2021年4月10日、東京六大学野球春季リーグが開幕。第1試合は早大が東大の猛追をなんとか振り切って6対5で辛勝した。俊足を飛ばして本塁に向かう東大・隈部敢 早大は初回から岩本久重(4年・大阪桐蔭)の二塁打で2点を先制すると、その後も熊田…

 2021年4月10日、東京六大学野球春季リーグが開幕。第1試合は早大が東大の猛追をなんとか振り切って6対5で辛勝した。

俊足を飛ばして本塁に向かう東大・隈部敢

 早大は初回から岩本久重(4年・大阪桐蔭)の二塁打で2点を先制すると、その後も熊田任洋(2年・東邦)の本塁打、鈴木萌斗(4年・作新学院)の三塁打、蛭間拓哉(3年・浦和学院)の本塁打と長打攻勢で5回まで6対0と大差のリードを奪った。

 それでも東大打線は各打者が粘るなどして早大先発の徳山壮磨(4年・大阪桐蔭)に食らいついていくと、7回に反撃へ転じる。

 4番の井上慶秀(4年・県長野)の左中間を破る一打で1点を返すと、徳山にプレッシャーをかけて、押し出しや代打・森末雅也(4年・戸山)の適時打で3点差に縮めた。

 8回には代わった早大2番手の飯塚脩人(2年・習志野)から井上の安打などでチャンスを作ると、宮﨑勇(3年・開成)の適時打でリーグ戦初登板の飯塚をノックアウト。さらに代わった早大・原功征(3年・彦根東)から押し出しを選んでついに1点差に。しかし、このピンチと9回を早大の山下拓馬(4年・早大本庄)が無安打に抑える好救援で締めて早大が逃げ切った。

 リーグ戦初登板の投手もいたとはいえ7回以降に7四死球という結果に小宮山悟監督は「ストライクが入らないのはなんとかしないといけない。(初戦や初登板は終えたので)同じような醜態はもう晒さないと思いますが」と苦言を呈した。

 東大は昨春の開幕戦に続く1点差負け。それでも打線は計7安打と早大の安打数(6)を上回る戦いを見せた。中でも3安打を放った井上は、「僕はただ太っているだけなので」と何度か繰り返し謙遜しながらも「練習からセンター返しをするよう心がけてきました」という練習通りの成果見せ、6季ぶりの勝利に期待を持たせた。

低脂肪ダイエットにより5キロの減量も「普通に食べていたら2キロリバウンドしてしまいました」と苦笑いする井上だが、キレの良いスイングで打線を牽引した

■東京大vs早稲田大1回戦
東大 000 000 320=5
早大 200 310 00X=6
【東】●井澤、柳川、小宗、鈴木-松岡泰
【早】○徳山、飯塚、原、山下-岩本
本塁打:早大・熊田(4回2ラン)蛭間(5回ソロ)

◎早大・蛭間拓哉(3年・浦和学院)
「打った感触は良かったです。常にセンター方向への打球を意識しています。(今季から背番号1を背負い)歴代の素晴らしい方々に恥じぬよう結果で応えたいです」

昨年の早慶戦に続き、年をまたいでの3試合連続本塁打を放った早大・蛭間

文・写真=高木遊