カネロ、クロフォードとのPFP争いに注目 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)は権威ある米専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP)で現在2位に位置している。国際的な評価を高めているが、米国…

カネロ、クロフォードとのPFP争いに注目

 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)は権威ある米専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP)で現在2位に位置している。国際的な評価を高めているが、米国のトレーナーはPFP1位争いで井上が3番手と分析。その理由として、階級ごとの選手層の厚さや知名度を指摘している。

 昨秋、WBO同級1位だったジェイソン・マロニーに圧巻のKO勝ちを収めた井上。「ブレッドマン」の異名で知られる米国のトレーナー、スティーブン・エドワーズ氏はボクシング専門メディア「ボクシングシーン.com」で読者との恒例のQ&A企画に登場し、井上とカネロこと、4階級制覇王者のサウル・アルバレス(メキシコ)、WBO世界ウェルター級王者テレンス・クロフォード(米国)の3人をPFPトップに挙げている。

 ファンから3人の格付けを問われた同氏は「カネロはスミス相手に完璧な試合を戦った。あのパフォーマンスには感銘を受けた。現実離れしていた」と、カネロが昨年12月に前WBA世界スーパーミドル級スーパー王者のカラム・スミスとの団体内統一戦で見せた完勝劇を絶賛。評価は比較的に高まったと分析している。

「正直、ABCはつけられない」と格付けの難しさを吐露したエドワーズ氏だが「公平であろうとするなら、イノウエの名前はこのグループにおいて『C』で私の意識下で3番手になる」とモンスターは3番手と評価。その理由をこう語っている。

井上について「ただただ偉大なファイター」と評価

「世界的な知名度に関しては、バンタム級で戦う日本人ファイターが世界一になることは本当に困難なことだ。ボクシングメディアはアメリカがベース。そして、147ポンド(ウェルター級)以上の舞台は知名度も高く、選手層も厚い。仕方ないことで、フェアとは決して言えないが、現実でもある」

 エドワーズ氏は、タレントひしめく中量級以上と軽量級の差が不利に働くと持論を展開している。一方で、常々評価しているモンスターの強さも改めて称えている。

「彼は118ポンド(バンタム級)以下で今まで見たどの選手よりも優秀だ。彼はスペシャルで、147ポンドだったとしても特別だろう。常に自問自答する。このファイターは小柄だから(軽量級の)王者になれたのであって、過酷な階級では太刀打ちできないのか。あるいはただただ偉大なファイターなのか。イノウエはただただ偉大なファイターなのだ」

 井上の力は階級に関係なく優れたものであると、同氏は改めて評価していた。(THE ANSWER編集部)