今年37歳になる川崎フロンターレの家長昭博。直近5年間で4度もJリーグを制覇しているチームにおいて、この間、攻撃の核と…

 今年37歳になる川崎フロンターレ家長昭博。直近5年間で4度もJリーグを制覇しているチームにおいて、この間、攻撃の核として君臨し続けた。

 川崎での現在のポジションは右ウイング。といっても、縦への突破を常に求められているわけではない。圧倒的な技術とフィジカルとアイデアを武器に、チームの攻撃をけん引し続ける。試合中、左ウイングにまで“出張”をして、崩しにかかるなど、その動きは川崎の生命線だ。

 そして、川崎の試合の中で必ず何度も見る光景がある。それは、家長のボールキープだ。しかも取られない。家長がボールキープをしている間に右SBの山根視来が神出鬼没な動きをしているだけでなく、他のチームメイトも動き直しをし、そして前にポジションを取り直し、あるいは一瞬ではあるが休息する。

 驚くべきは、家長がめったにボールを取られることがないことから来る安心感で、家長に預ける場面が多々見られることだ。

 Jリーグは公式インスタグラムに、「取れる気がしない、取られる気がしない。#家長昭博 選手の圧倒的キープ力」のテキストとともに、その家長のボールキープ映像集を投稿した。そこに映し出されているには、ゴールシーンは一つもないが、それ以上にただただ驚くばかりの瞬間が連続している。

■「こんなの間近で見てたら、三苫もキレキレになるわな」

 相手が強く当たってきてもそれに動じずボールを保持するシーン、あるいは、一瞬のスピードやターンで相手をはがす場面、細かい技術で翻弄してボールを失わない様子など、“家長らしさ”が詰まったこの動画に、以下のようなコメントが寄せられている。

「今が1番上手いですか?年々上手くなってませんか?」
「間合いの駆け引きが凄い」
「去年スタジアムで観たけど本当にボール取られないから思わずため息出た」
「等々力で見ていると、この家長選手のキレと駆け引きのうまさは感動ものです」

 中には、「こんなの間近で見てたら、三苫もキレキレになるわな」と、サッカー日本代表三笘薫への影響を指摘する声もあった。かつて、家長、レアンドロ・ダミアン、そして三笘は最強3トップを組んでJを席巻していた時期があった。三笘もそのキープに助けられ、そして、そのキープの間にドリブルの準備をしていた。

 家長は今季も川崎でプレーする。チーム始動日から笑顔を見せ、チームメイトの山村和也と笑顔で居残りランをするなど、今季に向けて調整を重ねている。その圧倒的プレーが、もうすぐピッチに帰ってくる。

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