先月27日の試合でドロー、3回までに3度のダウン奪うも急失速 ボクシングの中国人世界ランカー張志磊(チャン・ツィーレイ)は2月27日のジェリー・フォレスト(米国)とのヘビー級マッチで判定の末に引き分け。デビュー23戦目にして連勝がストップし…

先月27日の試合でドロー、3回までに3度のダウン奪うも急失速

 ボクシングの中国人世界ランカー張志磊(チャン・ツィーレイ)は2月27日のジェリー・フォレスト(米国)とのヘビー級マッチで判定の末に引き分け。デビュー23戦目にして連勝がストップした。当初は有利と見られていた対戦で痛恨のドローに終わった張は試合中に脱水症状を起こしていたという。米メディア「SBネイション」のボクシング専門サイト「バッド・レフトフック」が報じている。

 米誌「ザ・リング」などに寄稿するマイケル・ウッズ記者が執筆した記事によると、張は体の内側にダメージを負っていたようだ。前日計量で198センチ、116キロの張は体格面でもアドバンテージを得ており、さらに3回までに3度のダウンを奪いKO目前かと思われていたが、4回以降がくんとパフォーマンスを落としてしまった。

 記事では「ラウンドを経るごとにチャンのスタミナが落ちていった。最後のゴングが鳴った時、チャンは疲労困憊のように見えた」と当時の様子を描写している。

 結局10ラウンド戦い、0-1でドロー。デビュー22連勝中だった五輪銀メダリストが初めて勝てなかった。

試合後は病院直行、現在は回復「彼は気分が良い」

 ウッズ記者は張の共同マネージャー「レーン・ブラザーズ・ボクシング」のテリー・レーン氏を取材したようで、張の失速はスタミナの問題ではなかったようだ。レーン氏は「実はより深刻なものだった。チャンは素晴らしいキャンプを過ごした。理由は分からないが、彼は極度の脱水症状に陥り、それにより試合中に腎臓の機能が低下し始めた。彼の体内の鉄分量が非常に低く、貧血になっていた」と話していたという。

 レーン氏はさらに「血液検査でドクターが心配していた。そして我々を驚かせるいくつかのことが判明した。軽度の腎不全、肝臓のダメージ、貧血だった。CPKのレベルは極端に高かった。怖かったよ。そして不思議でもあった」と驚きの事実があったことも明かしている。

 試合後は病院へ急行し、3日間退院できなかったという張。同氏によると頭部と心臓に問題は無かったようで、「本当に良かったよ。現状彼は気分が良い。我々は医療の専門家と、彼に何が起きたのか話しているところだ。しかし彼は復帰するよ。マッチルームはとても支援に協力的だ」ともコメントしているようだ

 その後は3度血液検査を受け、全て正常だったという。戦前は世界挑戦への思いも口にしていた張。WBOで8位、IBFで14位と世界ランクに入っている37歳は再浮上できるのか。注目が集まる。(THE ANSWER編集部)