ強引に切り替えるロスもあった。負けて強しの一戦だったと言える。

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一貫して芝1800m戦で使われてきたが、操縦性に長けたタイプとあって重賞2戦目の挑戦として秋初戦をセントライト記念に設定。ノーザンファーム天栄での放牧を挟み8月24日に帰厩している。27日にウッド15-15をこなしたのが初時計。以降は狂いのないスケジュールで調整が進められている。1週前追いではウッドで古馬2勝クラスを追走し、序盤から速いペースを刻む。それでも終いにタレることなく、鋭い加速から手応え優勢で併入とした。

【最終追い切り】レース当週は水曜に上野翔騎手が騎乗しウッド14-14を消化。そして金曜日に今回初コンビを組むJ.モレイラ騎手が騎乗し、ウッド併せ馬を行った。準オープン馬を目標に速いペースを刻み、直線半ばで抜け出す。相手も盛り返してきたが、手応えにお釣りを残し半馬身先着とオープン馬の貫禄を示した。

【見解】力強さにあふれており、ウッド5F64秒台連発という全体時計が示すように前進気勢も上々。ただし走りのバランスがやや前のめりな感があり、伸びやかさという点でやや物足りなさがある。最終追いでもいささか一本調子で、先着と言っても1回抜いた相手にジワッと迫られたものだった。陣営が通用の可能性ありと考えて芝2200m重賞に使ってくるわけだが、走り方や気性面からやはりベストは芝1800m戦という感は否めない。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター 競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。