2001年から中学硬式の強豪「明石ボーイズ」を指揮する筧新吾監督 高校野球の指導者が求める中学球児とは? 巨人・山崎伊織…
2001年から中学硬式の強豪「明石ボーイズ」を指揮する筧新吾監督
高校野球の指導者が求める中学球児とは? 巨人・山崎伊織投手や、数多くの甲子園球児を輩出している中学硬式野球「明石ボーイズ」の筧新吾監督は「オール3ではなく、一つでも秀でた能力を持っている選手が好まれる」と、近年の“スカウト事情”を語る。
2001年の創設時からチームを指揮するが筧監督。過去にはボーイズ世界大会に出場した西日本選抜チームの監督を務めるなど、数多くの中学球児が巣立っていく姿を見てきた。“有望選手”をスカウトするため、全国の高校から指導者が訪れるのはよく見る光景だという。
各高校によって選手選びの特色はあるが、筧監督は「どちらかと言うと平均的な選手よりも、一芸がある選手。とんでもない速い球を投げる、飛ばす力は一番、そういった子が好まれる傾向があります」と指摘する。
もちろん「走攻守」で能力が高い選手は推薦、特待生などで進学するのが大半。だが、中学生は肉体、精神的にも発展途上で高校に入ってから大化けする可能性を持っている。
「オール3には魅力を感じない。一つ5があればいい」
「一つ武器があれば十分に勝負できる。通知簿でいうとオール3には魅力を感じない。1が続いても一つ5があればいい。私も選手たちにはそう伝えています。皆が同じ練習をしても成功しない。個性を伸ばしてあげることが大事だと思っています」
短所をなくすよりも、まずは長所を伸ばしていく。ある程度の細かな技術はカテゴリーが上がれば、自然と習得できる。「まずはチームに必要とされることが大事。それは選手だけじゃなく、マネジャーでもいい」。指導者が子どもたちの持ち味を理解し、先を見据えた練習方法を取り入れることも大切になってくる。
これは選手と指導者だけの問題ではないという。「保護者にもいえること。ネームバリューだけで学校を選んでも、つらい思いをするのは子どもたち。高校、大学、その先についても、どう考えているのか。高校野球だけで燃え尽きないことが大事」。指導者と保護者が“安易”な考えで、進路を決めるのは防ぎたいところだ。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)