ジャパネット杯「春の高校バレー」第73回全日本バレーボール高等学校選手権の男女決勝が無観客で行われ、男子は東福岡が駿台…
ジャパネット杯「春の高校バレー」第73回全日本バレーボール高等学校選手権の男女決勝が無観客で行われ、男子は東福岡が駿台学園(東京第1)を3-1で破り、5大会ぶり3度目の優勝を果たした。エースの柳北悠李(やなきた・ゆうり、3年)が両チーム最多の39得点。最優秀選手賞に輝き、新型コロナウイルス禍に翻弄されたシーズンの集大成を飾った。
誰にも譲らない。マッチポイントを迎え、柳北がセッターにトスを求めた。「絶対持ってこい」。豪快なバックアタックで終止符を打った。5大会ぶりに東福岡を優勝に導き、両拳を握った。
「インターハイも国体もなくなって、春高しか残っていなかった。日本一のエースになれるようにとプレーしていた」
身長192センチのアタッカーが放ったスパイクの打数は80本。持ち前の強打一辺倒ではない。軟打も織り交ぜ、ブロックアウトも奪う。両チーム最多の39得点で最優秀選手賞に輝いた。ブロックでも4得点を挙げ、駿台学園の緻密な攻撃を要所でシャットアウトした。
昨年はコロナ禍で夢を見失った。夏の全国高校総体(インターハイ)は中止となり、秋の国体は2023年に延期。「本当に春高はあるのかな…」。自粛期間はオンラインで仲間とトレーニングに励み、公園でボールに触れたが、目標が定まらず身が入らない。菓子をほおばり、体重はベストより10キロ以上重い102キロに達した。
活動再開後は故障のリスクからジャンプを制限された。練習試合にも出られない。ふがいないエースを支えたのが、控えメンバーの3年生だ。その一人で主将の川波虎太郎は「やってくれると信じて言い聞かせてきた」と明かす。
全体練習の前後には、減量のため一緒にランニングに励んだ。年末年始は川波の自宅で寝食を共にし、野菜中心の食事をとらせた。「自分のためだけにやってくれた」と柳北。1年生の頃からあった甘えから脱却し、同級生の思いを胸に最後まで腕を振り続けた。
センターコートに立った3年生は柳北ただ一人だった。「今日だけは褒めてあげたい」と藤元聡一監督(45)。卒業後は山口県の東亜大で競技を続ける。「『おかげさまで』という気持ちを持てた。(将来は)オールラウンダーになりたい」。真のエースになった男が、もっと大きくなる。(鈴木智紘)
柳北 悠李(やなきた・ゆうり)
2002(平成14)年9月20日生まれ、18歳。福岡県出身。小学5年で競技を始め、板櫃中3年時にJOC杯全国都道府県中学対抗で最優秀選手。東福岡高1年でU18日本代表に選ばれ、18年アジアユース選手権で優勝。プロ野球ソフトバンクのギータこと柳田悠岐(やなぎた・ゆうき)になぞらえ、愛称はキータ。アウトサイドヒッター。192センチ、92キロ。最高到達点345センチ。