元世界女王ブッテルスカヤ氏はシェルバコワをどう見る? フィギュアスケートの世界選手権は24日、スウェーデン・ストックホルムで開幕する。フィギュア大国ロシアから出場するアンナ・シェルバコワ、アレクサンドラ・トルソワが優勝候補として注目を集める…

元世界女王ブッテルスカヤ氏はシェルバコワをどう見る?

 フィギュアスケートの世界選手権は24日、スウェーデン・ストックホルムで開幕する。フィギュア大国ロシアから出場するアンナ・シェルバコワ、アレクサンドラ・トルソワが優勝候補として注目を集める中で、母国の識者が展望を語っている。

 元世界女王マリア・ブッテルスカヤ氏の世界選手権へ向けたインタビューを掲載しているのは、ロシアメディア「tele-sport.ru」だった。

 まず昨年12月のロシア選手権で264.10点という今季世界最高得点を記録しているシェルバコワについて、ブッテルスカヤ氏は「経験豊かなスケーターです、彼女はとても長い時間をリンクの上で過ごし、ジュニアでもシニアでも多くのタイトルを勝ち取っています。彼女はすでにロシア選手権を3度制しています。世界選手権に行くのは初めてです。しかし頭の中でそれで何かが変わるとは思いません。これは彼女にとって最大限を見せる必要がある通常の大会です。彼女に恐怖はないでしょう」と太鼓判を押している。

 11月に患った肺炎を治癒させて臨んだロシア選手権。現地メディアには新型コロナウイルスの検査は陰性だったものの、38度の熱が出ていたと伝えられていたが、気迫の演技で大会3連覇を成し遂げていた。体調面の不安も払拭していると、ブッテルスカヤ氏は断言する。

「十分な時間が過ぎました、私たちは多くの人がより短い期限で回復しているのを見ています。大会は3月下旬です、準備して全快する時間はあります。世界選手権では誰も不安だとは考えないでしょう」

トルソワは「まさに、金メダルを狙うスケーター」

 また紀平梨花とともに、シェルバコワの最大のライバルと目されるトルソワについては「彼女が自信を持っているものを安定して実施する必要があります。彼女はクリーンに、上質に、2つのプログラムを滑り切らなければなりません」とSP、フリーでの安定感がカギだと指摘しつつも、「サーシャはまさに、金メダルを狙うスケーターたちの一人です。彼女を争いから除いてはいけませんし、我々はそれをしません」と話している。

 またトルソワにとって、この世界選手権は大きな意味があるとも指摘している。

「どれほどの間、国際大会がなかったでしょう? 彼女が世界選手権の出場を決めたのは素晴らしいことです。これはトップにいるという自信を与えることになります。サーシャにはさらに目指す場所があります、これは彼女にとって大きなプラスです。世界女王になれば、その後、五輪女王にもなる、という例はよくあります。多分、私が思い出す唯一のスケーターは、五輪で金メダルを獲得しながら、世界選手権で優勝しなかったアデリナ・ソトニコワです」

 トルソワにとっても初の世界選手権出場が持つ意味は大きく、来年の北京五輪へと繋がるものになるとも見ている。(THE ANSWER編集部)