2021-2022シーズンのVリーグ女子が10月15日に開幕。活躍が期待される選手たちのなかから、今年の春高で活躍したルーキー、ケガからの完全復帰を期すベテラン、V2で注目度が高い選手など、リーグを大いに盛り上げそうな10人を紹介する。*…

 2021-2022シーズンのVリーグ女子が10月15日に開幕。活躍が期待される選手たちのなかから、今年の春高で活躍したルーキー、ケガからの完全復帰を期すベテラン、V2で注目度が高い選手など、リーグを大いに盛り上げそうな10人を紹介する。

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西崎愛菜(にしざき・まな)photo by Joe Horie

■西崎愛菜(にしざき・まな)
所属:JTマーヴェラス リベロ 158cm
2002年5月1日生まれ 愛知県出身 金蘭会高

 今年の春高でも活躍した期待のルーキー。金蘭会中学時代はセッターも経験したため、JTの吉原知子監督は今年3月に開催されたV Cup(日本代表以外のVリーグ女子の選手たちが出場した大会)でセッターとしての起用も試したが、やはり本業のリベロとしてプレーする。

 JTの正リベロは、日本代表として東京五輪に出場した主将の小幡真子で、昨シーズンはMVPを獲得している。それだけに西崎は、しばらくレシーバーとしての出場がメインとなるかもしれないが、パリ五輪に選出される可能性も高い逸材だ。「偉大な先輩に追いつけ、追い越せ」という気持ちで奮起したい。



白岩蘭奈(しらいわ・らんな)photo by Kiyoshi Sakamoto

■白岩蘭奈(しらいわ・らんな)
所属:フォレストリーヴズ熊本 アウトサイドヒッター 169cm
1996年9月21日 宮城県生まれ 利府高→新潟医療福祉大

 2019年、デンソーで活躍した濱野礼奈が監督を務める新潟医療福祉大から、初のVリーガーとしてKUROBEアクアフェアリーズに入団。同年のサマーリーグ東部大会ではフレッシュスター賞を受賞した。翌年にV2のフォレストリーヴズに移籍し、チームの中心選手として活躍している。

 169cmと小柄ながらジャンプ力を生かしたスパイクが武器で、プレーする姿は同じ宮城出身の元日本代表、菅山かおるを彷彿とさせる。いわゆる"エリート選手"ではないが、SNSなどを中心に、V2では異例の注目を集める選手だ。昨シーズン、チームは最下位だったが、今シーズンは自身の活躍で少しでも上位に食い込みたい。



周田夏紀(すだ・なつき)photo by Joe Horie

■周田夏紀(すだ・なつき)
所属:トヨタ車体クインシーズ ミドルブロッカー 177cm
2002年8月21日 広島県出身 就実高

 就実高では1年生からレギュラーとして活躍。今年1月の春高では全国制覇を成し遂げた。決勝戦では周田のサービスエースがウイニングポイントとなり、「うれしいというより、(努力が)報われたなという感情が強かった」と振り返った。その後、トヨタ車体に内定選手として合流し、いきなり入れ替え戦という難しい舞台を経験した。

 チームはV1残留を果たしたものの、ミドルブロッカーは荒木絵里香が引退し、同じく日本代表経験がある渡邊彩も日立Astemoに移籍。1年目からレギュラーを掴むチャンスが巡ってきた。ミドルブロッカーとしては小柄な177cmだが、守備、つなぎなどの細かいプレーにも注目したい。


バルデス・メリーサ

 photo by Kiyoshi Sakamoto

■バルデス・メリーサ
所属:PFUブルーキャッツ アウトサイドヒッター 185cm
2002年10月8日 キューバ出身 古川学園高

 キューバから留学生として来日し、宮城県の古豪・古川学園高のエースとして活躍。春高では2年時は準優勝、3年時はベスト4進出に貢献した。PFUに入団すると、6月のサマーリーグ東部大会で大活躍し、MVPとフレッシュスター賞(新人賞)をダブル受賞した。

 PFUには現在、外国籍選手として所属しているが、将来的には日本国籍の取得と日本代表入りを目指している。185cmの身長と最高到達点325cmのジャンプ力、力強いスパイクが武器で、代表入りが実現すればパリ五輪のエースになることは間違いない。尊敬する選手は、キューバの黄金時代を支え、バレーボール殿堂入りを果たしたミレーヤ・ルイス。そのルイスもかつてプレーしたVリーグの舞台で、どんなデビューを飾るのか目が離せない。



山田二千華(やまだ・にちか)photo by Joe Horie

■山田二千華(やまだ・にちか)
所属:NECレッドロケッツ ミドルブロッカー 184cm
2000年2月24日 愛知県出身 豊橋中央高

 NECに入団して4年目。身長184cmと高さがあり、ブロックを武器とするミドルブロッカーだ。日本代表、NECでも同じポジションの先輩である島村春世が、昨シーズンはスパイク賞を獲得するなど攻撃を得意とするのに対し、山田は「チームのブロックを統率できる存在になりたい」と開幕前の記者会見で守備への強い意識を語っていた。日本代表では、引退を発表した荒木絵里香の背中を見て学んだことも多かったはず。東京五輪では出番が少なかったが、その悔しさをバネにVリーグでの飛躍を期待したい。



長岡望悠(ながおか・みゆ)photo by Kiyoshi Sakamoto

■長岡望悠(ながおか・みゆ)
所属:久光スプリングス オポジット 180cm
1991年7月25日 福岡県出身 東九州龍谷高

 サウスポーから繰り出すシャープな攻撃を武器に、長らく久光のポイントゲッターとして活躍し、日本代表としてリオ五輪にも出場。しかし、2度にわたる膝のケガ(左膝前十字靱帯断裂)の影響で、ここ数年はなかなかコートに立てない日々が続いた。それでも日本代表に復帰し、今年5月にはテストマッチの中国戦で久しぶりの活躍を見せたものの、故障している膝を庇ったことから逆側の膝の調子が悪化。6月のネーションズリーグにも帯同したが一度もベンチ入りできないまま大会を終え、東京五輪は落選した。

 そんな不運にもめげず、チームに戻ってリハビリを続けた結果、現在は復調。ケガとうまくつき合いながらプレーのできる状態だという。「コートでファンのみなさんに元気な姿を見せたい」という本人の言葉どおりの活躍が見たいところだ。



西川吉野(にしかわ・よしの)photo by Joe Horie

■西川吉野(にしかわ・よしの)
所属:東レアローズ アウトサイドヒッター 178cm
2002年9月10日生まれ 徳島県出身 金蘭会高

 JTでプレーする西川有喜の妹。姉の影響でバレーを始め、同じ金蘭会高出身だ。今年3月に内定選手としてV Cupでデビュー。越谷章監督はシャープなスパイクと、レシーブやつなぎの巧さを評価している。日本代表で昨シーズンに東レのキャプテンを務めた黒後愛の休養が発表されたが、そのポジションを、先輩の中田柴乃や野呂加南子と争うことになる。頻繁に連絡をとっているという姉との"姉妹対決"が実現するかにも注目したい。



村山美佳(むらやま・みか)photo by Joe Horie

■村山美佳(むらやま・みか)
所属:ルートインホテルズブリリアントアリーズ アウトサイドヒッター 175cm
1997年9月2日 長野県生まれ 長野日大高→金城大

 チームがホームとする長野県出身の選手。Vリーグが企画した選手間投票で、「もし監督・GMだったら最初に獲得したい選手は?」のV2女子部門1位に輝いた。高さとパワーのある攻撃や安定感のあるプレーが高く評価されている。V2女子の優勝候補のひとつであるルートインは、男子の元日本代表でソウル五輪に出場した井上謙が監督に就任。ロサンゼルス五輪銅メダリストの野口(旧姓石田)京子もアドバイザーを務めており、オリンピアンからの学びでさらなる飛躍を目指す。



万代真奈美(まんだい・まなみ)photo by Kiyoshi Sakamoto

■万代真奈美(まんだい・まなみ)
所属:久光スプリングス セッター 168cm
1998年5月17日 島根県出身 就実高→筑波大

 7月に行なわれたサマーリーグ西部大会で、新人賞にあたる「フレッシュスター賞」を獲得した期待のセッター。強気なトスワークが持ち味で、高校時代は2017年の春高で準優勝を経験した。大学進学後は全日本大学選手権2連覇に貢献し、3年連続でセッター賞を受賞するなど、バレーエリートの道を歩んできた。高校の先輩である日本代表の石井優希や、大学の先輩である井上愛里沙と、Vリーグでどんなコンビを見せてくれるのかに注目したい。



室岡莉乃(むろおか・りの)photo by Kiyoshi Sakamoto

■室岡莉乃(むろおか・りの)
所属:日立Astemoリヴァーレ アウトサイドヒッター 162cm
2002年6月16日 熊本県出身 東九州龍谷高

 162cmと小柄ながら最高到達点300cmというジャンプ力が持ち前で、高校時代はそれを生かしたパワフルなスパイクを武器に1年生からレギュラーとして活躍。「小さな巨人」「リアル『ハイキュー!!』」と呼ばれた。2年時には春高で日本一となり、最優秀選手賞も獲得した。日立Astemoでは、今年3月に開催されたV Cupで内定選手としてデビュー。6月のサマーリーグ東部大会にも出場した。高校時代はコート内であまり笑わないクールな印象があったが、Vリーガー1年生の今年はどんな表情でコートに立つのかも注目される。