日本代表FWの大迫勇也が、ブレーメンから移籍するという噂が、先月報道された。しかし、ドイツ国内の移籍市場が閉まっても、大…

日本代表FWの大迫勇也が、ブレーメンから移籍するという噂が、先月報道された。しかし、ドイツ国内の移籍市場が閉まっても、大迫がブレーメンから離れる様子は見られない。直近のシャルケ戦では、再び出場機会が与えられ、復調の兆しを見せた。この1カ月間、大迫に何があったのか。そして、地元ファンから批判を浴びてしまう原因とは? 地元メディア『ダイヒシュトゥーベ』のブレーメン番記者、ビョルン・クニプス氏が寄稿してくれた。

 ドイツのサポーターたちは、選手たちとのつながりを重要視している。選手たちと共に苦しみ、喜びを分かち合って、チームの一員として熱狂したいのだ。そんなブレーメンのファンにとって、大迫は普段何を考えているのかわからず、人柄がわからないために、近づきがたい存在となってしまっているのだ。

 そういった状態では、容易に批判の的となってしまう。ファンの大迫に対する"負の感情"が頂点に達したのは、開幕戦だ。ファンの一部がスタジアムに入ることが許されていたこの試合で、ブレーメンの前半は散々な出来だった。酷いプレーをしたのは、大迫ひとりだけではない。だが、ハーフタイム終了とともに、スタジアムのアナウンスが大迫の交代を告げると、ヴェーザーシュタディオンでは拍手喝采が起こった。

 それは、彼の交代を喜んでいるかのようだった。コーフェルト監督にとっては、不愉快以外の何物でもない。「ユウヤは、戦犯としてすべての責任を押し付けられている。フェアじゃない」と怒りを示す一幕もあった。

 今の大迫にとっては、コロナ禍で無観客のほうがプレーしやすいかもしれない。シャルケ戦で、ようやく一条の光を見出すことができたとはいえ、今のところ、以前に比べてはるかに良いプレーをしているとも言いがたい。

 噂になっていた移籍の話は、ずいぶん前に消えていた。日本からブレーメンに話が来たが、具体的なオファーには至らなかったからだ。それ以外の移籍は、家族の事情もあり、大迫自身も関心がないようだ。そもそも大迫は、ドイツやブレーメンで快適に過ごせているし、チーム内でも気持ちよく過ごせている。ブレーメンは、彼が本調子に戻ることを祈っている。

 それでもシーズン後、両者は将来について考えなければならない。大迫の契約は、2022年の夏に切れる。契約延長しない場合、ブレーメンは移籍金をできるだけ多く確保するためにも、今年の夏に売却しなければならない。大迫とブレーメンの双方にとって、決断の時は迫っている。