米女子ツアーのDIOインプラントLAオープン(4月21日~24日/カリフォルニア州)では、日本の畑岡奈紗が通算15アンダーで優勝。米ツアー6勝目を挙げた。「(最終日の)1番のバーディーはまさか入るとは思わなかった。いいスタートが切れました…

 米女子ツアーのDIOインプラントLAオープン(4月21日~24日/カリフォルニア州)では、日本の畑岡奈紗が通算15アンダーで優勝。米ツアー6勝目を挙げた。

「(最終日の)1番のバーディーはまさか入るとは思わなかった。いいスタートが切れました。(パッティングについては)カリフォルニア特有のポアナ芝のことを頭に入れて、練習からグリーンのタッチと、パターの真ん中でしっかり打つことを意識してきました。

(試合でも)今週はずっとパッティングがいいな、と思っていました。タッチも合っていたし、イメージが沸きやすかったです。

 久々の4日間トーナメントの優勝。昨年から今年にかけて、4日間を通してなかなか安定したプレーができていなかったんですけど、今週はずっと60台で回れた。それが大きかったと思います。

 今後のメジャー大会に向けても、(自らの)ピークをそこに合わせられるように持っていきたい。練習ラウンドからいい状態で回って、コースマネジメントをしっかりして回れれば、メジャーでも勝てるんじゃないかと思っているので、その準備をきちんとしていきたい」

 一方、1週前のロッテ選手権(4月13日~16日/ハワイ州)で2位と奮闘した渋野日向子は通算6オーバー、63位タイに終わった。



DIOインプラントLAオープンでは63位タイに終わった渋野日向子。photo by Kyodo News

「今日(最終日)も出だしからチャンスにつけられたんですけれど、なかなかグリーンが読みきれない1週間でした。今日も(パットは)ショートが多かった。ぜんぜん(カップを)かすりもせん、というのが多かった。もう合わないところは合わない、と開き直っていました」

 畑岡は「練習から意識していた」というポアナ芝を攻略したが、渋野は大会を通してフィットすることができなかった。ただそれは、彼女自身、大会前から予想していたことでもあった。

「(アメリカ本土のゴルフ場と言えば)安定のポアナ芝......。嫌やわ~(苦笑)。ぜんぜん慣れないし、(グリーン上ではボールが)ポコポコ跳ねるから悲しい......」

 そして実際、初日からグリーン上では苦労した。「(上り下りで)メリハリがあってかなり難しく、パットのタッチが合っていない。上りでは打てなかったし、下りでは打ちすぎたりして......」と渋野。さらに2日目には、いきなり1番で4パットのダブルボギーを喫して、ラウンド後にはこう嘆いた。

「朝からめちゃくちゃ大変というか......、4パットってヤバくないですか(苦笑)。そのこともだいぶ昔の話だなと思うのですが、今日は散々の一日だったかな、と。スタートで躓いて、風と向き合う余裕がなかった。目の前の一打に集中していましたが、すごく悔いの残る一日」

 それでも、渋野曰く「結構"神アプローチ"があった」と、初日、2日と耐えるラウンドを披露。通算3オーバーの59位タイで、目標の予選突破はクリアした。

 3日目、4日目もグリーン上では苦しんだ。

「微妙に曲がるのか、曲がらんのか。イマイチ読みきれなかった。下りは曲がる分を読みきれなくて、『ああ~きれちゃった』とか。1.5mとか、2mとかを決めきれなくて......。タッチに関係なく、ドンっていけるんだったら真っ直ぐ打てばいいんですけど、それを打つのが怖いから、難しい......」

 とはいえ、決勝ラウンドでも「要所、要所でアプローチがよかった」と渋野。「(アプローチには)自信はないけど、開き直ってよく振れた。あれを怖がっていたら、もう終わりじゃないですか。だから、左足下がりとかだったら『がんばって(フェースを)開いて一生懸命振って』って(自分に言い聞かせて)、割りきってやっていた分、よかった」と、パット以外のショートゲームでは4日間のプレーのなかでつかむものもあったようだ。

 今季から米ツアー本格参戦を果たし、ここまで出場した6戦すべてで予選を突破(出場1戦目のHSBC女子世界選手権と2戦目のホンダLPGAは予選カットなし)。4日間のラウンドをきちんとこなし、渋野は一戦ごとに自らの"引き出し"を増やしていることは間違いない。ポアナ芝のグリーンに対応できる日もそう遠くはないだろう。

「ここまでの戦いを振り返って? 自分のゴルフに対しては、トップ10が3回というのは予想外。もうちょっと苦労するかなと思っていたけど、ショットに対しては昨年よりも自信が出てきたし、振りきれるようになった。おかげで、4日間いいプレーができる大会もあるし、(来季の出場権に関わるCMEグローブ・)ポイントランキングでもいい位置にいられる(4月25日現在、20位)。

 そういう意味では、気持ち的にはラクになりましたけど、ここから全部予選落ちしたらやべぇ~から(苦笑)。このまま(ポイントランキングの)いいところにいられるようにしたい。

 その点、こうして予選を通過して1ポイントでもとれればいいかな。とりあえず(来季の出場権が得られるポイントランキング)80位以内というのをクリアするため、(今後も)予選落ちをしたら、ダメ。(ポイントが少ないのは)悲しさはあるけど、ないよりいいです(笑)」

 アメリカに渡ってわずか数カ月だが、着実に成長を遂げている渋野。世界でもトップレベルの"爆発力"を秘めていることを思えば、今後も彼女のプレーから目が離せない。