2005年に始まって以来、今年で13回目を迎えた日本生命セ・パ交流戦。レギュラーシーズンでは見られない対戦ということもあって毎年盛り上がりを見せていますが、ここまで大きく目立っているのがパ・リーグの強さ。パ・リーグが昨年まで積み重ねた白星の数は925に達し、セ・リーグの821に対して100以上も差をつけています。年度ごとの勝率を見てもパ・リーグがセ・リーグを下回ったのは2009年の一度だけで、残りのシーズンはすべて勝ち越しました。同じプロ球団のリーグによる戦いにも関わらず、なぜこれだけの差が生まれてしまうのでしょうか?

■生かしきれない指名打者



 セ・リーグとパ・リーグのリーグとしての相違点といえば、指名打者制度の有無。パ・リーグでは投手が打席に入らず、代わりに指名打者が攻撃専門の選手としてラインアップに名を連ねます。交流戦でもパ・リーグのチームが主催する試合で指名打者制度を採用(2014年はセ・リーグの主催試合で採用)しています。

 交流戦におけるセ・リーグ劣勢の一因として、この指名打者制度の存在を挙げる向きもあります。打撃指標OPS(出塁率と長打力の和)を用いて両リーグの各年度の指名打者の交流戦成績を比較すると、過去12年でパ・リーグが9度上回りました(表1,2)。12年間合算の数字ではOPSの差は.076となり、これはポジション別で見た際にリーグ間で最も大きな差となっています(表3)。

 指名打者専門の選手を抱えているパ・リーグに対し、セ・リーグにはそのような専門職の選手はいません。守備能力の低い強打者を回すケースが一般的ですが、打力向上のオプションというよりも、守備負担の軽減という意味合いが強くなっている側面があります。今年の巨人の様に阿部慎之助、マギー、村田修一の強打者3名で一塁と三塁のポジションを分けあっている様なケースであれば指名打者制度も生きますが、このようなコストの掛かる戦力編成は多くありません。

■不慣れな長距離移動

 移動距離の変化をセ・リーグ劣勢の要因として上げる声もあります。セ・リーグのチームは移動の負担が少なく、基本的に新幹線での移動でまかなえる距離感でレギュラーシーズンを戦っています。実際のところ年間移動距離はパ・リーグ勢が上位を占めており、広島が西武をわずかに上回るケースが唯一の例外となっています(表4)。

 

 

 交流戦に入るとセ・リーグのチームは移動距離が長くなり負担が増す一方で、パ・リーグのチームは負担が緩和されます。この移動距離の長短がどれだけ選手への影響を及ぼすのか測定しづらい面があるものの、長い移動を伴うビジターゲームは勝率が低くなる傾向もデータに表れています(表5)。

※データは2017年5月28日現在

文:データスタジアム株式会社
グラフィックデザイン:相河俊介