40人の新人選手がキャンプを1軍でスタートした。その中で、高校生ながらドラフト1位で指名された3人の投手が未来のエースになるべく、動き出した。■未来のエースへ、期待かかる若手投手たち 40人の新人選手がキャンプを1軍でスタートした。その中で…

40人の新人選手がキャンプを1軍でスタートした。その中で、高校生ながらドラフト1位で指名された3人の投手が未来のエースになるべく、動き出した。

■未来のエースへ、期待かかる若手投手たち

 40人の新人選手がキャンプを1軍でスタートした。その中で、高校生ながらドラフト1位で指名された3人の投手が未来のエースになるべく、動き出した。

 楽天のドラフト1位右腕、藤平尚真投手は沖縄・久米島キャンプで2日にブルペンに入り。直球、スライダー、フォークなどを投げ込んだ。中学時代は走り高跳びのジュニアオリンピック王者。強靱な下半身から繰り出されるボールは可能性を秘めている。

 田中将大(現ヤンキース)も2007年キャンプは1軍スタート。高卒ルーキーはじっくり育成すべきという意見もある中で即戦力として、開幕からローテーションに入った。今年は則本、岸ら好投手が先発にいるため、開幕からすぐにローテに入れる必要はないが、素材の良さから今季中の1軍登板は間違いなさそうだ。

 ヤクルトのドラフト1位左腕・履正社高(大阪)の寺島成輝投手はまだブルペンでの投球練習はしていない。ブルペンでタオルを持ってシャドーピッチングし、傾斜で体の使い方とバランスを確かめた。新人投手のキャンプはどうしても気が張ってしまい、オーバーワークになったり、余計な箇所に力が入ってしまうことが多い。そのため球団もいきなりブルペンに入って、ケガやフォームを崩すリスクを負うよりも一度、マウンドの硬さや踏み込み具合を確認させてから、ブルペン投球をするように準備させた。無理はさせずに3月下旬、4月上旬の初登板を目指していく。

■3投手が交わした約束とは

 2010年の菊池雄星以来の高卒ルーキーの1軍キャンプとなったのは西武のドラフト1位・今井達也投手。キャンプ初日からブルペン入り。1軍の主力投手が投げ終わった後にブルペンに登場し、首脳陣、球団スタッフ、報道陣が昨夏の高校V腕の投球を見守った。

 ストイックな右腕は全力ではないものの、辻監督らの御前投球や慣れない環境で気が張ったのか、翌2日の練習で多少の張りはあったようだ。大事には至っていないが、この経験も自分の引き出しとして、西武の投手王国を築いていってもらいたい。楽天、ヤクルト、西武のいずれの球団も決して先発投手陣が潤沢ではない。十分に今季の1軍登板の可能性はありそうだ。

 3人には大きな夢がある。彼らは昨夏の甲子園に出場し、そのままU18の日本代表に選出。アジアの頂点に立った。解散後、約束を交わしている。「このメンバーでもう1度、日の丸のユニホームを来て戦う」ことと、「いつかプロの世界で投げ合う」こと。彼らの夢は、プロ野球界、ファンの希望でもある。2020年の東京五輪やWBCなどの世界大会で一緒に戦うため、一歩ずつ前に進んでいく。