樋口久子 三菱電機レディス第2日 女子ゴルフの国内ツアー・樋口久子 三菱電機レディス第2日が29日に埼玉・武蔵丘GC(6650ヤード、パー72)で行われた。4位で出た金田久美子(スタンレー電気)が5バーディー、ボギーなしの通算9アンダーとし…

樋口久子 三菱電機レディス第2日

 女子ゴルフの国内ツアー・樋口久子 三菱電機レディス第2日が29日に埼玉・武蔵丘GC(6650ヤード、パー72)で行われた。4位で出た金田久美子(スタンレー電気)が5バーディー、ボギーなしの通算9アンダーとし、2位に3打差の単独首位に立った。最終日を首位で迎えるのは、2013年6月のサントリーレディス以来で、勝てば2011月5月のフジサンケイレディス以来11年189日ぶりのツアー通算2勝目。1988年のツアー制度後、最長のブランク優勝となり、会見では「勝ちたいです。自分を信じてプレーしたい」などと話した。

 最終18番パー5。金田は2.5メートルの上りスライスラインを読み切り、5つ目のバーディーを決めた。西日が金髪を照らし、金田の笑みも輝いた。

「いいゴルフができました。2番でラッキーなチップインバーディーが来て、流れができました。あとはマネジメントがはまりましたし、ショットも少し良くなってきました」

 前週を終えて、メルセデス・ランキング(MR)70位。6月のアース・モンダミンカップでは、約8年ぶりの最終日最終組を経験し、9月以降も日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯、住友生命Vitalityレディス東海クラシック、NOBUTA GROUPマスターズGCレディースを第1日にトップ10発進をした。だが、第2日から順位を大きく落としてきた。それを克服し、4位から首位浮上。その理由は「ピンを狙わなかった」だった。

「それは、私自身も思っていたことでした。やっぱり、初日は様子見ながらプレーしていますが、今日もそんな感じでピンを狙わずにマネジメント重視でプレーしたことが良かったと思います」

 そして、ショット復調の理由は「調整法の変更」だった。

「3日間大会だと火曜日にはコースに入りますが、今回は火曜日、水曜日と岐阜県のニューキャピタル(GC)で、自由に練習をしていました。特に前上がりのショットをやって、構えた時の気持ち悪さがなくなったことが大きかったです。ここでの練ランは、木曜日にハーフを回っただけです」

「天才少女」も33歳に…あっさりと2勝目を挙げる若手に「いいな、と」

 中学時代、国内ツアーで優勝争いをした「天才少女」も33歳。2011年5月のフジサンケイレディスで初優勝を飾ってから、11年以上の時が過ぎた。遠い2勝目。一方で今季は、ルーキーで20歳の岩井千怜が初優勝から史上3人目の連続優勝を成し遂げ、川崎春花が9月の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯に続き、前週のNOBUTA GROUPマスターズGCレディースで、あっさりと2勝目を飾っている。金田は、それをうらやましく思っている。

「『いいな』と思っています。それに川崎さん、泣いてないですよね。それは逆に『すごい』と思って見ています。泣かない(マインドだから)2勝目がすぐできるのかな。私も勝てるのかな……」

 だが、ここまで苦労してきた金田にも「チャンスの順番」が回ってきた。最終日、首位で迎えるのは約9年4か月ぶり。2位には3打差をつけている。

「いいですね~。でも、このコースだと3打差があっても、1ホールで変わってしまうと思うので、あってないようなものと思っています。私の場合は、流れに乗ったら大丈夫なので、自分を信じてプレーしたいです」

 2位には、「うらやましい存在」の川崎がつけている。19歳の川崎は飛距離もあり、パッティングも勝負強いが、33歳の金田は言った。

「勝ちたいです。そのために練習してきているので」

 渋野日向子フィーバーで連日、コースには大ギャラリーが集結しているが、金田は自身がヒロインになるべく、残り18ホールに全身全霊を尽くす。(THE ANSWER編集部)