根尾は1点ビハインドの7回から登板し1回無安打無失点、自己最速153キロをマーク■阪神 2ー1 中日(15日・甲子園) …

根尾は1点ビハインドの7回から登板し1回無安打無失点、自己最速153キロをマーク

■阪神 2ー1 中日(15日・甲子園)

 中日の根尾昂投手が甲子園で圧巻の投球を見せた。15日の阪神戦では今季9度目となるリリーフ登板で1回無安打無失点。自己最速を更新する153キロをマークし、聖地をどよめかせた。阪神などでプレーし、日米通算95勝を挙げた沢村賞左腕の井川慶氏は「完全に戦力と見て問題ない」と太鼓判を押す。

 先発・上田の後を受け、7回から2番手としてマウンドに上がった根尾。先頭の糸原は152キロの直球で三ゴロ、山本は151キロで二飛。最後は北條を自己最速の153キロで二ゴロに抑えて3者凡退の好投を見せた。

 ストレートは全て150キロ以上を計測。カーブ、スライダーも低めに集めた投球内容に、井川氏は「3ボールからでも落ち着いてストライクを取れて、変化球もしっかりと操っている。自分が意図するボールを投げられている」と評価した。

井川氏「今、投げていること全てがプラスになる」

 野手から投手に転向し、周囲は“野手投げ”を指摘する声も多いが「そこまで問題じゃない」と井川氏は口にする。テークバックが小さいフォームと、投球リズムに溜めがないことが課題とする見方もあるが「山本君(由伸・オリックス)とかもその部類に入る。今はそういう投げ方の人はたくさんいます。トップから早く投げて150キロを簡単に投げる。ポテンシャルも高いし楽しみでしかないです」。

 この日の登板は、ビハインドの展開ながら点差はわずかに1点。力強い直球を持っていながら、制球力もあり、四球で崩れない点も井川氏は評価しており「中日ベンチも信頼、期待しているからこその起用だと思います」と語る。

 ショートイニングで結果を残す右腕に必要なものなにか……。井川氏はこのままの状態を続けることを挙げながら「あとは経験だけ。怖さを覚えた時にどう変化するか。今、投げていること全てがプラスになる。出てきた課題はシーズンが終えてから考え、修正していければいい」と、その才能に目を細めていた。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)