セ・パe交流戦後節6日目
■タイトル: ソフトバンク vs 阪神 (会場:クラウン)
■出場選手: ソフトバンク・平山大輝/阪神・徳田直也
■スコア: ソフトバンク 2-2 阪神
■戦評:
ソフトバンクと阪神のセ・パe交流戦は、土壇場で飛び出したワンプレーが大きく響き、2-2の引き分けに終わった。
まずリードしたのは阪神・徳田。1回表、近本がセンターへのソロホームランを放ち貴重な先制点を挙げる。このリードを得意の投球術で守り切りたいところだったが、継投が裏目に出た。3回裏に2死1塁から、デスパイネを打席に迎えたところで先発・小野から守屋へスイッチすると、その初球、真ん中付近へ入った直球を完璧に捉えられ、逆転の2ランホームラン。中盤で試合をひっくり返された。
このまま逃げ切りたいソフトバンクだったが、5回表に阪神が意地をみせる。代打・北條の2ベースから2死3塁と同点のチャンスを作ると、大山へ投じられた直球がまさかのパスボールとなり3塁走者が生還。土壇場のバッテリーミスでスコアは2対2の同点となり、試合はそのまま引き分けで終了となった。
阪神・徳田はリリーフで起用した守屋が痛恨の被弾も、5回の代打攻勢が同点を呼び込み3試合連続の引き分け。ソフトバンク・平山は勝利を目前まで手繰り寄せたが不運なプレイに見舞われ、こちらも3試合連続の引き分けとなった。
■試合後コメント:
まさかのバッテリーミスで同点に追いつかれてしまったソフトバンク・平山選手
「(不運もあったが)チームで一番うまい甲斐選手を使っていて出てしまったプレーなので、そこは仕方ないという風に切り替えました。同点になって以降、点を与えずに追われたのはよかったかなと思います」
運を味方につけ、同点へと持ち込んだ阪神・徳田選手
「(あの場面は)ラッキー以外のなにものでもなかったです(笑)。ただ、最後まで諦めず点差を保って守り切ったことで、ちょっとだけ野球の神様が微笑んでくれたのかなと思っています」
■タイトル: 日本ハム vs DeNA (会場:クラウン)
■出場選手: 日本ハム・岡坂雄大/DeNA・辻晴
■スコア: 日本ハム 0-5 DeNA
■戦評:
ここまでともにセ・パe交流戦を2勝2敗1分という成績で最終戦を迎える日本ハムとDeNAの対戦。試合は、勢いに乗るDeNAのルーキー・辻が攻守に相手を圧倒し、継投での完全試合でセ・パe交流戦勝ち越しを決める白星を挙げた。
2番・指名打者でOBのラミレスを起用したDeNAは、初回の攻撃でそのラミレスにソロホームランが飛び出し、幸先よく先制点を挙げる。2回表にもロペスと嶺井の連打でチャンスを作ると、タイムリーヒット2本とスクイズでさらに3点を追加。これで完全に試合のペースを握った。守備面でも、コーナーへ丁寧に散らすピッチングで日本ハム・岡坂に思い通りの打撃を許さない。
4回表にも追加点を挙げリードを広げたDeNAは、守備固めとともにリリーフエースのエスコバーをマウンドへ送り出すなど、勝利へ向かって最後まで総力を投入。5回裏には守護神の三嶋が三者凡退で締め、打者15人を3投手のリレーでパーフェクト。今季のe交流戦では3試合目となる完全試合でDeNAが日本ハムを下した。
勝利したDeNA・辻は2番起用のラミレスが先制ソロを含む3安打2打点と采配も的中。日本ハム・岡坂は最後まで早いカウントで打っていく積極打法を貫いたが、逆に相手に翻弄される結果となり悔しい敗戦となった。
■試合後コメント:自身3連勝を完全試合で飾ったDeNA・辻選手
「終始ひざが震えていたりと緊張した状態ではあったのですが、攻める気持ちをずっと持っていたのでそこがいい結果につながったのかなと思います。(完全試合は)1回1回丁寧に投げた結果です。うれしいです」
■タイトル: 西武 vs 広島 (会場:クラウン)
■出場選手: 西武・香川真輝/広島・野上隼紀
■スコア: 西武 2-2 広島
■戦評:
2020年シーズンのセ・パe交流戦最終カードは西武と広島の対戦。セ・パe交流戦優勝のためには点差をつけての勝利が必要な西武だったが、試合は2対2の引き分け。この結果を受けてロッテが2季連続でのセ・パe交流戦王者に輝いた。
なんとしても勝利が欲しい西武・香川だったが、ミート打ちで軽打を狙う広島・野上に毎回安打を浴びる苦しい展開に。それでも3回表に広島が仕掛けたヒットエンドランが痛烈なライナーゲッツーとなるなど試合の流れも味方し、4回まで得点を許さずスコアレスのまま試合は最終回へと進む。
すると5回表、均衡が破れた。広島・野上が野間の2ベースを足掛かりに1死満塁とすると、代打・大盛の打球はショートへのゴロになるも僅かに足が勝り、併殺崩れの間に1点を先制。さらに、続く會澤にはタイムリーヒットが飛び出し、広島が大きな2点を挙げた。
追い詰められた西武・香川は4回まで無安打と広島投手陣を打ち崩せずにいたが、5回裏に初ヒットを放つと、2死から中村に起死回生の2ランで追いついた。しかし後続は倒れ、試合は引き分けで終了した。
これでセ・パe交流戦は全日程を終了し、4勝1敗1分と好成績を残したロッテが昨年に続いてセ・パe交流戦で優勝。プロリーグ全体では16勝14敗6分と、こちらも昨年同様パ・リーグの勝ち越しとなった。
■試合後コメント:
土壇場の一発で同点に追いついた西武・香川選手
「最終回までの4イニングが自分らしくないバッティングばっかりだったので、なんとか最低限追いつこうと思って望んで、追いつくことができたのでよかったです。(セ・パe交流戦優勝がかかっていたのは)正直、意識はしていました」
敗れはしなかったものの、勝利まであと一歩届かなかった広島・野上選手
「チャンスは作りながらも点が取れなくてモヤモヤしていました。試合的には自分にいい流れできていたので、もうひと押ししたかったです」