「“課題を見つける”ということを自分自身はすごく考えていました。(チームは)良いところだけでなく、難しいところやうまくいかない…

「“課題を見つける”ということを自分自身はすごく考えていました。(チームは)良いところだけでなく、難しいところやうまくいかないこともあるので、それをしっかり見つけて、クリアにしていきたいと思いながら臨んでいました」

 5月23日〜29日の期間で行われた女子日本代表の第2次強化合宿。この合宿での取り組みをチームのキャプテンを務める林咲希(富士通レッドウェーブ)は、このように語った。

 また、キャプテンとしても「選手みんな、一人ひとりがしっかりと考えているので、それを尊重しながら、できてないところはしっかりと声かけをしていきたいと思っていました」と、言う。

 女子日本代表は、1次、2次合宿ともに国内合宿で、男子大学生との練習試合はあったものの、「まだ国際ゲームをしていないので、自分たちがどれだけレベルアップをしたのかは分からないところがあります」と林は語る。それでも、「課題が出ているので、そこはいいのかなと思っています。その課題を自分たちの中でクリアしていきながら、国際試合でできるのかを試していきたいです」と、力強く発した。

 課題を見つけ、それを解消していくといった点では、5月30日より行なっているカナダ遠征では強化試合が予定されており、また帰国後には「三井不動産カップ2023」(高崎アリーナ/6月16日〜18日)で女子デンマーク代表と対戦する。他国チームとの試合は、日本の強化にとって貴重な場となるだろう。

 林は、足のケガの影響により、昨年の「FIBA女子ワールドカップ」の出場はならなかったが、2021年の東京オリンピックでは銀メダル獲得に大きく貢献。オリンピック直後の女子アジアカップでは若手中心の日本をキャプテンとして率い、5連覇という偉業を達成した。

 

 代名詞ともいえる3ポイントシュートは、アジアのライバルたちも警戒するところ。それを踏まえて、「海外チームとの対戦では、タフショットが多くなると思っています。(所属していた)ENEOSのようにステイしながら打つというプレーは、そんなにできないと思うので、それに対応したプレーを磨くこと。ハンドラーのところも今は練習しているので、そこもこれからさらにやっていけたらいいかなと思います」と、意気込む。

 その言葉通り、自主練習の時間には、「プレーの幅を広げていきたい」と、東藤なな子(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)とともにスクリーンを使ったときの攻めの練習を熱心に行なっていた。

 林にとっては2021年10月以来となる国際大会。6連覇が懸かる「FIBAアジアカップ2023」で、日本が誇るシューターはどのようなプレーを見せてくれるのか、期待が高まる。

取材・文=田島早苗

写真=兼子愼一郎