「特集:なぜ『呪術廻戦』にハマるのか」(5)証言者:賀喜遥香(乃木坂46)乃木坂46の4期生メンバーで、次世代エース候補…

「特集:なぜ『呪術廻戦』にハマるのか」
(5)証言者:賀喜遥香(乃木坂46)

乃木坂46の4期生メンバーで、次世代エース候補のひとりとして注目されている賀喜遥香さん。最近ではアイドル活動のほかに趣味のイラストでも個性を発揮。自身のブログで公開した『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中の人気漫画『呪術廻戦』のイラストは、そのクオリティの高さから大きな反響を集めた。大の『呪術廻戦』好きである賀喜さんだが、"クリエイター目線"から作品はどのように映っているのだろうか。本人に『呪術廻戦』の魅力や作画のすごみについて聞いた。

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※記事にはネタバレも含みます



『呪術廻戦』の魅力を語った乃木坂46の賀喜遥香さん

ーー『呪術廻戦』を好きになったきっかけを教えてください。

賀喜遥香(以下、賀喜) もともと漫画を読んでいた友達がいて、「アニメ化するんだけど、面白いから絶対見て!」と勧められたことがきっかけです。私、アニメを見る理由として、戦闘シーンの作画を見るのが好きだから、というのがあるのですが、『呪術廻戦』はすごくキレイで。それで「すごい! もっと見たい!」って思ったんです。

ーー実際にアニメをご覧になって、印象的なシーンとして挙げるならどこですか?

賀喜 全部好きなんですけど、強いて挙げるとすれば、第4、5話の特級呪霊が出てくる少年院のところですかね。いきなり主人公の虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)くんが死んじゃうから、びっくりしちゃって。「わー、えっ...うぉー??」みたいな(笑)。衝撃的でした。

 ただ、そうしたなかでも、虎杖くんの人間味を感じるシーンもあって。少年院内で、過去に罪を犯した人の遺体を、虎杖くんは外で待つお母さんのために持ち帰ろうとしたじゃないですか。それに対して(東京都立呪術高等専門学校でクラスメイトの)伏黒(恵)くんは反対しましたけど、それでも持ち帰ろうとして。どんな生き方をしていても、どんな失敗や過ちを犯していても、その人を人間として見ている虎杖くんの姿を見て、すごくいいなぁって感じたんです。その心の温かさに、一気に心をつかまれましたね。



アニメの作画も夢中で観ているという賀喜さん

ーー確かに虎杖は仲間想いで、"人間想い"でもあるというか。やはり一番好きなキャラクターは虎杖ですか? 

賀喜 もちろん好きですし、どのキャラも魅力的すぎて選ぶのは迷っちゃいますけど、個人的には伏黒くんですかね。自分でも何で好きなのかはわからないんですけど、クールに見えて実は心には熱いものを秘めていたり、虎杖くんとのよいライバル関係だったり、あと手のやつ......(笑)。

ーー「式神」を出すときの。

賀喜 それです!(笑)。すごくカッコよくて。でも私はあまり喋るタイプではないので、(無口な)伏黒くんともし一緒にいたらお互い会話がなさそう......(笑)。

ーー相性的にはちょっと...っていう感じですかね(笑)。どのキャラクターとだったら仲良くなれそうですか?

賀喜 それこそ虎杖くんとは仲良くなれる気がします。「自分らしく生きたい」って感じの信念というか、心のきれいさ、そして強さがあるキャラなので、すごく惹かれます。それに性格も明るいですし、一緒にいたら楽しそう(笑)。東京観光とかしたいですね(笑)。

 あとは(虎杖、伏黒のクラスメイトの)釘崎野薔薇(くぎさき・のばら)ちゃんとも友達になりたいです。私、彼女のはっきりとした性格が大好きで。アニメの第3話で初めて虎杖くんたちと会った時に、『喜べ男子。紅一点よ』っていうセリフだったり、第17話の(京都校の)西宮桃との戦いでの『私は綺麗(きれい)にオシャレしてる私が大好きだ!』っていうセリフだったり。自分が大好きっていう気持ちを誇りに思っている感じが、私にはないところで、すごく憧れます。もし友達になったら、私がヘラヘラしているときに「何やってんの!」って怒ってもらいたい(笑)。

ーーズバッと言ってくれそうですね(笑)。でも確かに、自分を好きになることはけっこう難しいと思うので、男性でも憧れるファンはいると思います。

賀喜 本当にそうですよね。他の作品だとヒロインって、「ウフッ」みたいな、"ザ・女子"というキャラが多いじゃないですか。でも『呪術廻戦』に出る女の子は、(東京校の)禪院真希(ぜんいん・まき)さんもそうですし、みんな信念を持っていて、すごくカッコいい。だから惹かれるんだろうなぁって思いますし、ディープな世界だからこそ、自分を持って戦う彼女たちの姿はキラキラして見えるんじゃないでしょうか。

 それに野薔薇ちゃんを見ていると、田舎から上京した境遇とか、都会に憧れを持つ感じとか、自分とすごく重なるなぁと思って。私も地方にいた時は、原宿や渋谷とか、テレビによく映るような有名な場所しか知らなかったので、表参道や竹下通りに行くのがすごく夢だったんです。だから東京に来た時、「わー! あそこに行きたい!」みたいな感じで、野薔薇ちゃんや虎杖くんと同じようにすごくテンションが上がっていました(笑)。ただ、実際に竹下通りに行くと、建物に入れないぐらい人が多くて。クレープを食べたかったんですけど、ひとりじゃ食べ歩きもできなかったから素通りして終わりました(笑)。

ーー竹下通りは初めてだと、ひとりで回るのは勇気がいりますよね(笑)。

賀喜 私もおびえながら歩いてました(笑)。でも、虎杖くんたちが同級生で出掛けたり、先輩との絡みだったり、ちょっと軽いノリの五条悟先生とかを見ていると、すごく懐かしくなるというか。一緒に生徒になった気分になりますね。私は高校の途中で乃木坂に入って、学校で青春を経験することはなくなってしまいましたので、虎杖くんたちを見ていると、たまに尊い気持ちになります(笑)。

 一度、虎杖くんが死んじゃった場面も、関係性が薄い、薄いって言いながら、なんだかんだみんな悲しんでいたじゃないですか。そういうのも尊いですし、思わず「やっぱり好きなんじゃねぇかよー!」って突っ込んじゃいました(笑)。もうツンデレキャラが多すぎて、「可愛い、可愛い」って思いながら見ています(笑)。

ーー尊い気持ちになるのがわかります(笑)。ちなみに、ここまでいろいろなキャラの話がありましたが、乃木坂のメンバーに当てはめると性格が似ている方は誰かいますか?

賀喜 あ〜、結構いますね。例えば虎杖くんの、明るくて、人に好かれるところは同じ4期生の清宮レイちゃんが似てますね。そういう感じのメンバーはけっこう多いかもしれません。

 あと、野薔薇ちゃんや真希さんは、先輩の新内眞衣さんに似ていると思います。というのも私、4期のなかでは年上のほうですし、先輩に甘えたり、相談したりっていうのをあまりしたことがなかったんです。でも新内さんは、それを察して話しかけてくださったり、たくさんアドバイスもしてくれたりして、「すごくカッコいい大人!」っていう感じ。そういう頼り甲斐のあるところが当てはまるなぁと。

ーー先ほどアニメの作画を見るのが好きとおっしゃっていました。作画という観点で、印象的なシーンはどこでしょう?

賀喜 一番すごいと思ったのは、京都校との交流戦。森の中でのバトルシーンですね。戦っているキャラの動きの速さに、背景として映る木々の動きを合わせるのはすごく難しいと思うんですけど、それがしっかり描かれていて臨場感がすごいんです。アップになったりすぐ引いたり、アオリや俯瞰の作画が短い時間の中でめちゃくちゃ使われていて、「本当に凝ってるなぁ」って思います。

 それに遠めの絵になると、キャラが小さく映るので、顔のパーツとかあまり描かなくても大丈夫だったりするんですけど。森の中のバトルは細かく描いてあるので、作画を見ていると楽しくなります。

 あと、第7話の五条(悟)先生と(特級呪霊の)漏瑚(じょうご)の戦いのシーンも大好きで。五条先生の術式の名前が『無下限呪術』っていうんですけど、"無限"の世界観ってどう現せばいいかわからないじゃないですか。でもそのシーンの作画を見て、「すげぇ......、確かに"無限感"ある」と思って(笑)。

ーーアニメスタッフの表現力はものすごいですよね。最後に、今後の『呪術廻戦』のどういうところを楽しみに見ていきたいですか?

賀喜 やっぱり伏黒くんがどうなっていくのかが楽しみですし、気になりますね。だって、彼に対してすごく伏線を張っているじゃないですか(笑)。第5話で両面宿儺(りょうめんすくな)が『お前あのときなぜ逃げた? 宝の持ち腐れだな』って、伏黒くんがめちゃくちゃポテンシャルを秘めているような言い方をしてましたし。虎杖くんとの関係性とかも、今後どうなっていくのか見守っていきたいですね。

 あとは五条先生も、気になるというか、心配というか(笑)。作品によっては強すぎるが故に死んでしまう、みたいなのもありますし。一度、虎杖くんが死んでしまったこともありましたから、「もうやめてください」って(笑)。みんな好きなので、「誰も殺さないで〜」っていう気持ちですね。どうなるかわかりませんが、これからも楽しく見たいと思います!

【profile】 
賀喜遥香 かき・はるか 
2001年8月8日、大阪府生まれ。18年に坂道合同オーディションに合格し、乃木坂46の4期生としてアイドルデビュー。19年9月発売の24枚目シングル『夜明けまで強がらなくてもいい』で初の選抜入りを果たすと、20年3月に発売された25枚目シングル『しあわせの保護色』に収録された4期生楽曲『I see...』ではセンターに抜擢。同年11月には、NHKドラマの『閻魔堂沙羅の推理奇譚』第2話にゲスト出演を果たすなど、女優としての一面も見せる。加えてバラエティやグラビアなどでも幅広い活躍を見せ、着々と次期エースの階段を上っている。