パフォーマンス向上へ、専門家は強調「症状が出る前に、適切な治療を」 春のスギ花粉の飛散は、2月に入ると本格化。花粉症の人…

パフォーマンス向上へ、専門家は強調「症状が出る前に、適切な治療を」

 春のスギ花粉の飛散は、2月に入ると本格化。花粉症の人にとっては、早くも憂鬱なシーズン到来だ。

 スポーツ界でもジュニアからプロまで花粉症に悩む選手は多い。なかには、日常生活だけでなく、スポーツパフォーマンスに影響を及ぼすほど、深刻な症状を抱える選手もいる。コロナ禍で外出を控える傾向にあるものの、特にサッカーや野球などの屋外スポーツの競技者にとっては、非常につらい季節となる。

 そんな中、漫画『キャプテン翼』の作者・高橋陽一氏が代表を務める、サッカー関東リーグ2部の南葛SCが、選手・スタッフを対象に花粉症対策のオンライン勉強会を開催した。

 南葛SCでは昨年、トップチームとスタッフを対象にアンケートを実施。約6割が「花粉症である」「花粉症かもしれない」と答え、そのうち8割以上が睡眠に影響を及ぼしていると回答。5月の開幕に向けた調整のタイミングと花粉シーズンが重なるため、チームがパートナーシップを締結するノバルティス ファーマ株式会社の協力を得て、今回の勉強会を開催する運びとなった。

「花粉症は症状が出る前に、適切な治療を開始するべき」とは、勉強会で講師を務めた耳鼻咽喉科山西クリニック院長・山西敏朗医師。様々なデータ・診断画像を用いて、花粉症の基礎知識から治療のポイントを柱に講演を行い、「花粉症対策は、早めに耳鼻咽喉科や専門医への相談すること、そして適切な治療が重要」と話した。

ドーピング違反となるケースも…「医師の適切な処方が必要」

 また、具体的な治療法については、抗ヒスタミン薬とその他の内服薬に加え点鼻点眼薬などの「4つの投薬治療」、舌下免疫療法に代表される「3つの免疫治療」、そしてレーザー治療に代表される「3つの手術治療」を挙げ、「『3-3-4システム』で対策を練ることができる」とサッカーの陣形に例えて解説。加えて「鼻茸や鼻腔癌など花粉症とは異なる疾患が合併している場合もある。鼻に違和感があったら、耳鼻科を受診し、必ず鼻の状態をチェックしてほしい」と呼びかけた。

 また、アスリートの花粉症対策においては、一般市販薬(OTC薬)に潜むドーピング問題への対応も非常に重要。「一般市販薬にはアンチドーピングガイドラインに抵触する禁止薬物が含まれる場合がある。服用することでドーピング違反になるケースもあるため、医師の適切な処方によって、ガイドラインに即した薬を選ぶ必要がある」(山西医師)と注意を促した。

 花粉症の治療は個々のライフスタイルに合わせて行うため、病院で受診する際、例えばどんな症状がつらいのかだけでなく、自分はサッカー選手であること、プレーに集中したいので眠くならない薬がよいなど、仕事や生活を医師にしっかり説明することが大切、とレクチャー。「アスリートにとって体調管理は重要であり、特に屋外競技の選手にとって花粉症は大敵。花粉症と上手に向き合い、より高い次元のプレーを目指してチームの勝利に貢献してほしい」と山西医師。

 選手たちに向けて再度、積極的な受診と治療の重要性を強調し、勉強会は終了した。(THE ANSWER編集部)