後半9分から途中出場「人の前で走ることが、こんなに嬉しいのかと」 スーパーラグビー(SR)・ハイランダーズ入りした日本代…
後半9分から途中出場「人の前で走ることが、こんなに嬉しいのかと」
スーパーラグビー(SR)・ハイランダーズ入りした日本代表FL/NO8姫野和樹が26日、ホームのダニーデンで行われたハリケーンズ戦でデビュー。ワールドカップ(W杯)日本大会でも見せた得意のジャッカルでボールを奪うなど見せ場を作った。
試合は開幕4連敗阻止を目指すハリケーンズがブレークダウン、コンタクトで激しく重圧をかけ続ける展開。ロースコアの緊張感のある戦いの中で、姫野は後半9分にNO8マリノ・ミカエレ=トゥウに代わりピッチに立った。
2分後には、ボールをもらい前に出てラックを形成するなど落ち着いたプレーを見せたが、19分に、ハリケーンズLOイサイア・ウォーカー=レアウェレが抱え込んだボールに絡むように手を掛けて相手ペナルティーを犯させた。
試合後に急遽設けられたオンライン会見では、「やっとラグビーができた嬉しさがあった。試合前のウォームアップから、人の前で走ることが、こんなに嬉しいのかと思っていた」と、コロナ禍の影響で、1年間プレーが十分にできなかったことも踏まえて笑顔を浮かべた。
ニュージーランド入国後の2週間の隔離期間は、朝に狭い駐車エリアのようなスペースでランニングする程度のメニューしかできず、不安を募らせたが、その一方で「自分の立ち位置、どうチャレンジするのか、何を得たいのかというメンタルを鍛えるためには、2週間は有意義に使えたと思う」と、ハイレベルな新天地での挑戦へのマインドセットを高めて、この日に備えていた。
初陣で存在感発揮「自分の力を証明するために来た」
比較的早い時間の交代出場だったが、「驚きはなかったですね。チームの流れも悪かったから、ブラウニー(トニー・ブラウン・ヘッドコーチ)が僕を入れる意図を汲み取れた。ブレークダウンでしっかりと仕事をして、流れを変えようと思ってプレーしました」と、持ち味のボールを持って前進するボールキャリーでは、日本代表やトヨタ自動車と変わらないプレーを続けた。
合流してすぐに自分を受け入れてくれたチームメートについいては「(同じFW第3列のシャノン)フリゼルがよくしてくれる。仲もいいけど、負けたくないという気持ちもある。いい意味で切磋琢磨している」と、ニュージーランド代表とのポジション争いを楽しんでいる。
スコットランド系の移民が中心になって築いたダニーデンについては「自然が豊富で、時間がゆっくりと流れている印象。(大好きな)コーヒーもうまいので、いい街です」と生活面でも楽しんでいる。
チームは1勝3敗と厳しい状況だが、初陣で期待に応えた姫野は、今回の挑戦について改めて「自分の力を証明するために来た」と明言。デビュー戦をさらに上回る活躍を見せて、後半戦での巻き返しを誓った。(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)
吉田 宏
サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。W杯は1999、2003、07、11、15年と5大会連続で取材。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。