厳選!2歳馬情報局(2021年版)第25回:アストロフィライト 昨年末に行なわれた2歳GIの朝日杯フューチュリティS(阪…

厳選!2歳馬情報局(2021年版)
第25回:アストロフィライト

 昨年末に行なわれた2歳GIの朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)は、7番人気のグレナディアガーズが好位から早めに抜け出して快勝。戦前の低評価に反発するかのように、レースレコードをマークする圧巻の走りを見せて、実力の高さを存分に示した。

 あれからおよそ1年、そのグレナディアガーズの妹がデビューの時を迎えようとしている。栗東トレセンの中内田充正厩舎に所属するアストロフィライト (牝2歳/父ディープインパクト)である。



昨年の朝日杯FSを制したグレナディアガーズの妹、アストロフィライト

 すでに兄の活躍で証明されているが、同馬は世界を代表するスピード血統にある。なにしろ、母はアメリカの短距離重賞戦線で奮闘してきたウェイヴェルアベニュー。2015年にはGIブリーダーズカップフィリー&メアスプリント(アメリカ・ダート1400m)で戴冠を果たしている名牝だ。

 彼女は引退後、日本で繁殖生活を送るようになって、最初に産んだのがグレナディアガーズ。その活躍は冒頭で記したとおりだが、今後も短距離、マイル路線での躍動が期待される逸材だ。

 アストロフィライトはその妹ゆえ、早くから関心を寄せられるのは当然のこと。さらに、父フランケルの兄から、同馬の父はディープインパクトに変わったことで、一段と注目度が増している。

 そんなアストロフィライトは今、デビューに向けて順調に調教を重ねている。その様子を間近で見ているスタッフの評価はどれほどのものなのか、関西競馬専門紙のトラックマンが伝える。

「助手の話によると、『ディープインパクト産駒らしく、軽いキャンターをします』と好評価。続けて、『調教では問題なく動けていますし、血統的にも期待の大きな馬』と話しており、陣営としても希望を膨らませている1頭と言えるのではないでしょうか」

 兄グレナディアガーズも同じ厩舎で管理されているが、兄と比較してのコメントもすこぶる良好だという。先述のトラックマンが続ける。

「アストロフィライトは2歳牝馬らしい幼さがあるものの、『気性は素直で、兄の2歳時に比べて扱いやすいタイプ』とスタッフ。兄グレナディアガーズは気が強く、陣営も苦労していましたが、妹はそこまで手がかかることはなさそうです。距離にしても、レーススタイルにしても、兄より融通がきくのはないでしょうか」

 初陣は11月21日の2歳新馬(阪神・芝1600m)。鞍上は兄と同じく川田将雅騎手が務める予定だ。

 そのデビュー当日には、兄グレナディアガーズもGIマイルCS(阪神・芝1600m)に臨む。兄妹が同じ日に勝利を飾ることができるのか、注目である。