カタールW杯本大会行きを決めたサッカー日本代表。グループリーグは厳しい戦いになるが、それに臨むメンバー構成はどうあるべき…

カタールW杯本大会行きを決めたサッカー日本代表。グループリーグは厳しい戦いになるが、それに臨むメンバー構成はどうあるべきか。5人のサッカーライターに、本番では「こうあってほしい」というメンバーを選んでもらった。なお、今回は導入が検討されている26人登録、5人交代制を視野に入れている。

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カタール行きを決めたサッカー日本代表。年末のW杯本番はどんなメンバーになるだろうか

アタッカー陣を多めに

杉山茂樹(スポーツライター)



FW/鈴木優磨、大迫勇也、鎌田大地、原大智 
FW/三笘薫、仲川輝人、伊東純也、坂元達裕 
MF/遠藤航、守田英正、田中碧、久保建英 
DF/酒井宏樹、山根視来、冨安健洋、小池龍太、安西幸輝、岩田智輝、吉田麻也、谷口彰悟、板倉滉、中山雄太、旗手怜央 
GK/権田修一、シュミット・ダニエル、川島永嗣

 森保一監督が選びそうな選手ではなく、こちらが選びたい選手を選んだ。

 23人から26人へ、増えた3枠はアタッカー陣に回す。選手交代5人制では、アタッカー陣をフレッシュに保とうと、交代選手をそこへ次々に投入する。その顔ぶれをいかにバラエティに保つか、これがこの選考の一番のコンセプトになる。

 復活させたのは鎌田大地。ボールが収まる0トップも可能なセンタープレーヤーを、そもそも外す意味がわからない。パスワークを重視する日本サッカーには欠かせないパーツだ。

 鈴木優磨もそのひとり。さらに彼はウイングプレーもできる多機能型だ。監督にとって本来、使い勝手がいいはずの選手を森保監督はなぜ選ばないのか。1トップには大迫級が最低3人欲しい。191cmの高さに加え、速さもある原大智にも期待したい。

 ウイングはスピード系より技巧系、大型選手より小兵選手を相手が嫌がるパーツと判断。坂元達裕、仲川輝人を加えた。オーステンデに移籍し、トップ下としても行けそうな選手にプレーの幅を広げた坂元は、ファンタジスタ的な要素を含んだ面白い存在になれると確信する。

 中盤以下では、今日の横浜F・マリノスの攻撃陣を後方から支える多機能型選手、岩田智輝、小池龍太を加えた。問題の左サイドバックは、鹿島アントラーズの安西幸輝を選びたい。長友佑都よりスピーディーでパワフル。なぜ森保監督が代表から外してしまったのか、これまた解せない選手のひとりだ。

 所属のリバプールで出場機会に恵まれない南野拓実は、4-3-3のなかにハマるポジションがないため、思いきって選外とした。

攻めの姿勢を貫くべき

小宮良之(スポーツライター)


FW/上田綺世、古橋亨梧

 
MF/三笘薫、奥川雅也、南野拓実、鎌田大地、旗手怜央、久保建英、伊藤純也、堂安律 
MF/田中碧、長谷部誠、守田英正、橋本拳人、遠藤航 
DF/中山雄太、安西幸輝、冨安健洋、伊藤洋輝、谷口彰悟、吉田麻也、板倉滉、酒井宏樹 
GK/権田修一、シュミット・ダニエル、川島永嗣

 森保一監督が、この26人を選ぶかはわからない。正直、彼が招集しそうな選手は世間でも予想がつく。「26人の候補」はほぼ明らかなだけに、ここでは独断と偏見で選んだ。

 オーソドックスな4-2-3-1を基本にしたが、4-3-3、4-4-2、3-4-2-1、5-4-1でもシステムを運用できる面子だろう。森保ジャパンとは逆の発想だが、「ボールありき」の主体的サッカーで攻撃に活路を見出せる編成にした。図では重複しているが、大半の選手が二つ以上のポジションはできる。

 W杯は短期決戦で、11人で戦い続けるのは2、3試合が限界だろう。ベスト8を目標にするなら、バリエーションが不可欠。例えば東京五輪も、グループリーグは遠藤航、田中碧は無双だったが、決勝トーナメントに入ってパワーダウンした。

 アジア最終予選では守りを固め、攻めに安定をもたらしている。冨安健洋、吉田麻也、酒井宏樹のパワー、伊東純也のスピードは一つの答えだろう。

 ただ、「世界」で受け身に入ると、強力な攻撃力に晒され、攻め落とされる可能性が高い。そこで、できるだけボールを持てるか。俊敏さ、技術、連係力で相手を脅かせる編成も必要だ。

 その点、田中、橋本拳人、遠藤はボールを供給できるはずで、久保建英、堂安律、三笘薫、鎌田大地の‟共演"は世界に十分通じ、上田綺世、古橋亨梧、南野拓実は相手をノックアウトできる一撃がある。ロシアW杯でベルギーと互角に渡り合えたのも、攻めの姿勢を貫いたからだ。

 最後に森保監督が続投するとして、その不安を解消する一策として、‟元主将"長谷部誠の代表復帰を望む。本人は固辞するはずだが、頭を下げる価値はある。ボランチだけでなくリベロにも対応し、その戦術眼は卓抜で、何よりリーダーシップは格別だ。

4-2-3-1のほうが安定する

原山裕平(サッカーライター)


FW/大迫勇也、前田大然、上田綺世

 
MF/三笘薫、浅野拓磨、南野拓実、久保建英、鎌田大地、伊東純也、家長昭博、堂安律 
MF/遠藤航、守田英正、田中碧 
DF/中山雄太、旗手怜央、長友佑都、冨安健洋、板倉滉、吉田麻也、谷口彰悟、酒井宏樹、山根視来 
GK/谷晃生、権田修一、川島永嗣

 希望というよりも、現実的な線で26人のメンバーを選んだ。

 まずフォーメーションを4-2-3-1に戻したのは、4-3-3はあくまで追い込まれたなかでのアジア最終予選仕様で、押し込まれる展開が予想される本大会では、ベーシックな4-2-3-1のほうが安定感を担保できると考えたから。

 前者のほうが前から奪いに行けるメリットがあるものの、やや腰が引けたとしても後ろの枚数が多いほうが「対世界」では得策だろう。

 GKは東京五輪を経験し、サイズ感や伸びしろも含め世界と渡り合えるだけのポテンシャルを秘めた、谷晃生を推す。川島永嗣には過去3大会の経験値を、この若いGKに伝える役割を期待したい。

 センターバックの4人と右サイドバック(SB)の2人は、最終予選でのパフォーマンスを踏まえても、序列が覆ることはないだろう。人材難の左SBは消去法で中山雄太とした。

 様々なポジションをこなせる旗手怜央は短期決戦では懐に忍ばせておきたい存在で、左SBに置いたがポジションはここでなくてもいい。衰えが指摘される長友佑都も、川島と同様の役割でメンバーに入れた。

 ボランチは遠藤航を軸とし、そのパートナーには守田英正を選択。田中碧を入れて3センターにもできる。図では遠藤のバックアッパーはいないものの、不測の事態には旗手でも、中山でも、板倉滉でも対応可能だ。

 人材豊富な2列目では、右の伊東純也は不動で、左ウイングでは機能しない南野拓実はやはりトップ下に置きたい。左に関しては三笘薫としたが、本来はスーパーサブ的に起用したほうがいいのかもしれない。

 実路線で選択したなかで、唯一独自性を出したのが伊東のバックアップに入れた家長昭博だ。近年のJリーグでは間違いなく最高のプレーヤーで、巧さと強さは群を抜く。

 新旧川崎勢が勢力を伸ばす今の代表を考えれば、このアタッカーを加えることでさらに機能性は高まるはず。それ以上にドイツ、スペインという世界のトップに日本最高のプレーヤーがどのようなパフォーマンスを見せるのか。そこが一番興味を惹かれるポイントだ。

 センターフォワードには大迫勇也、前田大然とタイプの違う2人を選択。ラッキーボーイ的な存在になりそうなのが上田綺世だ。フィニッシュワークの巧みさは大迫よりも上で、強国相手に意外性のある一撃をぶち込むかもしれない。

2つの布陣を使い分けて臨みたい

中山 淳(サッカージャーナリスト)


FW/鎌田大地、大迫勇也、古橋亨梧

 
MF/南野拓実、三笘薫、前田大然、伊東純也、久保建英、堂安律、守田英正、柴崎岳、田中碧、原口元気、遠藤航、板倉滉 
DF/中山雄太、旗手怜央、吉田麻也、伊藤洋輝、冨安健洋、植田直通、酒井宏樹、山根視来 
GK/権田修一、谷晃生、川島永嗣

 本大会では、最低でも2つの布陣を使い分けて臨みたい。ひとつは、基本布陣の4-3-3を、よりコンパクトにした4-5-1。もうひとつは、攻撃的に戦う時に採用する4-2-3-1。登録メンバーには、どちらにも対応できるような人材を揃えたい。

 ぜひ試してみたいのが、1トップの鎌田大地が0トップ的な役割を担う4-5-1だ。特に強豪との試合で自陣に押し込まれた際、奪ったボールを鎌田に当てて、ワンタッチで伊東純也のスピードを生かしたカウンターアタックを繰り出すのが、この布陣最大の狙いになる。

 これまで不動の1トップを務めてきた大迫勇也の武器はポストプレーだが、鎌田にもボールを収める能力が備わっているうえ、適切なポジションをとりつつ、ダイレクトパスで周りを生かすスキルも高い。

 もちろん4-2-3-1採用時には、1トップ下も務められる。守備の負担を軽くするためにも、鎌田の0トップ起用は有効だと見る。また、カウンターの主役を担う伊東不在の場合は、スピード系の古橋亨梧や前田大然で対応可能だ。

 一方、4-5-1で戦う場合、どうしても守田英正、田中碧、遠藤航のバックアップは不足気味になる。そこで遠藤不在の場合は板倉滉、もしくは中山雄太で対応し、田中と守田のポジションは旗手怜央、原口元気で賄う。中盤の低い位置で攻撃の起点となれる柴崎岳は、4-2-3-1で攻撃的に戦うための戦力と考え、メンバーに組み込んでおく。

 最終ラインで抜てきしたいのは、目下急成長中の伊藤洋輝。将来を見据えたうえでも、メンバーに加える価値はある。そして今回のチームのまとめ役は、GK川島永嗣が適任者だ。

4-3-3は実力上位の相手に生きる

浅田真樹(スポーツライター)


FW/南野拓実、古橋亨梧、上田綺世

 
FW/前田大然、浅野拓磨、三笘薫、伊東純也、久保建英 
MF/田中碧、旗手怜央、守田英正、原口元気、鎌田大地、遠藤航、山口蛍 
DF/酒井宏樹、長友佑都、吉田麻也、中山雄太、板倉滉、谷口彰悟、冨安健洋、山根視来 
GK/権田修一、シュミット・ダニエル、谷晃生

 基本布陣は、アジア最終予選からの継続である。実質3ボランチと言うべき守備的な4-3-3は、実力上位のチームを相手にしてこそ生きるのではないだろうか。

 特に中盤3枚は、攻撃面においてもスムーズにボールを動かせるようになっており、替えが効かない状態になっている。ここまで来れば、もはや彼らにかけるしかない。

 ただし、ドイツやスペインにボールを握られ、完全に押し込まれる展開が続くようなことになれば、90分間持ちこたえるのは難しい。そこではハイプレスが不可欠であり、前線の人選には少々手を加えた。

 スピードのある伊東純也と前田大然を両翼に配し、アンカーを消すのがうまい南野拓実を中央に置くことで、守備の機能性を高めるとともに、マイボール時にはサイドのスペースと、中央のギャップを突いた攻撃につなげたい。

 また、従来の布陣がベースになるとはいえ、サイドの守備を強化するため、板倉滉をセンターバックに起用し、冨安健洋を左サイドバックへ。あるいは、冨安を右サイドバック、酒井宏樹を左サイドバックへと、それぞれコンバートするのも一手だろう。

 全26人の大まかなイメージは、各ポジション2人ずつ(GKのみ3人)+ジョーカー3人。上田綺世、三笘薫、鎌田大地の3人は、現状のシステムと戦術での先発出場は難しいが、いずれも一発の魅力があり、どうしても得点がほしい場面で投入したい。その時には、同時に4-2-3-1への変更もあっていい。

 基本的には従来の流れに沿った顔ぶれで、目新しい選手は入れていないが、あえてサプライズ選出に相当する選手を挙げるなら、山口蛍だ。

 ボランチ的なプレーをしながらも、ニアゾーンを攻略する動きにも長けている。日本代表が採用する3ボランチとは、相性がいい選手ではないかと思う。