東京六大学春季リーグは20日、第1試合で明大の村田賢一投手(4年)が立大1回戦に先発し、8回を3安打無失点に抑えて3勝…
東京六大学春季リーグは20日、第1試合で明大の村田賢一投手(4年)が立大1回戦に先発し、8回を3安打無失点に抑えて3勝目(0敗)。第2試合では法大の篠木健太郎投手(3年)が東大1回戦に先発し、6回2安打無失点で同じく3勝(2敗)を挙げた。この2人の一騎打ちとなっている最優秀防御率のタイトル争いは、篠木が0.68でリード。2位の村田が0.80で追っている。天皇杯の行方は既に明大に決まったが、プライドをかけた争いはまだまだ熱い。
試合前の段階では、篠木が防御率0.77でトップ、村田が0.97で2位。そしてこの日、先に神宮のマウンドに上がったのは、プロ野球のスカウトも注目する最上級生の村田だった。
村田は普段通り、8つに上る豊富な球種と精密なコントロールで立大打線を手玉に取った。1点リードの7回には先頭の鈴木唯斗外野手(2年)を四球で歩かせたが、続く6番・安藤碧外野手(4年)が送りバントを試みてもファウルにさせ、進塁を許さない。カウント1-2と追い込んだ後、強攻に転じた左打者の安藤に外角低めのシンカーを引っ掛けさせ、ニゴロ併殺に仕留めた。「このコースに投げればこうなる、というイメージ通りにいきました」と会心の笑みを浮かべた。
タイトル争いについては「試合中は打者をどう抑えるかだけを考えています」と言いつつ、「東大さん、(篠木から)ちょっと点を取ってくれないかな」と本音も漏れた。明大を率い、すでに3季連続優勝を既に決めている田中武宏監督も、エースの村田にはタイトルの栄誉をぜひ与えたいところ。「1イニングごとに(何失点で防御率がいくつになるかの)表を作っています」と明かす。
実は田中監督が気を使っているのは、防御率の争いだけではない。「打者も全部やっています」と苦笑するように、首位打者争いも同様だ。20日現在、法大の武川廉内野手(3年)が打率.412でトップに立ち、2位と3位に明大の飯森太慈外野手(3年)と上田希由翔内野手(4年)が並んでいるのだ。その中で明大はこの日、1-0で先勝したのだった。

一方、法大の篠木は6回を無失点に抑えると、リードが大量8点となったこともありマウンドを降りた。その裏では、加藤重雄監督がマネジャーに「これで大丈夫だな?」と確認し「(村田と)1試合分くらいの差ができました」との答えを得た上で交代を告げていた。結局、チームは11-0の大勝だった。
篠木自身は6回2死から、東大の3番・大井温登外野手(4年)をこの日最速の155キロのストレートで空振り三振に切って取り「最後に指にかかった感覚のいいボールがいったので良かった」と満足げにうなずいた。「試合中は、目の前の打者を倒すだけ」と言うのは村田と同じだが、「(タイトルは)初体験なので、取れたらうれしい」と口元をほころばせる。
20日現在、篠木は53イニング、村田は45イニングを投げ、自責点はともに4。法大も明大も今週が最終カードで、篠木が今季もう登板しないと仮定すると、村田はあと8イニング投げて無失点なら篠木と並び、9回無失点なら防御率が0.67となって単独タイトルに輝く計算だ。東京六大学優勝チームとして、6月には全日本大学野球選手権を控えている明大の村田と田中監督が、タイトルと調整のバランスをどう考えるか。チームぐるみのタイトル争いに、火花が散っている。
(Full-Count 宮脇 広久)