樋口久子 三菱電機レディス第1日 女子ゴルフの国内ツアー・樋口久子 三菱電機レディスが28日に埼玉・武蔵丘GC(6650ヤード、パー72)で開幕した。米ツアーから5か月ぶりの国内参戦となった前年大会覇者の渋野日向子(サントリー)は、1バーデ…

樋口久子 三菱電機レディス第1日

 女子ゴルフの国内ツアー・樋口久子 三菱電機レディスが28日に埼玉・武蔵丘GC(6650ヤード、パー72)で開幕した。米ツアーから5か月ぶりの国内参戦となった前年大会覇者の渋野日向子(サントリー)は、1バーディー、3ボギーの74で2オーバーとし、61位と出遅れた。ラウンド後の会見では、6バーディー、ノーボギーの66で首位タイとなった同組の19歳ルーキー・川崎春花(村田製作所)、3バーディー、ノーボギーの69で11位につけた今季メルセデス・ランキング1位の山下美夢有(加賀電子)を絶賛しながら、自身の目標を「ギリギリでいいから予選通過」に切り替えた。

 渋野は日が暮れるまで練習をした後、会見場に入った。

「お待たせしました。お願いします」

 そして、質問にはいつも通り、ユニークな文言も入れながら返答した。

「スタートホールでバーディーパットが入らなかったのが、今日1日を示していました。昨日は『なくなった』と言った引っ掛けのショットが出て、嫌がって右に出す。グリーンには乗るけど、チャンスにつかないという感じで、自分のやりたいゴルフとは、全く反対のゴルフになりました。(ラウンド後の)練習もしましたが、まだつかめた感じはないです。また、切り替えてやれたらと思います」

 入場者数は5587人。今季ツアーで平日開催の第1日では最多動員となり、その多くが渋野、山下、川崎の組についた。

「1番ホールで3打目地点から後ろを振り返った時、ギャラリーさんの行列がすごすぎて、びっくりしました。久しぶりという感覚ではなく(ギャラリーの多さで)緊張感がありすぎて、その中でも楽しんだ感じはありました。『楽しむことを忘れないように』と思っていましたし、3パットで『ズン』という(気持ちが落ちる)場面もありましたが、ギャラリーさんに『頑張れ』と言っていただき、切り替えられました」

 年下の山下、川崎とは合間に談笑。川崎は「渋野さんからも話しかけてくださって」と感激していたが、渋野は2人のプレーに感心しきりだった。

「私からしたら調子のいい2人とプレーさせてもらって勉強になりました。(組の中で)一番年上でしたが、『そういう歳になったんだな』としみじみしながら、プレーしていました。2人自分が若い頃にやっていた時よりも、すごいプレーヤーで一緒にやって楽しかったです」

 その後も、賛辞の言葉を並べ続けた。

「2人とも『実力は私以上』と思うような、レベルの高い選手。私のやりたいプレーができている。『そういうゴルフをすれば、勝つよね』と思うプレーでした」

「強気のプレーをしながら、手前から攻めている。縦距離の合わせ方がうまい2人。外してはいけないところの外していないし、全部うまいです」

3年前の自分を振り返り

 そして、全英女子オープンを制した「3年前」の自分を振り返った。

「今は考えてゴルフをするようになりました。それで結果が出ているかが分からないですが、3年前は何も考えずに行き当たりばったり、『イケイケゴーゴー』な感じでやっていた。そういうプレーはもうできないけど、それは今でも必要なこと。忘れないようにしたいです」

 今季から主戦場として米ツアーには21試合出場で、トップ10が5度、メジャーではシェブロン選手権4位、全英女子オープン3位の成績を残した。一方で、9試合で予選落ちを喫し、1試合で棄権。5月に出場した国内ツアーのブリヂストンレディスでも予選落ちしている。

 その際も、第1日に74の2オーバーで67位と出遅れた。だからこそ言った。

「ギリギリでもいいから(予選を)通りたいです。明日の目標は2アンダー。ゼロに戻したいです。それで通るんかな」

 救いはフェアウェーキープ率78.57%の安定したドライバーショットと、ブリヂストンレディスの時に見られた悲壮感が消えていること。最後に渋野は言った。

「今日は楽しかったから、明日も楽しくやりたいです」

 さらに多くなるであろうギャラリーの声援も力に。渋野はひたすら「予選通過」を目指す。(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)