■12月1日/カタールW杯 グループE第3戦 日本代表2ー1スペイン代表(ハリファ国際スタジアム) これまで4バックを基…

■12月1日/カタールW杯 グループE第3戦 日本代表2ー1スペイン代表(ハリファ国際スタジアム)

 これまで4バックを基本システムとして戦ってきた森保ジャパンだが、カタールW杯初戦のドイツ戦で、後半から3バックシステムを用いて強豪相手に逆転勝利。さらに、コスタリカ戦でも森保一監督は前半終了間際に3バックへの変更を指示するなど、この大会を通して最終ラインを5枚に変形できる3バックのシステムを試合のどこかで採り入れてきた。

 しかし、スタート時点からの3バックとなるとこれが初。先発メンバーが発表されると、報道陣の間でも驚きの声が上がったが、実際にその3枚の左に入った谷口彰悟は、2日前にこのシステムで戦うことが決まったと明かした。

 背番号3は、「みんなで5枚でいくっていうことが決まって」と、その起点を説明。そして、「その時にどういう風に(ボールを)取りに行くとか、どういうブロックを組むとかっていうのは、スタッフの指示も受けながらでもこういう方がいいんじゃないかっていう選手の意見もしっかり言い合いながらみんなで作り上げた」とスペイン戦に至るまでの経緯を明かした。

 森保一監督はこれまでも、選手の判断力の重要性を説いてきたが、ここでも実際にピッチで戦う選手からの積極的なアイデア交換を経て、スペイン対策は行われていたようだ。

 また、ヨーロッパのコンペティションでスペイン対策として5バックが用いられていたことについて質問が飛ぶと、「(欧州)ネーションズリーグの試合は見ました。5バックでやっているチームは何個かあったので、その試合はみんなで食事会場で話しながら見たりしました」。W杯はもちろん、それ以前の試合も参考にしつつ、活発な意見交換や分析が行われていた。

■「“そういう準備をしなさい”っていうのは監督含めスタッフから言われていた」

 3バックを用いることの利点は、相手が5つのレーンを埋めて攻撃してくる際に、WBを最終ラインに組みこんで、その役割をはっきりとさせられることにある。スタート時には伊東純也長友佑都が下がって5バックを形成した。

 しかし後半、長友佑都が交代し、伊東純也がポジションを移したことでた、冨安健洋三笘薫が最終ラインに加わり、CBの選手4人とウインガーで構成される初めての5バックとなった。それについて、事前に想定していた形なのか尋ねると、「全然分かんなかったです。誰がどう入るっていうのはまったく分からなかったので、それは試合をやりながら」対応したという。

 ただし、その裏にあったのは指揮官が継続して求めてきたものだった。ピッチ上での修正や判断を常に試みるように促されており、今回も、「みんな、どこでどう出るっていうのは頭の中に入っていたし、“そういう準備をしなさい”っていうのは監督含めスタッフから言われていた」。

 だからこそ、「みんな、いつもやってるようなポジションじゃない選手もいましたけど、それでもしっかり役割を理解しながらしっかりやれたと思います」と胸を張った。

 スペインに奇襲を仕掛け、見事に逆転勝利した日本。その勢いは、まだまだ止まらない。

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