◇米国女子◇ペリカン女子選手権 最終日(13日)◇ペリカンGC (フロリダ州)◇6341yd(パー70)満面の笑みでも目には光るものがあった。大会連覇で今季初優勝を決めたネリー・コルダは、グリーンサイドでリポーターのアンジェラ・スタンフォー…

最終日のベストスコアに並ぶ「64」で鮮やかに逆転した

◇米国女子◇ペリカン女子選手権 最終日(13日)◇ペリカンGC (フロリダ州)◇6341yd(パー70)

満面の笑みでも目には光るものがあった。大会連覇で今季初優勝を決めたネリー・コルダは、グリーンサイドでリポーターのアンジェラ・スタンフォードからインタビューを受けると感情があふれた。「何でか分からない。私は泣き虫じゃないんだけど…」。うれし涙が心地よかった。

2打差5位からのスタート。出だし1番のバーディより、むしろ1.5mのパーパットを決めきった難関2番が勢いを呼び込んだ。サンデーバックナインは、昨年プレーオフで破ったレキシー・トンプソンとの競り合い。16番から2連続バーディで突き放し、何度も力強くこぶしを握った。

大会連覇はキャリア2度目

世界ランキング1位として迎えた2022年は思わぬ苦しみに見舞われた。シーズン最初の3試合に出場した後、鎖骨下静脈の血栓でツアーを離脱。4月に手術し、復帰は6月「全米女子オープン」まで待つことになった。

けがからカムバックを目指すプロセスとは異次元の恐怖との闘いだった。「次のステップは何なのか、何をすればいいのかが分からない。その“不確実性”が怖かった」。自分で積極的に情報を集めることはしなかったという。「“ググっても”気分は良くならないから」。医師を信じ、雑音をシャットアウトして戦いの場へ戻ってきた。

8月に欧州女子ツアーで優勝はあったが、9月に出場した米ツアーの直近2試合でいずれも予選落ち。「勝つ自信はなかった」というのは本音だ。それでも一年前の成功体験、そしてコースで見守った両親が背中を押してくれた。

「ジェットコースターのような日々だった。でも、それが人生だと思う。今年は“上がる”ことよりも“下がる”ことの方が多かった。だからこそ、この上なくうれしい」。シーズン最終戦を残すのみとなったところで返り咲いた世界ナンバーワンのイスは、格別だった。(フロリダ州ベルエア/亀山泰宏)