■タイトル: 阪神 vs 巨人 第1戦 (会場:甲子園球場)
■出場選手: 

(1回~3回)阪神・森 翔真/巨人・舘野 弘樹
(4回~6回)阪神・脇 直希/巨人・吉田 友樹
(7回~9回)阪神・徳田 直也/巨人・坂東 秀憲

■スコア: 阪神 4―11 巨人
■戦評:
 新型コロナウイルスの影響もあり、2ヶ月ほどの期間が空きながらついに実現したコカ・コーラ eクライマックスシリーズ。セ・リーグ2位・阪神と同3位・巨人の対決は、常に試合のペースを握った巨人が先勝した。

 eクライマックスリーズでは3イニングずつでプレイヤーが変わるルールとなっており、巨人の先鋒として登場したのは舘野。初回、自身の代名詞でもある“強振”を解いて“ミート打ち”も駆使しながらチャンスメイクすると、2死2、3塁から5番・陽で右中間を破るタイムリー2ベースを放ち、幸先よく2点を先制する。さらに、3回には先頭・坂本で2ベースを放つと、2番に据えた丸で阪神先発・髙橋のカットボールを捉え、シリーズ第1号となる2ランホームラン。完全に勢いづくと、続く岡本でも二者連続となる一発を放つなどして、この回、リードを一気に6点に広げた。

 反撃したい阪神は3回裏、森が意地を見せる。1死から代打・髙山で2ランを放つと、続く1番・大山でも一発を放ち、“二者連続弾返し”。3点差に迫って、試合をチームメイトに託した。

 しかし、その後も巨人がペースを譲らなかった。二番手で登場した吉田が丸でこの日2本目となる一発を放てば、3番手の坂東も7回に2点を追加。終わってみれば16安打11得点と上々すぎる結果で、巨人が初戦をものにした。

 

■タイトル: 阪神 vs 巨人 第2戦 (会場:甲子園球場)
■出場選手: 

(1回~3回)阪神・森 翔真/巨人・高川 健
(4回~6回)阪神・岸川 虎太郎/巨人・舘野 弘樹
(7回~9回)阪神・脇 直希/巨人・吉田 友樹

■スコア: 阪神 5―7 巨人
■戦評:
 巨人が先勝して迎えた第2戦は、1戦目の勢いを保った巨人が再び勝利を収め、2連勝でファイナルステージ進出を決めた。

先制したのはもう負けられない阪神だった。2回裏、2試合連続で先鋒として出場の森が、1死1、2塁のチャンスを作ると、8番・上本でレフトの頭を超えるタイムリー2ベースを放ち、2点を獲得。3回表に1点を失うも、序盤の3回をリードして終えた。

 試合をひっくり返したのは初戦でも2本塁打を放つ活躍を見せた舘野だ。4回裏に1死2、3塁の大ピンチを無失点で凌ぐと、迎えた5回表、2死2塁から1番・坂本で左中間への逆転2ラン。直後の裏に一旦は追いつかれるも、6回表に1死満塁チャンスを作ると、7番・吉川尚のショートゴロの間に1点を奪って勝ち越し。打った瞬間はダブルプレーかに思われた打球だったが、運も味方につけた形でリードを奪った。

その後、巨人は3番手として登場の吉田がいきなり2点を奪い点差を広げると、一時は1点差にまで迫られながらも阪神の追撃を凌ぎ切り、逆転勝利。危なげない2連勝で、王者・DeNAの待つファイナルステージへと駒を進めた。

 

■ファーストステージ総括:

巨人側は初戦で登場した3選手がいずれも初回に得点を記録するなど、試合の“入り方”で阪神を上回った。2戦目は先制こそ許したものの、キャプテン・舘野が得意の一発で逆転する理想的な展開で、試合の流れを譲らなかった。

レギュラーシーズンとは違う9イニング制で行われるeクライマックスシリーズは各プレイヤーの出場が長くても1試合3イニングのみとなる。2戦で4選手とも得点を記録できた巨人は非常に充実した2試合となった。

■試合後コメント:

初戦で終盤の3イニングをきっちり締めた巨人・坂東選手

「初戦が大事だと思っていて、是が非でも勝ちたいと思っていたところで勝つことができてよかったです」

2戦目の先鋒として出場した巨人・高川選手

「初戦でチームメイトが勝ってくれたので、流れに乗るだけだったんですが、打つほうでは流れに乗れませんでした。ただ、守る方でなんとか凌げればというところでギリギリ踏みとどまれたのがよかったと思います」

2戦とも阪神・脇選手とのマッチアップながら試合の流れを譲らなかった巨人・吉田選手

「レギュラーシーズンでの成績を見ても強い選手なのはわかっていたので、思い切っていこうといったら、結果につながりました」

2試合で3本塁打の活躍を見せた巨人・舘野選手

「みんないい感じで試合を作ることができていたので、このままDeNA戦も乗っていければと思います」