ジャパネット杯「春の高校バレー」第73回全日本バレーボール高等学校選手権は6日、東京体育館で男女の2回戦計32試合が無…
ジャパネット杯「春の高校バレー」第73回全日本バレーボール高等学校選手権は6日、東京体育館で男女の2回戦計32試合が無観客で行われた。シード校が登場し、女子で2連覇が懸かる第1シードの東九州龍谷(大分)は、富山第一にストレート勝ち。身長184センチの1年生、飯山エミリが全国デビュー戦で躍動した。7日は男女3回戦と準々決勝が行われる。
堂々の春高デビューだ。無観客の会場にドスンと響く打球音とともに、パワフルなスパイクが、相手ブロックの上からコートに突き刺さった。1年生とは思えない存在感を示した東九州龍谷・飯山。富山第一をストレートで下すと、初々しい笑顔を見せた。
「(広い)会場を見た瞬間、緊張して『やばいな』と思った。最初は力んでしまって、いいスパイクが打てなかったが、慣れてからは自分らしいプレーができた」
クイックスパイクやブロックの中心を担うミドルブロッカー(MB)の飯山は、2連覇を狙うチームの勝利に貢献した。「緊張した」という第1セットはスパイクで2得点にとどまったが、エースで主将の室岡莉乃(3年)ら上級生が作った勢いに乗った。第2セットだけで6得点を挙げる活躍。1人で相手のスパイクを防ぐ場面もあり「高さを生かせた」と胸を張った。
日本人の父とロシア出身の母との間に生まれた。身長184センチで、最高到達点は295センチ。竹内誠二監督(45)は「体が大きいけど、プレーがコンパクト。力ではなく、体の使い方でパワーを出せる」と潜在能力を評価する。
現在の女子日本代表候補選手29人のうち、東九州龍谷出身はMB岩坂名奈(30)、ウイングスパイカー長岡望悠(29)、アウトサイドヒッター鍋谷友理枝(27)ら最多5人。多くの日本代表を輩出する春高常連校で、1年生からレギュラーの座をつかんだ。指揮官は「東龍には歴代、素晴らしいミドルブロッカーがたくさんいるが、その選手に引けをとらない。岩坂を超えられる」とさらなる成長を期待した。
7日の3回戦では敬愛学園(千葉)と対戦する。「コートの中で暴れ回って、2連覇を取りに行きたい。(スパイクは)思い切り打ちたいです」。最多7度の優勝を誇る強豪校で期待のホープが輝きを放つ。(武田千怜)
飯山 エミリ(いいやま・えみり)
2004(平成16)年9月15日生まれ、16歳。鹿児島市出身。吉野東小4年時にバレーボールを始める。吉野東中では鹿児島選抜のメンバーとしてJOC杯全国都道府県中学対抗に出場した。日本人の父とロシア出身の母を持つ。ミドルブロッカー。184センチ、78キロ。最高到達点は295センチ。