前人未到の4連覇へと向かう早大の戦いは、今日が2試合目。昨日と同じスターティングメンバーが隙のないバレーで2セットを連取すると、第3セットの途中から選手を徐々に入れ替え、全員が高いレベルでプレーした。層の厚さを見せつけてセットカウント3-…

 前人未到の4連覇へと向かう早大の戦いは、今日が2試合目。昨日と同じスターティングメンバーが隙のないバレーで2セットを連取すると、第3セットの途中から選手を徐々に入れ替え、全員が高いレベルでプレーした。層の厚さを見せつけてセットカウント3-0(25-17、25-16、25-10)のストレート勝ちを収め、3回戦を快調に突破した。

 第1セットは大塚達宣(スポ2=京都・洛南)のバックアタックで幸先よく幕を開けた。相手も序盤から力強いスパイクを打ち込むが、安定感のあるプレーを見せた早大がブレイクを重ね、徐々に点差を広げる。水町泰杜(スポ1=熊本・鎮西)が相手ブロックを上手く利用してボールを弾き出し、前半のスコアは12-8。するとここから4年生が躍動した。宮浦健人主将(スポ4=熊本・鎮西)が連続で得点すると村山豪副将(スポ4=東京・駿台学園)にダイレクト、中村駿介(スポ4=大坂・大塚)にブロックが出て17-8と突き放す。以降も荒尾怜音(スポ1=熊本・鎮西)が広い守備範囲でカバーに走るなどボールがよく繋がり、25-17でこのセットを先取した。続く第2セットは、バックアタックも含め幅の広い攻撃を展開。7-6と追いすがる相手を、宮浦を中心とした6連続得点で振り払った。セット後半は相手ブロックに的を絞らせないトスワークが光ったが、それを加速させたのはサーブの質の高さ。特に水町はサービスエースを奪い、自身のサーブからバックアタックにも繋げた。このセットも流れを渡さず、25-16で奪う。

 


プレーでチームを牽引する宮浦主将

 水町に代えてレフトに重藤トビアス赳(スポ2=神奈川・荏田)を据えた第3セットは、最序盤から主導権を握った。上條レイモンド(スポ3=千葉・習志野)がネット際の強さを見せ6-0すると、重藤がブロックを打ち抜き7点目。以降は選手を徐々に入れ替えていく。ライトに中島明良(法2=京都・洛南)、リベロに北川諒(教3=東京・早実)が入り、レフトを吉田悠眞(スポ3=京都・洛南)、セッターを仲濱陽介(スポ3=愛知・星城)に代えるがこの間一度も失点を許さず、7連続得点で16-3。吉田や重藤が好プレーを見せると、ベンチも一体となって喜びを表現した。その後出場した秋間直人(スポ2=愛知・桜台)が高い位置から相手コートにボールを押し込み18-6とすると、終盤は中島が魅せる。ブロックで流れに乗り、ライトから鋭い角度でスパイクを打ち込んだ。22-9としたところで1年生の山田大貴(スポ1=静岡・清水桜が丘)も出場。下級生らが大舞台での経験を積んだセットは村山がブロックで締め、25-10でストレート勝ちを決めた。

 


途中出場したリベロの北川

 今日相手に許したブレイクは、3セットを通じて実に7度のみ。昨日に引き続き1セット、2セット目は高い組織力を見せつけ、貫禄すら感じさせるバレーを展開した。加えて3セット目に出場した選手らも高いパフォーマンスを発揮できたことは、大きな収穫と言えるだろう。今年ほとんどの大会が中止となり、連戦の経験が少ない現体制。この全カレを戦い抜くために選手たちが目標として掲げるのが、『誰が出ても強いチーム』だ。それをまさに体現した今日の良いイメージを保ったまま、頂点への道のりを一歩ずつ、確実に踏みしめる。

(記事 平林幹太、写真 西山綾乃)

セットカウント
早大25-17
25-16
25-10
大阪産業大
スタメン
レフト 大塚達宣(スポ2=京都・洛南)
レフト 水町泰杜(スポ1=熊本・鎮西)
センター 村山豪(スポ4=東京・駿台学園)
センター 上條レイモンド(スポ3=千葉・習志野)
ライト 宮浦健人(スポ4=熊本・鎮西)
セッター 中村駿介(スポ4=大坂・大塚)
リベロ 荒尾怜音(スポ1=熊本・鎮西)
コメント

村山豪副将(スポ4=東京・駿台学園)

――大会を迎えられて率直にどのようなお気持ちですか

すごく試合ができる嬉しさや楽しさが強いです。いろいろ大会がなくなって試合の楽しさを忘れていたりしましたが、みんなとユニフォームを着て試合ができているのを実感すると楽しいなと思います。

――試合中はとても声掛けをされていました

戦術的な支持はもちろん出しますが、とりあえず試合を楽しもうという声掛けを一番していました。

――今日の試合を終えていかがでしたか

昨日もそうでしたが、今日も対戦したことのない相手で。それをしっかりきょうミーティングで話し合ったことを一人一人ができていたので、試合内容的には良かったと思います。また全員が出場することができたので、目標として掲げている『誰が出ても強いチーム』というのを発揮できた試合かなと思います。

――ミーティングでは何を話されましたか

主に相手チームの分析ですかね。サイド陣がけっこう打ち込んでくるので、そこをどう塞ぐのかというので、サーブとブロックがカギになってきていて。今日はサーブも攻められていましたし、ブロックポイントもありましたし、ブロックからの切り替えしというのも良かったので、そこは明日以降も継続してやっていきたいと思います。

――今日の1、2セット目を振り返っていかがですか

すごく出だしを大事にしていて、どちらのセットも出だしが自分たちのリズムで試合運びをできていたので、それはすごく良かったなと思います。

――3セット目の終盤からはBチーム主体のチームになっていて、終始村山選手は出場していましたが、どのような印象を持ちましたか

Bチームと分けていますが、出場していない選手もすごくレベルが高いので、一人一人が自分の役割を果たせていたので良かったなと思います。

――最後に明日以降の試合に向けて意気込みをお願いします

明日は準々決勝ですごく難しい試合になりますが、自分たちが今までやってきたことを全部ぶつけて、最後まで試合を楽しみたいと思います。

重藤トビアス赳(法2=神奈川・荏田)

――試合を振り返って感想は

チームの状態は昨日より今日の方が良くなっていて、自分の状態も良くなっています。良い傾向にあるのではないかと思います。

――具体的にどのような部分が昨日より良くなっていましたか

自分もスタートから入っている訳ではないのですが、後から入っているメンバーが雰囲気を盛り上げて良い表情でやっていたことです。それに伴ってプレーも良い方に向かっていったのではないかと思います。

――今日もBチームの出場がありましたが、昨日より落ち着いてプレーできましたか

そうですね。2試合目ということもあり、あまり経験したことのないインカレの雰囲気に慣れてきたのかなと思います。

――全カレの前からピンチサーバーとして投入される場面がありましたが、やはりサーブは自身の強みになっていますか

自分の場合は普通のスパイクよりもサーブの方が強いボールが打てると思っているので、そうですね。

――途中出場の選手が得点するとチームが盛り上がる印象です。コートの雰囲気は

3セット目にスタートから入ったのは僕だけだったのですが、コートの皆が自分を盛り上げてくれてやりやすい環境にしてくれました。自分が一本決めて盛り上がったなというのは感じました。

――明日以降に向けて一言

明日も自分はピンチサーバーとして出場する機会があると思うので、その役割をしっかり果たしてチームの勝利に貢献したいです。

中島明良(法2=京都・洛南)

――試合を終えて率直な感想は

AチームもBチームも試合に出て、ある程度活躍できていたので良かったのではないかと思います。

――昨日も出場されましたが、昨日と比べて今日の試合の印象は

慣れもあると思うのですが、昨日より思い切ってプレーできていたので良かったです。

――Bチームは昨日の第3セットと比べて安定感がある印象を受けました。その要因は

やはりBチームが安定してプレーできないとAチームが安心して交代できないというのはありますし、Aチームの疲労を最小限に抑えるためにもBチームの活躍が大事になってきます。それは分かっていたのですが昨日は良い試合展開ではなかったので、反省を生かそうという思いが今日の試合に繋がったと思います。

――元々はミドルを務められてきましたが、ライトでの出場に難しさはありますか

ライトをやり出して2年になるので、もう大丈夫ですね。

――明日以降への意気込みをお願いします

交代して出る場面があれば、自分が持っている力を出し切ることに注力して頑張りたいと思います。サポートに徹します。