コロナ禍による異例のシーズンが終了。12月17日には年間表彰式『NPB AWARDS』が開催され、セ・リーグでも各部門のタイトルとともにゴールデングラブ賞(投手:菅野智之、捕手:梅野隆太郎、一塁手:ビシエド、二塁手:菊池涼介、三塁手:高橋…

 コロナ禍による異例のシーズンが終了。12月17日には年間表彰式『NPB AWARDS』が開催され、セ・リーグでも各部門のタイトルとともにゴールデングラブ賞(投手:菅野智之、捕手:梅野隆太郎、一塁手:ビシエド、二塁手:菊池涼介、三塁手:高橋周平、遊撃手:坂本勇人、外野手:鈴木誠也、大島洋平、青木宣親)が発表された。

 その中でも特に優れた“守り”を披露した<シーズントップ3>を選びたい。

【写真提供=共同通信】8年連続8度目のゴールデングラブ賞を受賞した菊池涼介。今季は二塁手として史上初の無失策&守備率10割を達成した。

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<1位>
菊池涼介(広島)
【シーズン守備成績】二塁手103試合 刺殺193 補殺310 失策0 守備率1.000

 今季も鉄壁だった。昨年オフにポスティングでのメジャー挑戦を目指しながら残留という結果となり、モチベーション低下も懸念されたが、自身が「モヤモヤすることなくスッキリ」と語った通り、コロナ禍の中でもハツラツとプレー。不動の正二塁手として俊敏かつ華麗に打球をさばき続け、10月15日の巨人戦で1993年に和田豊(阪神)が記録したセ・リーグ守備機会連続無失策記録432を27年ぶりに更新。そのまま一度のミスもなくアウトを重ね、二塁手としてはプロ野球史上初となるシーズン無失策、守備率10割を達成した。

 周囲からの評価も文句なし。両リーグ最多の283票(満票300)を集めて8年連続8度目のゴールデングラブ賞を受賞。二塁手として8度目の受賞はセ・リーグでは最多で、パ・リーグでは辻発彦(西武)に並ぶもの。8年連続は、辻の7年連続を上回る快挙となった。

<2位>
坂本勇人(巨人)
【シーズン守備成績】遊撃手113試合 刺殺176 補殺288 失策4 守備率.991
 
 プロ14年目、史上2番目の若さで通算2000安打を達成した男は、守備でも優勝に大きく貢献。今季出場115試合中113試合(代打のみが2試合)でショートの位置に入り、持ち前の広い守備範囲から、安定したグラブさばきとスローイングで、2008年のレギュラー定着以降では最少の4失策。

 遊撃手として「僕も個人的に毎年一番の目標にしている賞」というゴールデングラブ賞を2年連続4度目で受賞し、「守備でもチームに貢献できた。納得のいくシーズンだった」と振り返った。遊撃手として4度の受賞は、巨人では川相昌弘の6度に次ぐ記録。4連敗に終わった日本シリーズでも、魂のダイビングキャッチでチームを鼓舞するなど、守備時にこそ主将としての存在感を大いに放っていた。

<3位>
鈴木誠也(広島)
【シーズン成績】右翼手118試合 刺殺210 補殺8 失策2 守備率.991

 今季はチームがBクラスに低迷する中、自身も夏場以降に打撃が上向かずに4番の座を明け渡すなど苦しさを味わったシーズンだったが、守備面での貢献度は大。右翼手として鋭い打球反応と脚力の強さで投手陣を助けながら、自慢の強肩を存分に発揮し、外野手リーグトップの「補殺8」を記録した。

 その結果、ゴールデングラブ賞を外野手部門最多の245票を集めて2年連続4度目の受賞。本人は「今年はゴールデングラブ賞を獲れるか不安に思っていた」というが、トップ選出は自身初で「大変光栄」と感謝。侍ジャパンでも4番を務めた男は、打撃だけでなく、守備も一級品であるということを、今季だけでなく来季以降も証明し続けるはずだ。