あいにくの雨の中、早大CDチームは今季最初のオープン戦となる白鷗大戦に臨んだ。この試合は40分✕3セットで行われ、多く…

 あいにくの雨の中、早大CDチームは今季最初のオープン戦となる白鷗大戦に臨んだ。この試合は40分✕3セットで行われ、多くの新入部員のデビュー戦となった。試合開始後はプロップ大木裕太(法4=東京・早大学院)の先制トライを皮切りに、4トライを奪い相手を圧倒。1本目を28ー5で折り返した。2、3本目も早大ペースで試合を進め、終わってみれば80ー17の快勝だった。

 早大のキックオフで始まった1本目。開始早々に試合は動く。3分、敵陣左22メートル内での相手のラインオフサイドを起点に、ボールを保持。数回フェーズを重ね、大木のトライで幸先よく先制に成功する。8分にも、敵陣右22メートル内で相手スクラムの反則を誘い、好位置でボールを奪取した。そのまま2次攻撃目で、ロック江島航(法4=早稲田渋谷シンガポール)が得点をあげる。その後はスクラムで立て続けに反則を重ね、自陣から抜け出せない苦しい時間帯を迎えてしまう。24分、早大のスクラムの反則から失点し、14-5となる。しかし、その後はモールを起点に、連続でトライを演出した。36分はラインアウトモールからフッカー安恒直人(スポ2=福岡)が、40分にはモールで前進し、崩れたところをFB山下一吹(教1=東京・早実)がトライ。山下一はデビュー戦での初トライとなった。早大は合計4トライを奪い、28ー5で1本目を終えた。


ラインアウトモールでボールを保持するフッカー安恒

 10人の選手を入れ替えた2本目は、互いに得点を取り合う展開に。早大は開始直後からチャンスを作り、何度も敵陣インゴールまで侵入する。しかし、グラウンディングの部分で相手ディフェンスに阻まれ、得点を奪えない。ようやく5分、プロップ米澤結人(スポ3=東京・国学院久我山)のトライにより、試合が動く。しかし得点に沸いたのも束の間、センターライン付近で早大はボールを失い、相手にディフェンスの間を取られ失点。スコアは7-7に。16分、敵陣22メートル内での相手の反則から、NO・8永井新之助(スポ2=東京・早実)がゲインしインゴールへ。直後に再び相手に得点を許すが、26分にはSH井上泰志(スポ2=福岡・東筑)がクリーンブレイクを見せる。そのままインゴールを駆け抜け、試合を決めるトライとなった。その後は両校とも決定力に精彩を欠き、得点を奪えないまま終了。21ー12で2本目を終えた。

 最終戦、大幅に選手を入れ替えた早大は多くの1年生を起用した。合計5トライを奪った中で、そのうちの4トライは1年生によるもの。その中でもWTB小澤ジョージィ(スポ1=千葉・流経大柏)は2トライをあげ、チームの勝利に貢献した。


インゴールへ駆けるWTB小澤ジョ。今試合2トライを決めた

 相手の度重なる反則により、終始試合を有利に進めた早大。しかしスクラムの精度に課題を残す。3本目では改善が見られたものの、1、2本目では相手に押され反則を多発した。モールでは押し勝っていた場面もあっただけに、スクラムの改善が喫緊の課題となるだろう。新入部員も多く起用された今試合、ルーキーの堂々としたプレーには今後早大を背負う覚悟が見られた。課題を修正し、彼らによる早大の底上げに期待したい。

 (記事 森田健介、写真 芳田彩歌、横澤輝氏)

コメント

ロック江島航ゲームキャプテン(法4=早稲田渋谷シンガポール)

――今日の試合のコンセプトを教えてください

 初めての対外試合ということで、なんとしても勝って今シーズンの勢いをつけるために、「勝つこと」をコンセプトとしてフォーカスしていました。

――改めて今日の試合を振り返っていかがですか

 まずは勝利できたということが非常に良かったと思うのですが、天候もありミスが多く、やりたいことが全部出来たわけではなかったです。課題が見えてきたので、また来週から上井草で練習し、チーム全体でスキルアップしていきたいと考えています。

――その課題点とは具体的に何でしょうか

 自分たちのミスから相手に点を取られてしまうシーンがあったので、まずはミスをなくすことにフォーカスしていきたいと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 自分も得点に絡むことができましたし、チームを鼓舞するということが自分の一番の役割だと思っているので、声を出したり味方を鼓舞することができたという点において、自分の役割を全うできたと考えています。

――今日のために準備してきたことで何か手応えはありましたか

 精神面ではチーム全体に今日の試合の重要さを伝えて、その一つ一つのプレーを丁寧に、かつ勝つために個人個人が何ができるのかを考えさせることにフォーカスしてきたので、それが試合の結果につながったので良かったと思います。

――最後に今後の意気込みをお願いします

 今日は今季初めての対外試合で勝てたということで、その波に乗ってシーズンを通して全ての試合に勝っていきたいと思います。

フッカー安恒直人(スポ2=福岡)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 初めてフッカーとして試合に出させていただいたのですが、試合前は緊張していました。ラインアウトは成功率が100パーセントと良かったのですが、スクラムでは課題が見られ、良い経験となりました。

――ご自身のトライシーンを振り返っていただけますか

 FWのモールで取り切ったトライとなりました。最近練習していたモールで、みんなで一つにまとまり押すことができたので、よかったと思います。

――モールとスクラムについて、それぞれ振り返っていただけますか

 モールに関しては、ラインアウトの際のリフトがよかったので組みやすかったです。モールを3本組んだうち、1本しかトライを取れなかったことは課題ですが、課題が明確に分かったので今後に生かしていきたいと思います。スクラムに関しては、自分たちが意識している密着という部分で、初めての対外試合を経験したことによって早大以外とのスクラムを組むコツをつかめたのではないかと思います。

――最後に今後に向けて意気込みをお願いいたします

 今後は対外試合が増えると思いますが、フッカーとしての目標はスクラム、ラインアウトといったセットプレーの成功率を100パーセントにすることなので、それに向けて頑張っていきたいです。

FB山下一吹(教1=東京・早実)

――初めての試合でしたがいかがでしたか

 最初は緊張してしまい入りが固くなってしまったのですが、先輩方が声をかけてくださったおかげで途中から良いプレーができたと思います。

――初トライを振り返ってみていかがですか

 雨だったのでラインをコンパクトにしようということを意識していました。トライの直前には外にスペースがあったのでボールをもらうことができればいけると考えていました。その後良い形でボールをもらうことができ思い切りトライに踏み込むことができました。

――本日の試合で意識したことはありますか

 1年生なので、まずは楽しんで思い切り自分の強みを発揮しようと意識しました。

――最後に今後の意気込みをお願いします

 一日でも早く赤黒のジャージーが着れるように、毎日を無駄にしないよう努力していきたいと思います。

 

ジュニア春季オープン戦
早大CDスコア白鷗大
前半後半得点前半後半
493117
80合計17
【得点】▽トライ 大木、江島、安恒、山下一、米澤、井上、永井、田中、小澤ジョ(2T)、米重颯、黒川 ▽ゴール 鳥海(4G)、吉岡(3G)、野中(3G) 
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号名前学部学年出身校
大木 裕太法4東京・早大学院
安恒 直人スポ2福岡
山野 裕都教3東京・早実
◎江島 航法4早稲田渋谷シンガポール
若松 泰佑文構2東京・早実
松下 慶伍教3東京・早実
深堀 雅聡スポ2福岡・東筑
永井 新之助スポ2東京・早実
清水 翔大文2東京・早実
10鳥海 雄図教3東京・早実
11三浦 哲文構2東京・早実
12守屋 大誠政経2東京・早実
13木村 晴スポ3北海道・函館ラサール
14磯崎 錬太郎商3徳島・城東
15山下 一吹教1東京・早実
リザーブ
16佐々木 柊スポ2東京・本郷
16′武内 陸法4埼玉・早大本庄
17山口 湧太郎スポ1神奈川・桐蔭学園
17′後藤 良太文3埼玉・早大本庄
18米澤 結人スポ3東京・国学院久我山
18′門脇 浩志スポ2神奈川・桐蔭学園
19栗田 文介スポ1愛知・千種
19′佐土原 脩基理3埼玉・早大本庄
7′梅澤 未遊法4東京・早大学院
20中島 潤一郎教1神奈川・桐蔭学園
8′鈴木 風詩社2国学院栃木
19″小野 史裕スポ2東京・本郷
20′岡村 圭悟スポ2東京・本郷
20″田中 勇成教1東京・早実
21井上 泰志スポ2福岡・東筑
21′吉岡 麟太朗スポ2東京・本郷
21″桝谷 連太郎スポ2東京・本郷
22″黒川 和音人1茨城・茗渓学園
13′中谷 波一土人2東京・本郷
22″′野中 健吾スポ1大阪・東海大仰星
22下原 一輝文構4東京・早大学院
13″金子 礼人法1福岡・西南学院
22′鈴木 陽結政経3東京・早大学院
23″小澤 ジョージィスポ1千葉・流経大柏
15′米重 颯己スポ4北海道・函館ラサール
23′杉野 駿太政経2東京・早大学院
23米重 皓己商2北海道・函館ラサール
15″五十嵐 心之介社3埼玉・早大本庄
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)