雲一つ無い青空が広がる中で、伝統の一戦が今年は早大のホームで開催された。男子は昨年のリベンジ、女子は連覇の継続とそれぞ…

 雲一つ無い青空が広がる中で、伝統の一戦が今年は早大のホームで開催された。男子は昨年のリベンジ、女子は連覇の継続とそれぞれの思いを持って臨んだ試合。男子は接戦で前半を折り返すも、後半が課題となり2年ぶりの勝利とはならなかった。女子は序盤から大きなリードを奪い、エイト戦上位4名での早大記録を更新し、早慶戦7連覇を果たした。

 昨年に引き続き今年も無声試合で行われた。難しい雰囲気作りの中でアイコンタクトなど工夫が重要となった一戦。男子はまだ寒さの残るなかでのスタートとなった。「前半は良い形で入れた」という中野勇斗主将(商3=東京・早大学院)を中心に序盤は拮抗した展開が続く。しかし、5エンド目に中野が時間外発射をしてしまう。「心が乱れてしまった」と振り返るがそれ以外のエンドではうまくまとめて、チームトップの得点を出し引っ張る。チームとしても8点差を追いかけ後半に勝負をかける展開となった。追いつきたい後半だったが、杉田蒼月(教3=東京・麻布)が「どうすればここぞという場面で当てられるのかあやふやになってしまった」と振り返るように、勢いを増す慶大に対し伸び悩んでしまう。「男子にはもう一踏ん張りしてほしかった」と遠藤宏之監督(平4政経卒=東京・早大学院)がいうように、流れを掴みきれず点差を付けられリベンジとはならなかった。


チームを引っ張る中野主将

 午後からは女子の試合が行われた。主将の矢原七海(スポ3=福岡・柏陵)、全日本学生王座決定戦(王座)出場の中村美優(スポ4=北海道・旭川北)、髙見愛佳(スポ2=東京・足立新田)、園田稚(スポ1=東京・足立新田)に加え大学からアーチェリーを始めたという1年生の塚本美冴(スポ1=東京女学館)、廣瀬心咲(人1=東京・雙葉)などバランスの取れたメンバー構成で挑んだ。早大は序盤から50点代を出す選手が多く、幸先の良いスタートを切る。その後も点差を広げリードを保って前半を折り返した。後半になっても勢いが落ちることは無く、「みんな試合を楽しんで笑顔も見られた」と矢原主将が言うように早大らしさを出し、差を広げ続け早慶戦7連覇を果たした。また、エイト戦上位4人の合計得点が、歴代の早大記録を更新し過去最高得点となった。


安定した結果を残した矢原主将

 男子は「後半チームとしての課題が浮き彫りになった」(中野主将)というように強化すべきポイントが見つかり、来春に繋がる一戦に。女子は記録を更新したものの、王座でのライバルとなる大学に対してはまだまだこれで互角と、さらに上を目指す。リーグ戦、そして王座という目標に向かってまずはインドアシーズンを戦っていく。

(記事 森山裕介、写真 朝岡里奈、森山裕介)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

▽男子
●早大3476-3600慶大

▽女子
〇早大2488-2181慶大

コメント

遠藤宏之監督(平4政経卒=東京・早大学院)

――今日の結果を振り返って

男子に関しては、内容は価値のある試合だったと思います。しかし、早慶戦ですので負けたことが悔しいし途中勝負の流れみたいなものがあったので、男子はもう一踏ん張りしてほしかったです。女子に関しては70m上位4人の点数が過去歴代で最高点となり、10点更新することができました。スコアの面では選手は頑張っていたと思います。しかし、王座での全国制覇を考えるとライバルとなる日体大、近畿大とはこれで互角だと思います。これを弾みにして来年もっと伸ばしていこうと、意味のある明るい材料を感じつつも緩んではいけないなというのが率直な感想です。

――チームの状態は

男子と女子でレベルや組織の状況が違います。男子は人数が少ないです。かろうじて来春はリーグ戦を戦えますが、先を見据えたときに今の状況では良くないと危機感を持っています。男子のチーム状況としては順調に来ています。彼らの頑張りで来春が楽しみです。しかし、チームを支えている1、2年生のこの先を考えるともう一段の底上げが必要です。雰囲気も良くモチベーションも高いので、単年度のチームマネジメントはうまくできていますが、それを継承して次の代に繋がるように飛躍がより大きく求められるのが男子チームの特徴です。女子チームに関しては、人数は男子に比べればいます。大学でアーチェリーを始める部員もいますので、その子たちの伸びが期待できます。その中では今日出場した選手の中で塚本、廣瀬は1年生ですが大学でアーチェリーを始めて今日メンバーに入っています。これは人数的な事情で入れたのでは無く、春に協議をスタートして秋の段階で70mを射てているのは他校と比べても特筆すべきものがあります。夏の間に集中的に射ちこんでいた姿など、彼女らの頑張りのおかげだと思います。下の子たちが伸びていて、全国規模ではまだですが、彼女らが上の層の子たちに刺激を与えているという意味で女子チームのチーム力は活性化しており楽しみです。

中野勇斗主将(商3=東京・早大学院)

――ご自身の結果を振り返って

いい形で入れてやりたいことができていたので、ノリノリで射っていたのですが、5エンド目に時間外発射をしてしまったトラブルで、心が乱れイライラしてしまいました。それをずっと後半まで引きずっていたと思います。しかし、後半最後で気持ち切り替えて良い形で終われたので良かったです。ただ、合計得点には満足していないです。

――70mは得意ですか

近い距離の方が好きなので、少し苦手意識があったのですが、最近70で自分はどんな癖があるのか把握するようにしているので、それを受け入れて対応できたと思います。

――どのような癖ですか

70だとリリースが緩む癖があって、風が吹いていると特に下にいくので、最初から少し上を狙って緩んでも黄色や赤に収まるようにしました。今日はエイムオフの対応ができたと思います。

――チームとしての結果を振り返って

前半良い形では入れて、僕の時間外発射もありましたが8点差で負けていました。全然、巻き返せる点差だと思っていたので、正直勝てると思っていましたが、後半チームとしての課題が浮き彫りになったと思います。チームが疲れてきて風も吹いてきたのでなかなか良い雰囲気が作れず、慶大に持っていかれてしまいました。人数が少ないですが声は出せなくてもアイコンタクトなど少ないなりに工夫してやっていこうと思います。

――インドアシーズンの意気込みをお願いします

去年インドアで不甲斐ない成績を残してしまったので、とにかく全国で結果を残したいと思っています。また、リーグ戦、王座とずっと目標にしているものが近づいている実感があるので、チーム全員を先頭で引っ張り、点数も雰囲気も気をつけていきたいです。

杉田蒼月(教3=東京・麻布)

――ご自身の結果を振り返って

点数面でチームを引っ張っていく立場である自覚はあるのですが、物足りない点数だったので悔しいです。

――点数が伸びなかった要因は

最近調子が良くなかったこともありますが、早慶戦は大事な試合なのでここは当てなければいけないような場面で、調子が悪くても当てられるように1年間練習していました。しかし、自分の中でどうすればここぞという場面で当てられるかあやふやになってしまい、今回の試合でも全面にでてしまいました。最初にやると決めたことを貫けなかった事が原因だと思います。

――チームとしての結果を振り返って

無声試合なので声でチームを作っていくことはできなかったですが、後半は慶大が出していたこともあって、多少出せたので無声試合であっても少しずつ雰囲気は作れたと思います。チームの雰囲気は悪くなかったです。

――早慶戦に特別な意識はありますか

正直、王座やリーグ戦とは同等に見られていませんでしたが、点数が伸びずチームも負けてしまい、思っていた以上に悔しいので無意識に大事なものだと考えていたと思います。

――インドアシーズンの意気込みをお願いします

インドアは個人戦ですが、来年のリーグ戦、王座に勢いをつけるために、インカレや全日本に出場して勝っていきたいです。

矢原七海主将(スポ3=福岡・柏陵)

――ご自身の結果を振り返って

点数はまだまだ伸ばせるところはありますが、風が吹く中で安定した点数を射つことができ、自分の自信になりました。

――静かな中での勝負はどうでしたか

有声試合の方が盛り上がるし、試合感もあるので、そういった意味では薄れてしまいましたが、エンド間での得点報告だったり指示だったり、みんながテキパキ動いてくれて練習とは違う雰囲気を出せました。また、みんな試合を楽しんで笑顔も見られたので早稲田らしさがあって良い試合だったと思います。

――4人の合計得点が歴代最高でした

素直に嬉しいです。まさか更新できるとは思っていなかったですし、4年生の中村さんと一緒にエイトを組める最後の試合だったので、先輩の記憶にも残るような点数を出せて嬉しいです。

――インドアシーズンの意気込みをお願いします

早稲田大学はどんな距離でも強いチームになれたらと思っているので、今回は70mでしたが、インドアになっても早稲田らしく戦って上位に選手がたくさん入れるように、全日本インドアやインカレインドアに多くの選手が出場できるように冬の練習を区伏して取り組んでいきたいです。

中村美優(スポ4=北海道・旭川北)

――ご自身の結果を振り返って

最後の早慶戦みんなと楽しみたいと思っていて、その中で点数も出ればと思っていました。試射と1エンド目は良くなくて、流れに乗りきれず後半は巻き返せましたが、もっと最初から力を出し切れたらと思っています。

――4年生として見るチームの雰囲気はどうですか

私は結構練習にも参加させてもらっているので、明るくて早稲田らしい、みんな仲良く声を掛け合ってがんばっているもっと上を目指せるチームだと思います。私はこれでエイト戦最後で部として試合に出ることはないので、もっともっと頑張っていってほしいです。

――最後のエイト戦で記録を更新できました

歴代の記録を更新して名前を残せたことは嬉しくて、今までみんなで何点を目指していこうと考えていたことが報われた半面、今日は風もありましたが選手全体として点数がそんなにでていなかったので、もっと上を目指したかったです。みんなにはどんどん記録を塗り替えてほしいです。

――早慶戦に意識はありますか

連覇が続いていて、絶対に落とせない伝統の一戦だと思って臨んでいたので、今回みんなと一緒に戦えて嬉しかったです。今後もどんどん連覇の記録を伸ばして、伝統のある早慶戦を楽しんで戦ってもらえたらなと思います。