楽天・田中が6投手を選考 中学3年生対象の野球教室を開催 楽天・田中将大投手が4日、野球教室「マー君ラボ support…

楽天・田中が6投手を選考 中学3年生対象の野球教室を開催

 楽天・田中将大投手が4日、野球教室「マー君ラボ supportedミズノ」に参加した中学3年生にマンツーマン指導した。試合後半になるとコントロールが乱れるという悩みには「長いイニングを投げようとして力をセーブするのは良くない」とアドバイス。制球を安定させるための体の使い方も伝えた。

 都内で開催した野球教室では直接指導する中学3年生の投手6人を、田中自身が映像などを事前にチェックして選考した。キャッチボールやブルペン投球で1人1人の動きを観察して課題を聞きながら、アドバイスを送った。

 参加した投手の1人からは「試合後半になるとコントロールが乱れてしまうのですが、対処法はありますか?」と質問された。田中は自身の経験を踏まえながら、こう回答した。

「長いイニングを投げようとして、力を抜くのが良いと思いません。試合の入りは難しいですし、初回は相手打線も1番から始まりますから」

 田中は投手の難しさの1つに立ち上がりを挙げ、その日の調子を見極める初回はプロでも苦労すると話した。最後まで投げ切ることを意識するあまり、試合序盤に力をセーブすれば、失点して流れを悪くする可能性がある。結果的に短いイニングでの降板や、完投しても序盤の失点が響いて敗戦してしまう。

長い回を投げるには「1球の精度」 制球力を上げるのは下半身の使い方

 田中は力を温存するのではなく、投球の精度を上げる大切さを伝えた。ストライクゾーンで勝負する球威やコントロールを身に付ければ、球数を減らして体力が残った状態で試合終盤を迎えられる。田中は「効率良く投げる方法を考えたり、いい球を投げる時のタイミングや感覚を磨いたりするのが大事だと思います」と語った。

 投球に力を伝え、狙ったところに投げるには、指先や腕で球をコントロールしないことが大切になるという。田中は「フォームは下半身主導。下半身でためたエネルギーを最後に腕や指先でバチンと弾く感覚」と表現する。

 コースに投げ分けたい時は指先で調整するのではなく、マウンドから捕手が構えるところまでをつないだラインをイメージし、そのラインに乗せるように体重移動の仕方を変えれば、球威を落とさずに制球が安定すると選手に伝えた。

 投手の完投は、1つ1つのアウトを積み重ねた結果。日米で活躍する田中も、1球の精度を高める意識を大切にしていた。(間淳 / Jun Aida)