Tポイント×ENEOSが開幕 女子ゴルフの国内ツアー・Tポイント×ENEOSが19日、鹿児島・高牧CC(6424ヤード、パー72)で開幕した。ツアー通算13勝の成田美寿々(フリー)は6バーディー、1ボギーの67で回り、5アンダーで首位と3打…

Tポイント×ENEOSが開幕

 女子ゴルフの国内ツアー・Tポイント×ENEOSが19日、鹿児島・高牧CC(6424ヤード、パー72)で開幕した。ツアー通算13勝の成田美寿々(フリー)は6バーディー、1ボギーの67で回り、5アンダーで首位と3打差の4位発進。昨年は不振に陥ったが、復活の兆しを見せた。高橋彩華(東芝)が8アンダーで単独首位。

 成田が好位置でスタートを切った。8番で10メートルのバーディーパットを沈め、9番は残り105ヤードから80センチにつけて連続バーディー。10番は7メートル、12番はカラーからパターで12メートルを入れて伸ばした。13番パー5は2オン2パットでバーディー。「久々!」と声を弾ませながら会見場に現れた。

「18ホール、しっかりとやりたいことをブレずにできた。(初戦の)沖縄では一つのミスでバタバタと崩れた。沖縄で『余計なことを考えない』ということを思いつきました。『ここに上げる』だの、『下ろす』だの考えず、『ただ125ヤード打つだけの人になる』というのをルーティンにした。(2戦目の)高知はそれができたけど、パットがよくなかった。予選落ちはしたけど、手応えがありました」

 今年は2戦とも予選落ち。初戦の第2日11番では「パーフェクトシャンク」と自虐するほど、思ってもみないミスショットが出た。以降もシャンクの不安があったが「もう忘れた! もう私は何ヤード打つだけの人」と言い聞かせて切り替え。キャディーにも残り距離だけを聞くようにした。

「思考を変えた。これをルーティンにして、距離だけに集中する。打つまでも、打ちたい距離をブツブツずっと言って、先週からいいイメージでできている」

昨年絶不調も切り替え「自分でも笑い話にできるくらい吹っ切れている」

 昨年は12試合で予選落ち8度、棄権が1度と絶不調だった。2012年から8年連続で当たり前のように賞金シードを獲得してきた実力者。技術面で試行錯誤を繰り返し、なんとか這い上がってきた。不調の原因は「技術の問題」と断言する。

「気持ちがよくないからダメだと言いたくない。技術の問題だったと今でも思っている。スイングの再現性もバラバラだった。もともとそんなに安定しているタイプではなかったのが何かのきっかけで崩れた。もう一番下を見たので、もう上がっていくしかない。もう今は(去年の)試合のことは自分でも笑い話にできるくらい吹っ切れている」

 優勝は2019年8月が最後。今年はクラブを変更した。「良いと感じるものが試合になったら変わってしまうのかなという恐怖はあったけど、試合になっても突発的なミスもない。自分に合ったクラブを作っていただいている」と感謝した。

 好位置でスタートした今年3戦目。「去年の悔しかった想いを晴らしたいというのあるけど、一番は楽しんでプレーしたい。こういう壁を楽しんでゴルフをしたいと思っています」。成田にとって楽しむとは。「やっぱり球を操るのが一番ですかね」とニヤリと笑い、第2日に向かう。(THE ANSWER編集部)