11月の全日本大学駅伝対校選手権(全日本)では一時先頭を走るなど大いに見せ場を作り、5位に食い込んだ早大。1万メートル…

 11月の全日本大学駅伝対校選手権(全日本)では一時先頭を走るなど大いに見せ場を作り、5位に食い込んだ早大。1万メートル27分台ランナーを参加校で唯一2人擁し、総合3位以内を目標に掲げて今大会に挑んだ。1区の井川龍人(スポ2=熊本・九州学院)が区間5位で好発進するも、Wエースを配置した2区、3区で勢いに乗りきれない。4区で鈴木創士(スポ2=静岡・浜松日体)が順位を8位から3位に押し上げる快走を見せるが、5区で失速し、シード圏外の11位で往路を終えた。

 1区は序盤から、近年まれに見るスローペースで展開され、井川は集団の前方で冷静にレースを進めた。18キロ手前の六郷橋でようやく大集団がばらけ始め、19キロ過ぎには先頭争いが法政大・東海大の2校に絞られた。井川はその後方の第2集団で粘り、最後はキレのあるスパートを見せた。1位の法政大と17秒差の好位置でタスキを繋ぎ、「1区で流れをつくってくれた」(相楽豊駅伝監督、平15人卒=福島・安積))と指揮官の期待に応えた。2区の太田直希(スポ3=静岡・浜松日体)は、走り始めるとすぐ東洋大、日体大らとともに集団を形成。終盤の権太坂以降は集団から遅れ、5つ順位を落として、10位で3区の中谷雄飛(スポ3=長野・佐久長聖)へタスキを渡した。中谷は、中盤以降7位に浮上するも、その後、帝京大・遠藤大地(3年)にかわされ、最後まで本領を発揮できなかった。10位から8位へと順位を押し上げたものの、優勝候補の東海大、駒沢大とは差を広げられてしまった。

 昨年7区で、1年生ながら区間2位と好走した鈴木が、今年は4区に登場。苦しい表情を浮かべながらも、淡々と前を追い、終盤15キロ過ぎに、1度は引き離された順天堂大・石井一希(1年)に並ぶと、19キロ地点では5位に浮上。その後、東京国際大と東海大の2チームを次々とかわし、区間3位の見事な走りで、8位から3位へと一気に順位を押し上げた。「(鈴木は)練習もよくできていたので、後半巻き返すことができた」と相楽監督も高く評価する快走で、昨年同様早大に流れを呼び込み、箱根路を沸かせた。しかし、5区に抜てきされた諸冨湧(文1=京都・洛南)は序盤に、7秒遅れでスタートした5区区間記録保持者の東洋大・宮下隼人(3年)に追いつかれる。その後も7チームに抜かれ、10位の拓殖大と11秒差の11位でゴールを迎えた。

 早大は、3区間での誤算が響き、往路11位でレースを終えた。1位の創価大とは7分5秒差、目標の3位とは4分44秒の大差がついてしまった。「狙っていた目標からすると、すごく厳しい順位だった」と往路を振り返る相楽監督。しかし、今季トラックレースで自己ベストを続々と更新し、勢いのあるメンバーが復路にも控える。「攻めの姿勢を貫いて、目標を達成するために全力を尽くしたい」(相楽監督)。エンジの逆襲はここから始まる。

(記事 星合和美)

第96回東京箱根間往復大学駅伝競走(往路成績)
区間距離名前記録区間順位
1区21.3キロ井川龍人1時間03分17秒5位
2区23.1キロ太田直希1時間08分17秒13位
3区21.4キロ中谷雄飛1時間03分29秒6位
4区20.9キロ鈴木創士1時間03分03秒3位
5区20.8キロ諸冨湧1時間17分06秒19位
早大 往路  5時間35分12秒  第11位

直前インタビュー

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コメント

相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)

――往路の選手たちの走りをどのように評価しますか

狙っていた目標からしてみると、すごく厳しい順位だったと思います。各区間で選手たちの出来、不出来もはっきりしていたので、ちぐはぐな駅伝だったという印象です。

――流れに乗りきれなかった要因は

1区がスローペースで始まって。こういう時は結構荒れるのですが、2区太田(直希、スポ3=静岡・浜松日体)、3区中谷(雄飛、スポ3=長野・佐久長聖)のところでできれば前の方にと思っていたのですが、少し心配していた日本選手権があったことでいつもと違う内容の調整を行ったことがどう出るかなというのが悪い方向に転がってしまいました。4区で鈴木(創士、スポ2=静岡・浜松日体)が一回立て直してくれましたが、諸冨(湧、文1=京都・洛南)もかなりシビアな状況で走り出して、緊張かなと思いますが自分の走りができなかったですね。

――当日変更の二人の調子は

中谷1区か井川1区かでギリギリまで考えて選択をして、井川は1区で流れをつくってくれましたので、そこは問題なかったかなと思います。

――中谷、太田選手の状態は

調子自体は悪くなかったと思うのですが、みんなが走り込みをしている時にビッグレースがあってそこに合わせましたので、今日もしかしたら調整がうまくいかなかったことも原因のひとつなのかなと思います。

――鈴木選手は前半苦しい走りになりましたが、後半大きく巻き返しました

区間賞を取りたいと意気込んでいて調子も良かったのですが、最初の1キロがかなり速かったのでそこで多分固まっちゃったのかなと。途中からアップダウンをうまく使ってリズムを立て直してくれました。彼は練習もよくできていましたので、後半巻き返すことができました。

――5区、吉田匠駅伝主将(スポ4=京都・洛南)ではなく諸冨選手の起用を決めたのはいつか

区間エントリー直前、先週くらいですね。二人とも上り坂に対しては積極的にトレーニングをやってくれていたのでギリギリまで調子を見極めて、諸冨の方が練習も継続できていて走れていましたので、諸冨という選択をしました。

――目標達成のために、復路はどんなレースをしたいか

見た目の順位は悪いですけど、前がかなり短いタイム差で詰まっていますし、一方でのんびりしているとすぐに後ろから追いつかれてしまうので、攻めの姿勢を貫いて目標を達成するために全力を尽くしたいなと思います。