世界選手権が24日開幕、スイス大衆紙がロシア勢の強さに持論 フィギュアスケートの世界選手権は24日、スウェーデン・ストックホルムで開幕する。女子ショートプログラムが初日に控える中、欧州メディアはロシア勢の強さに注目。「未熟な肉体・精神の酷使…

世界選手権が24日開幕、スイス大衆紙がロシア勢の強さに持論

 フィギュアスケートの世界選手権は24日、スウェーデン・ストックホルムで開幕する。女子ショートプログラムが初日に控える中、欧州メディアはロシア勢の強さに注目。「未熟な肉体・精神の酷使を恐れない」などと報じている。

 世界選手権に注目したのは、スイス大衆紙「ブリック」だった。「16歳が引退を口に ロシアのフィギュアキッズを取り巻く狂気」との見出しで記事を掲載。「男子の予想をするのは難しい。一方、女子の表彰台の行方は決まっている。ロシアだ。それはなぜか? フィギュアに熱狂したこの国のスター選手達は、4回転をマスターしているからだ。それも子どもの年齢で」とつづっている。

 ロシア勢は16歳のアレクサンドラ・トルソワ、28日に17歳となるアンナ・シェルバコワ、24歳のエリザベータ・トゥクタミシェワが出場。同紙は3人について「優勝候補筆頭だ」「4回転ジャンプを跳べなければメダルのチャンスはない」とし、ロシア勢の強さの理由について持論をこうつづっている。

「コロナ禍により多くの国で大会中止となったが、ロシアではグランプリ・シリーズがほぼ例年通り開催された。これにより、彼女たちのリードはさらに大きくなった。ロシアでは、コロナ感染拡大に恐れをなさないようだ。同じように、若くて未熟な肉体と精神を酷使することも恐れない」

元スイス代表がロシア勢の強さに言及「彼女たちはまるで機械」

 独自の見解をつづった同紙。次々と若手が台頭する育成環境についてもこう記している。

「厳しい練習に規律、強い覚悟を求められるのは日常茶飯事。ロシア人ジャッジKonstantin Jablotski氏は『彼女たちには、試合に出られて嬉しいという子供らしい感情はない。あるのは、完璧に演じ切って勝つことだけだ』と語る」

 しかし、識者たちがこうした育成法は高い代償を払っていると説明し「ロシアでは自身の成長を待つ時間はない」と厳しい環境について記述している。さらに、元スイス代表のサラ・マイアーさんのコメントを紹介。自身が3回転ジャンプの習得に多くの労力を費やしたこともあり、ロシア勢についてこう語っているという。

「彼女たちはまるで機械。どうしてあんなことができるのか理解できません。信じられないようなこと」「体が成長した時に同じことができるかどうか。多くの選手達は大人では無理なテクニックでやっている」「彼女たちは早い段階から競争にさらされている。数週間、数か月怪我で離脱しようものなら、すぐに5人から10人の新しい選手が出てきてしまう。大人になった時にもっと色んなことができる競技なので残念」

 他国の選手にとって異なる環境のようだ。(THE ANSWER編集部)