石田隼都 (いしだ・はやと)
●守備 投手●身長・体重 186cm・76kg
●生年月日2003年4月5日●所属 東海大相模高
●球歴 真岡市中(真岡ボーイズ)→東海大相模高
●出身地 栃木県●投打 左左
【写真提供=共同通信】


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 令和3年、センバツ優勝投手だ。

 東海大相模が例年通りなら、強打者がラインナップに並ぶ。だが、今年の相模は違った。投手力で勝った優勝だったからだ。

 この左のエースがその中心。決勝までの5試合すべてに登板した。準々決勝の福岡大大濠、準決の天理戦は二桁奪三振を奪って連続完封。決勝は六回の2死一、二塁のピンチからリリーフ。無失点で切り抜け、サヨナラ勝ちにつなげた。

 結局センバツは29回1/3を投げて防御率は0.00。三振45個を奪った。センバツで過去、1大会20イニング以上投げた投手で無失点なのは記録の残る上では石田のみだ。防御率0.00は83年の池田・水野雄仁(元巨人)だけ。文句のない数字で紫紺の大旗を獲得した。

「センバツでは『高校生レベルでは打てない』と思うようなボールを投げていました。速球のキレ、スライダーの曲がり、チェンジアップの抜けと素晴らしかったです」とは在京セ・リーグのスカウトの声だ。

 栃木・真岡ボーイズ時代、中三で「NOMOジャパン」入り。高校では1年春からベンチに入った。夏には甲子園の3回戦、岐阜の中京戦に先発している。

 2年夏の交流戦では大阪桐蔭戦にも登板した。

 ストレートは最速146キロ。常時、140キロ前後を計測する。120キロのスライダー、スッと抜けるチェンジアップ、110キロのカーブ。変化球を駆使した組み立ては巧みだ。右の強打者にチェンジアップを意識させておいて、インコースにストレートを投げ切るシーンがセンバツでは多かった。

 テンポの速い投球も持ち味。そこから守りのリズムも生まれている。

 入学当初は体が華奢だったので寝る前に補食を取って、体重を10キロ増やしたそうだ。

 さらにフォームの再現性を評価されている。

「普通、高校生は直球と変化球ではフォームが変わったり、一瞬のしぐさ、表情などの違いがあるもの。しかし彼にはそれがない。左の長身は制球が悪い場合が多いが、183センチあって制球が乱れない。バランスがいい」
体幹が強いからだとパ・リーグのスカウトが話す。

 センバツでの与四死球率は0.61。抜群の制球力をみせた。

 グラブと左手が特徴のある動きをする。バッターはタイミングが取りづらい。

 福岡大大濠戦14奪三振、天理戦で15奪三振したように実戦で三振が多いのは、駆け引きにたけているから。取りたいときに三振が取れる投手だ(13奪三振以上の連続完封はあの尾崎行雄以来60年ぶりだとか)。

 北海・木村、明徳義塾・代木、広島新庄・花田に彼を加えた4人が高校生の左では注目される。

 惜しむらくは、夏の甲子園だ。神奈川大会中、チーム内でコロナのクラスターが発生し、大会辞退になった。春夏連覇への挑戦が見たかった。