本拠地最終戦でCS戦力テスト…開幕投手の東は中継ぎ配転で再生■巨人 3ー2 DeNA(2日・横浜) セ・リーグ2位が確定…

本拠地最終戦でCS戦力テスト…開幕投手の東は中継ぎ配転で再生

■巨人 3ー2 DeNA(2日・横浜)

 セ・リーグ2位が確定しているDeNAは2日、横浜スタジアムで巨人との今季本拠地最終戦のに臨み、2-3で競り負けた。それでも先発の浜口遥大投手が2回1失点で降板した後、7人の投手を次々と投入。8日開幕のCS(クライマックスシリーズ)へ向けて、戦力をふるいにかけた。

 登板した8人の投手の中で、三浦大輔監督が祈るような思いで最も熱い視線を送ったのは、6番手で8回1イニングを投げたエドウィン・エスコバー投手だろう。シーズンを通してセットアッパーを務めてきた左腕は、最近4試合連続で“炎上”し、CSへ向けて暗雲が垂れ込めていたからだ。9月20日の阪神戦で1イニング持たずに3失点したのを皮切りに、同22日の巨人戦では無死満塁のピンチをつくり降板。同25日のヤクルト戦では丸山にサヨナラ打を許して2年連続優勝を決められ、同30日の中日戦でも1回2失点。不調が止まらなかった。

 この日は、先頭の重信に高めのスライダーを打たせて二ゴロに仕留め、続く喜多は外角高めの154キロ速球で二飛に。代打・増田陸をカウント0-2から、内角いっぱいの154キロ速球で見送りの3球三振に斬って取り、3者凡退で片づけた。ベンチへ戻ったエスコバーは日本語で「オヒサシブリネ」と歓喜の声を上げ、三浦監督は「お帰り」と応じたと言う。まさに久しぶりの本領発揮。小柳ルミ子のヒット曲「お久しぶりね」を意識したかどうかは定かでないが、ベンチに和やかなムードが広がった。三浦監督はホッと胸をなでおろし、「まだ日にちもある。さらに状態を上げてCSに入ってほしい」と語った。

 今季開幕投手を務めながら不振で中継ぎに配置転換された東克樹投手も、ここにきて対応力を見せた。6回の1イニングを投げ、2死から坂本に左前打されたものの、続く丸をインローのカットボールで空振り三振させ、危なげなかった。今季初の1軍救援登板となった9月30日・中日戦では、2回1失点で黒星を喫していたが、三浦監督は「前回より出力が上がった。リリーフとして試合への入り方には難しさがあるが、修正して対応してくれた」とうなずいた。CSでも貴重な左の中継ぎとしてスタンバイすることになりそうである。続く7回は、今年7月に楽天からトレードで加入した森原康平投手が、中田、岡本和、ポランコを3人で退けた。

ロメロ、石川は制球難で合格ならず…CSリリーフ陣固まった?

 対照的だったのは、フェルナンド・ロメロ投手。9月中旬に先発から中継ぎに配転後、4試合連続無失点に抑えていたが、この日は先頭の吉川、坂本、丸に3連続四球を与えて満塁とし、中田は空振り三振させたものの、岡本に押し出し死球、ポランコに左犠飛を許し、1回を無安打ながら4四死球。みすみす2点を献上した。三浦監督は「ノーヒットで2失点ですから、相手打者と勝負できていない。チームも重い空気になりますよね」と苦言を呈した。

 この日1軍に昇格したばかりの左腕・石川達也投手は、4回から2イニングを投げ無失点。5回には2四球1死球で自ら1死満塁のピンチをつくったが、重信、大城を連続三振に仕留め、辛くも失点を免れた。とはいえ、三浦監督は「内容的には(ロメロと)同じような感じ。ファームでああいうピッチングをしていたのかと言えば、あそこまで四死球を連発していない。なぜ(実力を)出せなかったのか」と反省を求め、“合格点”には遠かった。

 9回には、中継ぎも敗戦処理もと今季登板が47試合目に上った平田真吾投手が、簡単に2死を取り、最後は守護神の山崎康晃投手が登場して丸1人を抑え、満員の地元ファンに雄姿を見せて締めた。

 就任2年目で監督として初めてのCSに臨む三浦監督は、レギュラーシーズン2位確定後、「あくまで勝ちにいくことが大前提」と強調しつつ、残り試合では短期決戦へ向けて準備とテストも重ねてきた。豊富な顔ぶれのリリーフ陣を有効活用し、虎視眈々と日本一の座を狙う。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)