東京五輪への第一関門として立ちはだかる全日本個人総合選手権(全日本)。大学枠として、早大からは渡邉向祥(スポ2=千葉・…

 東京五輪への第一関門として立ちはだかる全日本個人総合選手権(全日本)。大学枠として、早大からは渡邉向祥(スポ2=千葉・市船橋)が出場し、社会人らに混ざって堂々とした演技を披露した。2日目の男子予選では、28位と躍進し見事決勝に駒を進めた。4日目に行われた決勝では、思うように点数が伸びず30位で幕を閉じたが、全日本の大舞台で掴んだNHK杯の切符でさらなる高みを目指す。

 東京五輪の代表を決める大会の一つである今大会。4月16日、渡邉はエンジを一人背負い、個人総合の予選に出場した。「自分の演技をやるだけ」と物怖じせずリラックスして演技に臨むと、最初の種目のあん馬で渡邉らしい演技を見せ好感触。しかしその後、3種目目の跳馬では成功はしたものの着地や細かい点に課題が残ったという。それでも合計得点で82.065をマークした渡邉は、社会人もいる中28位に入り、見事決勝へと駒を進めた。
 同日に行われた種目別トライアウトには、向中野蓮(スポ1=千葉・市船橋)と藤尾拓海(スポ3=岡山・関西)が出場。それぞれあん馬の演技を披露し、向中野は14点台をマークし18位の成績を収めた。


今大会には早大から3人が出場した

 東京五輪を目前に選考会にも緊張が走る。30名で行われた決勝で渡邉は平行棒からスタート。12.466とスコアが伸び悩むと、緊張から「いつもはしない失敗をしてしまった」と反省点を挙げた。しかし、続く鉄棒やゆかではうまく演技をまとめ、「自分の中でもかなりいい演技ができた」と自信をつける。ともに予選よりスコアを上げ、ゆかでは14.633と好成績を残した。続くあん馬では、落下を恐れる気持ちから縮こまった演技になってしまったと振り返ったが、つり輪では切り替えて納得の演技ができたという。跳馬では練習不足から課題が残ったが、課題の改善に向けての意欲を示した。


Wポーズをする渡邉

 決勝での演技を終え、渡邉は予選と決勝の合計点で161.863を記録し、30位で幕を閉じた。決勝での格上の選手との戦いを終え、「自分がそういう人たちと一緒に試合ができているというのがいい経験になりました」と一言。今大会を振り返って、「自分のやってきた練習が全日本という舞台で何個も出せた」と評価する一方で、「それでもやっぱりまだ失敗したところもあって、まだまだ練習で詰めが甘い部分や足りないところも感じた試合でした」と振り返った渡邉は、決勝に進出したことで掴んだNHK杯の切符を胸に、さらなる高みを目指す。

(記事 足立涼子、写真 早大体操部提供)


結果
男子個人総合 予選
選手名ゆかあん馬つり輪跳馬平行棒鉄棒合計点順位
渡邉向祥(スポ2)14.30013.63312.86614.10013.90013.26682.06528位


男子個人総合 決勝
選手名ゆかあん馬つり輪跳馬平行棒鉄棒合計点総合得点順位
渡邉向祥(スポ2)14.63313.03312.90013.36612.46613.40079.798161.86330位


種目別トライアウト あん馬
選手名結果(順位)
向中野蓮(スポ1)14.166(18位)
藤尾拓海(スポ3)11.933(87位)


コメント※このインタビューは後日リモートで行われたものです

渡邉向祥(スポ2=千葉・市船橋)

――試合を終えて現在の心境はいかがですか

予選が28位ということで、正直ここまでいけると思っていなかったので、自分にちょっと驚いているという感じもあって。でも自分の演技をしっかり出せれば、このぐらいまでこられるかなというのは思っていたので、自分の演技をやるだけだなと思っていたのですが、それがこういう結果になってよかったなという感じです。

――点数はいかがでしたか

全部の演技が完璧だったわけではないのですが、練習の中でやっていた点数よりよかった点数だったので、点数的に審判の方に評価されたのかなという感じはあります。

――予選の前はどのような心境でしたか

緊張は少ししていたのですが、初めての全日本選手権で失うものもないというか、チャレンジする感じで。僕は大学の中で一人出られるという枠で出させてもらったので、変な演技をしてしまったら選んでもらった分申し訳ないなと思い、自分の演技をやるだけだと思って臨みました。

――予選で特に印象に残っている演技はありますか

最初の種目があん馬だったのですが、そこがリラックスしてできて。試合でもちゃんと自分の演技ができて、最初の種目でいいスタートを切れたというのはあります。

――予選での反省点はありますか

跳馬はあんまりよくなくて、何とか成功はしたのですが、他の種目でも着地とか細かいところが最後まで点数を取り切れないところがあったので、まだまだ上は狙えたかなというところはあります。

――予選を終えて決勝まで一日あったと思いますが、どのように過ごされたのですか

予選が終わって、決勝いけるということに驚きもあって、その日はあんまり寝られなかったのですが、次の日は決勝に備えて体も休めつつ意識を決勝に向けて一日過ごしたという感じです。

――全体を通して、決勝の出来はいかがでしたか

いい演技ができたところも悪かったところもあって、全体としては微妙だったかなという感じです。予選の方がリラックスしてできた感じはあります。

――決勝でのそれぞれの演技はいかがでしたか

最初が平行棒だったのですが、決勝が始まって名前が呼ばれたりして緊張もあって、その緊張からいつもはしない失敗をしてしまったので、スタートはあんまりよくなくて。でもその後の鉄棒とゆかでは、自分の中でもかなりいい演技ができて、そこはすごくよかったなと思っています。その次のあん馬は失敗が多い種目なので、そこで縮こまってしまった部分があって、自分の演技があんまりできなかったです。つり輪は予選通りで自分の演技ができました。跳馬は少し失敗してしまったのですが、そこは練習不足だったかなと思います。

――東京五輪の代表争いも行われていましたが、トップの人たちからは何か刺激を受けましたか

予選は結構知っている人が多かったんですけど、決勝は周りの人が自分よりも上手い人たちばっかりで、すごい緊張感も伝わってきて。自分がそういう人たちと一緒に試合ができているということがいい経験になりました。

――全日本での収穫は何かありましたか

自分のやってきた練習が全日本という舞台で何個も出せたところがあったので、そこはすごい自信になりましたし、それでもやっぱりまだ失敗したところもあって、まだまだ練習で詰めが甘い部分や足りないところも感じた試合でした。

――今後の目標はありますか

1ヶ月後にNHK杯があるので、まずはそこに向けて、今の演技を、質を高めつつもっと上の選手に追いつけるように、0.1点でも上げていけるように練習していきたいです。