日本ハムの大谷翔平投手は今季、投打両方の活躍でチームの日本一に貢献。指名打者と投手の両部門でベストナインにダブル選出されるという史上初の偉業を成し遂げ、メジャー球団から大きな注目を浴びている。来オフ以降にポスティングシステム(入札制度)を経…

日本ハムの大谷翔平投手は今季、投打両方の活躍でチームの日本一に貢献。指名打者と投手の両部門でベストナインにダブル選出されるという史上初の偉業を成し遂げ、メジャー球団から大きな注目を浴びている。来オフ以降にポスティングシステム(入札制度)を経てアメリカ上陸となれば、大争奪戦に発展することが予想されるが、予算規模の小さい球団も獲得に乗り出す可能性があると米メディアが伝えている。

■予算規模の小さい球団も名乗りか、大谷は「カーショー+ゴールドシュミット」?

 日本ハムの大谷翔平投手は今季、投打両方の活躍でチームの日本一に貢献。指名打者と投手の両部門でベストナインにダブル選出されるという史上初の偉業を成し遂げ、メジャー球団から大きな注目を浴びている。来オフ以降にポスティングシステム(入札制度)を経てアメリカ上陸となれば、大争奪戦に発展することが予想されるが、予算規模の小さい球団も獲得に乗り出す可能性があると米メディアが伝えている。

「ショウヘイ・オオタニ、彼は何者か、そして、なぜロッキーズは彼を獲得するために有り金をはたかなければいけないのか」と特集したのは米スポーツ専門メディア「SBネーション」だ。

 ロッキーズは近年、チーム立て直しのために補強を繰り返している。記事では、今オフも外野手と強打者を獲得する可能性が浮上していることを伝えながら、「しかしながら、ロッキーズが本当にしなければならないことは、インターナショナル・フリーエージェント(※実際はポスティングシステムでの移籍)になるであろうショウヘイ・オオタニを獲得し、球団の最高年俸記録の更新を目標とすることだ」と報じている。

 特集では、大谷の驚きのデータを紹介している。ピッチャーとしては今季21試合に登板し、140イニングで174奪三振を記録。防御率1.86、WHIP(1イングあたりの被安打+与四球)0.96、9イニングあたりの平均与四球は2.9だったが、「これは2016年のクレイトン・カーショーだ」と絶賛。前田健太投手の同僚で、メジャー最強左腕と呼ばれるエースにたとえている。

 さらに、バッターとしては104試合で打率.322、出塁率.416、長打率.588、22本塁打、67打点、7盗塁、54四球を記録したことを記し、「これは2015年のポール・ゴールドシュミットだ」と称えた。ダイヤモンドバックスで2013年に本塁打王と打点王に輝き、4年連続でオールスターに選出されているメジャー屈指の一塁手と比肩する成績だったという。

■新労使協定では契約金制限、「球界で最もエキサイティングな選手の獲得に成功するかも」

 投打のスーパースターと比較された大谷だが、記事ではさらに「この数字ではオオタニの素晴らしさの半分も表現できない。見ればわかるが、ショウヘイ・オオタニはこの世のものではない。彼は東京ドームの屋根を超える打球を打つのだ」とし、侍ジャパンの一員として11月13日の強化試合オランダ戦で放った衝撃の一打を動画付きで紹介している。

 通常、大谷クラスの実力者なら膨大な契約金が必要となるが、資金面で大都市のクラブと渡り合うことが難しいロッキーズにもチャンスはあると「SBネーション」では指摘。今月5日に承認された新労使協定では、海外の若手選手補強に関する新ルールが設定されたからだ。

 新労使協定では、25歳未満の外国人選手の場合に契約金は制限され、1年目はマイナー契約に限られるとも報じられている。その場合、年俸も極端に制限されるが、ロッキーズのような球団にとってはチャンスになる。特集は「球界でも最もエキサイティングな選手の獲得に成功するかもしれない。クアーズ・フィールドでどこまで打球が飛ぶか想像することは禁じられていないのだ」と締めくくっている。

 標高1600メートルの高地にあるため打球が飛びやすく、“打者天国”とも呼ばれる本拠地で大谷が二刀流を許されれば、当然投手としては厳しさもあるが、打者としては魅力的。スラッガー大谷がどこまで打球を飛ばすのか。地元メディアもその日を心待ちにしている。