強さは本物か。昨季リーグ優勝、日本一のヤクルトが4年ぶりに交流戦を制した。11日、4番村上宗隆(22)の19号逆転満塁…

 強さは本物か。昨季リーグ優勝、日本一のヤクルトが4年ぶりに交流戦を制した。11日、4番村上宗隆(22)の19号逆転満塁本塁打などでソフトバンク(ペイペイドーム)に7ー4で勝ち、交流戦13勝4敗で1試合を残して優勝を決めた。

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 高津臣吾監督(53)は「ずっとパ・リーグを意識して戦ってきたし、全チームに勝ち越して優勝できたことはすごくうれしい。交流戦を通じてリリーフピッチャーが頑張り、最後マクガフまでのつなぎは本当によくできた」と振り返った。

 交流戦の投手陣の防御率を比較すると、先発陣が3.34で、リリーフ陣は1.42。勝利数もリリーフで7勝と、先発の6勝を上回る。エースとしての働きを期待した3年目の奥川が離脱中でも、継投で我慢強くしのぎ、不動の4番村上を中心とした打線で中盤以降、逆転する劇的な試合が目立った。

 好調の要因は、昨年から継続する選手管理によるところが大きい。長いシーズンを見越して、無理をさせない。リリーフには勝利の方程式の一員でも3連投が限度。先発ローテーションは定石の6人でなく、7~8人で回す。42歳石川は中10日の登板で、通算180勝目を挙げた。

 開幕直後は奥川だけでなくサンタナ、中村といった離脱者が出たが、主力を欠いても誰かが穴埋めする好循環。適度な休養策で、出番が増える若手のモチベーションも高い。捕手で台頭した高卒2年目の内山壮、遊撃手として起用し続ける高卒3年目の長岡ら新戦力も躍動している。

 5月以降はチーム成績も右肩上がり。リーグ首位のチームは交流戦で貯金を18まで伸ばし、2位巨人に6ゲーム差をつける独走態勢に入った。

 ヤクルトは1990年代に野村克也監督のもとで4度優勝し、黄金時代を築いた。2000年代に入ると、01年の若松勉監督、15年の真中満監督が優勝したが単発に終わり、強さが続かなかった。高津監督は自身が現役時代にプレーした92、93年以来のリーグ連覇を狙う。

 高津監督にとって、20年に他界した野村氏は指導者として多大な影響を受ける存在。恩師の持論である「お山の大将である投手出身は監督に向いてない」という言葉は、逆にモチベーションとなっているに違いない。自身、抑え投手に起用された経験を生かしたマネジメントで手腕を発揮している高津監督が、ヤクルトの第2次黄金時代へ着実に歩を進めている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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