世界卓球団体戦 世界卓球団体戦(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)は、中国・成都で熱戦が繰り広げられ、51年ぶりVの期待がかかる日本は勝ち進めば決勝で中国と対戦する。現地で取材する「THE ANSWER」では、卓球王国・中国の卓球記者に直…

世界卓球団体戦

 世界卓球団体戦(テレビ東京系&BSテレ東で連日放送)は、中国・成都で熱戦が繰り広げられ、51年ぶりVの期待がかかる日本は勝ち進めば決勝で中国と対戦する。現地で取材する「THE ANSWER」では、卓球王国・中国の卓球記者に直撃取材。最大のライバルとなる日本のエース・伊藤美誠(スターツ)の印象を明かし、母国の5連覇に自信満々だった。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

 日本と中国はともにグループリーグ4戦全勝で首位通過を果たした。第1シードの女王と第2シードの日本は決勝まで当たらない組み合わせになった決勝トーナメント。6日はともに準決勝に駒を進め、メダルを確定させた。

 そんな中、現地で取材する中国ウェブメディアのレポーターは、匿名を条件に取材対応。試合を見た上で「日本の女子チームは非常に強いと思います」と認めつつ、「1番は中国で、日本が2番目でしょう」と下馬評は揺らがないようだ。日本のエース・伊藤について自信満々に明かす。

「正直に言って、中国選手はみんなイトウに勝つ力を持っていると思います。世界的に見ればイトウは強いです。でも、中国選手との対戦になれば分が悪い。イトウは中国選手の誰にも勝てないと思います。昨年は東京五輪の混合ダブルスで金メダルを獲得しましたが、決勝で対戦した中国選手のコンディションがあまりよくなかったんです。今回はイトウに勝つチャンスはないと思います」

 新型コロナウイルスの影響でトップ選手が出場を辞退する国もある中、母国開催で威信をかける中国代表は世界ランク上位4人を占める孫頴莎、陳夢、王曼昱、王藝迪らが名を連ねた。伊藤は東京五輪シングルス準決勝で孫に敗れて銅メダル。決勝は中国人対決となり、陳が金メダルに輝いた。

 中国にとって最も警戒すべき相手となる伊藤。同レポーターは弱点を指摘する。

中国記者「ここがポイントになると思います」

「彼女は少し背が低いですよね。少しフィジカル的に弱いように見えます。中国の選手は彼女よりもフィジカル的に強い。ここがポイントになると思います」

 伊藤は身長152センチの一方、孫と陳は160センチを超え、王曼昱は176センチの長身。小柄な伊藤にとって、長身選手との対戦はいつものことだが、差が表れると予想している。

 これまで中国メディアには「大魔王」の異名で紹介され、中国の脅威になると報じられてきた。しかし、同レポーターは「彼女は中国でニックネームはありません」と否定。真摯なメディア対応で好意的な印象を受けるというが、「彼女は『イトウ』とだけ呼ばれています。彼女が人気であるもう一つの理由は、サーブの時に興味深い動きをしますよね。でも、私たちはあだ名をつけていません」と強調した。

 今なら何と呼ぶのか聞くと、「今ですか。そうですね……スモールプレーヤーかな」とだけ。決勝で対戦した場合、どちらが勝つと思うのか。鼻で笑いながら言う。

「もちろん中国ですよ(笑)。それ以外の答えはないでしょ」

 伊藤は17歳で出場した前回2018年大会の決勝で、世界的スター選手の劉詩雯に日本人として初勝利を挙げる金星。チームは3大会連続銀メダルに終わったが、一矢報いて宿敵を驚かせた。日本人トップの世界ランク5位・早田ひな、佐藤瞳、長崎美柚、木原美悠の新世代5人で臨む今大会。一笑に付す中国メディアの鼻を明かす戦いができるか。女子決勝は8日に行われる。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)