現役ドラフトで右のロマン砲・細川を獲得 今季最下位に終わった中日は、9日に行われた「現役ドラフト」で、DeNAから細川成…

現役ドラフトで右のロマン砲・細川を獲得

 今季最下位に終わった中日は、9日に行われた「現役ドラフト」で、DeNAから細川成也外野手を獲得した。パワーが魅力の右の和製大砲候補。12球団ワーストの貧打が課題のチームにとっては適合しているようにも見えるが、思わぬ“落とし穴”に見舞われる可能性も。OBからは危惧する声も上がっている。

 2016年のドラフト5位で明秀日立高(茨城)からプロ入りした細川の魅力は、なんと言ってもパンチ力。身長179センチ、体重93キロの迫力で、芯で捉えた時の打球は息をのむ。ただ、ブレークのきっかけは掴めておらず、6年間でわずか6本塁打にとどまっている。

 一発欠乏症の中日にとっては、環境が変わって覚醒するのを願うばかり。ただ、現状の顔ぶれを見ると、同じようなタイプの選手が多くなってきたのも事実。今季ルーキーながら1軍で片鱗を見せた鵜飼航丞外野手も、秋季教育リーグで打率.364、2本塁打を放った福元悠真外野手も、外野での出場経験もある高卒6年目の石垣雅海内野手も、右の“ロマン砲”。どんぐりの背比べになっては元も子もない。

 新助っ人も含めて打力改善に向けて手を打っている中、潜在的な懸念点も出てきている。横浜(現DeNA)や西武、中日で17年間プレーした元捕手の武山真吾氏は、中日の細川指名に「いい選手だから楽しみだけどキャッチャーはどうするんですかね」とツイート。自らも担った扇の要への不安を綴った。

正捕手はいるものの…2番手以降がおぼつかない現状

 決して正捕手がいないわけではない。木下拓哉捕手が今季120試合に出場し、打率.246、6本塁打48打点と打棒に頼もしさもある。シーズン通して担ってくれれば何の問題もない。ただ、来年で31歳を迎える年齢面もさることながら、どの野手よりも負担の大きなポジション。故障に見舞われた時の2番手、3番手の存在は欠かせない。

 今季外野や一塁で出場したアリエル・マルティネス捕手は退団。桂依央利捕手と山下斐紹捕手は戦力外となった。現状では、今季31試合に出場した石橋康太捕手に寄せられる期待は大きい。オフに右肘と左膝のクリーニング手術を受けたものの、開幕には間に合う見込みだ。打力を生かす方針で今季捕手としては2試合にとどまった郡司裕也捕手にもチャンスがめぐってくる可能性も。2年連続で8試合出場にとどまったベテランの大野奨太捕手は、来季が背水の1年になる。

 現有戦力の底上げを図るのか、ここからさらに捕手の補強に走るのか。立浪和義監督も重視するセンターラインのひとりなだけに“替えがいない”状況だけは避けたい。(Full-Count編集部)